名品紹介
花鳥蒔絵螺鈿洋櫃(かちょうまきえらでんようびつ)

いわゆる南蛮漆芸の櫃で、16世紀後半から17世紀前半に製作された輸出用の漆芸品。構造は箱形の身に、半円筒形の蓋を蝶番で開閉し、錠金具と提鐶をつける。器面全体を黒漆地に金銀の平蒔絵に螺鈿をまじえ、細線には針描を用いて、鶴・孔雀・虎などの動物、桐・椿・楓・桔梗・萩・野菊などの植物文様を装飾する。このような洋櫃は西洋人の注文によって製作されたもので、現存する遺品から推してもかなりの数がつくられたものと思われる。
縦51.9cm 横91.3cm
高61.3cm
桃山時代(16世紀)
H甲31
京都国立博物館