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修理完成記念特別公開

重要文化財 大威徳明王坐像



【会期】2006年4月19日(水)〜5月7日(日)

【会場】平常展示館 17室

【料金】通常の観覧料金でご覧いただけます。

  桜の名所としてもよく知られる醍醐寺は真言宗醍醐派の総本山です。京都市伏見区の東、笠取山のふもと(下醍醐)から山頂(上醍醐)までの広い範囲を境内としています。
  数多くの文化財を今に伝える醍醐寺ですが、本像は上醍醐の五大堂に本尊としてまつられる五大明王像のうちの大威徳明王です。大威徳明王は西方に安置され、牛に乗り六面六臂六足にあらわされるのが大きな特徴です。
  本像を安置する五大堂は、理源大師聖宝(八三二〜九〇九)によって延喜七年(九〇七)に作り始められ、弟子の観賢が引き継いで同十三年までに完成させました。その後何度か被災し、五大明王像も本像を除いては後世の補作にかわっていますが、唯一本像は創建当初にまでさかのぼるものです。

重要文化財 大威徳明王坐像
平安時代
京都 醍醐寺蔵
(※画像は修理前のものです。)  



  伸びやかな肢体、目を大きく見開いた特徴的な表情など造形的にも優れており、十世紀はじめころに製作された仏像の特徴をよく示しています。また、文献などからも十世紀初頭に製作されたことがわかる基準作例として、仏教彫刻史の観点からも、きわめて貴重な像といえます。
  その重要性から、本像は平成十六年に国の重要文化財に指定され、翌十七年には国庫補助により、京都国立博物館内の文化財保存修理所において修理が行われました。そしてこのたび、その修理が完成したことを記念して、特別に公開されるはこびとなりました。
  特別公開終了後は、山上の五大堂内にふたたび安置される予定で、山上からの路の険しさを思えば、今後は展覧会等に出陳されることもきわめて困難かと考えられます。是非ともこの機会に、十世紀初頭の密教彫刻の優れた造形をご観覧いただきたいと思います。

 
   
※明王※
  密教では神秘的な言葉、すなわち真言を重要視します。明王の「明」とは真言のことで、明王とは真言を身につけたものの王であることを示しています。慈悲の心だけでは救えない衆生を怒りによって救うという役目を持っているため、孔雀明王などの例外を除いては、怒りをあらわにした、いわゆる忿怒形であらわされます。また、ヒンドゥー教の神々の姿を取り入れたため、数多くの顔や手を持つ多面多臂にあらわされることが一般的です。五大明王は大日如来の化身である不動明王を中心に、東に降三世、南に軍荼利、西に大威徳、北に金剛夜叉(天台宗では烏枢沙摩明王とすることがある)の四明王を配するものです。