王侯のコレクションと
京の店先

  マリー・アントワネットの蒔絵コレクションは質量ともにヨーロッパ随一を誇ります。輸出用に作られた品だけでなく、日本国内で流通したものと同等の小型漆器も含まれていて、まるでタイムカプセルのように、江戸時代の京の店先で蒔絵が取引きされていた様子を今に伝えてくれます。江戸時代前期までは蒔絵はすべて注文生産でしたが、富裕な町人階級の登場により店頭で売られたり市場に流通するようになっていたことが、海外のコレクションの調査研究から明らかになりました。
マリー・アントワネットの肖像 ジョゼフ・デュクルー ヴェルサイユ宮殿美術館蔵
©Photo RMN-©Gerard Blot