仏画

地蔵と十王
2018年6月12日 ~ 2018年7月 8日

僧侶の姿をした優しい姿の地蔵菩薩と、いかにも地獄の裁判官にふさわしい恐ろしい顔立ちの十王とは、まったく共通点がないようでいて、関係が大ありです。

十王とは、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)、百ヶ日、一周忌、三回忌の節目毎に死者の生前の行いを審判する十人の冥府の王を指します。

インドの仏教においては、臨終から七日ごと、七週にわたって法要が行われていました。これが現在の葬送にも引き継がれている四十九日です。仏教が中国に伝わった後、中国で行われていた葬送儀礼がミックスされ、ローカル化していきます。中国にはもともと儒教があり、百日忌・一周忌・三回忌は儒教の服喪期間の名残です。更に道教もあり、その冥府信仰と習合していきます。その結果、九世紀頃に『預修十王生七経』という偽経が作られ、十王信仰が成立しました。

日本はこの中国の十王信仰を受け入れ、平安時代後期には更に日本化されて、『地蔵十王経』という偽経が作られました。ここで地獄の救済者としての地蔵と十王が結びついた信仰が確立したのです。特に、十王のうちの閻魔王は、地蔵菩薩の姿を変えた存在と考えられました。閻魔王は罪を憎んで苛烈な審判を下す反面、地蔵は人を憎まず地獄に落ちた者にも地獄に分け入って慈悲を垂れます。受刑者の更正を目的とした日本の刑務官の誠実な姿と重なるように思います。

展示作品リスト

指定 作品名 員数 所蔵  
重文 十界図 2幅 京都・禅林寺 音声ガイド
十王図 10幅 兵庫・清澄寺
地蔵菩薩像(壬生地蔵) 1幅 京都国立博物館 音声ガイド
阿弥陀三尊来迎図 1幅 京都・光明寺

展示作品及び展示期間は、都合により変更される場合があります。ご了承ください。
:音声ガイドで解説がお聞きになれます(有料・館内で貸し出し)。

京都国立博物館 Twitter

ご来館くださる皆様へ
京都国立博物館からのお願い

↑ ページのトップへ