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展示作品紹介
1・2・3室
能登七尾に生まれた等伯は、はじめ「信春」と名乗り、主に北陸地方の法華宗寺院を相手に仏画を描いていましたが、30代前半に上洛し、さまざまな絵画に筆を染めました。ここでは、七尾時代から上洛後、「等伯」と改名する頃までの作品を展示します。驚くほど緻密な筆遣いによる仏画や古格をたたえた水墨画、さらに大和絵技法を取り入れた風俗画など、どれをみても既に彼が一流の画技の持ち主であったことがご了解いただけることでしょう。
重要文化財
三十番神図 長谷川等伯(信春)筆
富山(高岡市)・大法寺蔵
4室
上洛後の等伯を支え、彼を大絵師に導いた人々の肖像画がズラリと並びます。その中には、歴史の本でいつも目にする、有名な「千利休像」「武田信玄像」も含まれています。
重要文化財
日堯上人像 長谷川等伯(信春)筆
京都・本法寺蔵
重要文化財
千利休像 春屋宗園賛 長谷川等伯筆
京都・表千家不審菴蔵
5・6室
天下人・豊臣秀吉の命で描いた金碧障壁画―「楓図」・「松に秋草図」―をご覧いただきます。実物大以上の大きさで捉えられた樹木の雄大さと鮮烈な彩色、そしてまぶしいまでの金箔の輝きは、文字通り、桃山時代の「華」といえましょう。また、ここには、昨年、信春時代に描かれた新発見の金碧画として話題を集めた「花鳥図」に加え、優美な雰囲気をもつ「萩芒図」、「柳橋水車図」などの金碧屏風絵の名作も展示されます。
国宝
楓図壁貼付 長谷川等伯筆
京都・智積院蔵
国宝
松に秋草図屏風 長谷川等伯筆
京都・智積院蔵
中央室
等伯が親族の供養のために描いた「仏涅槃図」と、北野天満宮に奉掛された「弁慶昌俊相騎図絵馬」がちょうど対峙するように陳列されます。なんと前者は縦10メートルの巨大な掛幅、後者は絵馬としては最大級の横四メートルを誇ります。きっと、その威容に驚かれることでしょう。
重要文化財
弁慶昌俊相騎図絵馬 長谷川等伯筆
京都・北野天満宮蔵
重要文化財
仏涅槃図 長谷川等伯筆
京都・本法寺蔵
7・8・9室
晩年期の等伯が京都の有名寺院に描いた水墨障壁画の名品を多数ご紹介します。研ぎ澄まされたような鋭利な筆遣いをみせる山水図もあれば、猿や鶴、牛たちの姿を柔らかな筆遣いで捉えたものもあります。等伯の筆技の冴えを存分にご堪能いただきたいと思います。
重要文化財
枯木猿猴図 長谷川等伯筆
京都・龍泉庵蔵(4/27~5/9展示)
 
 
 
重要文化財
烏鷺図屏風 長谷川等伯筆
千葉・川村記念美術館蔵(4/10~25展示)
10室
フィナーレを飾るのは、もちろん「松林図」です。そこに垂れ込める霧は実際には描き込まれているわけではなく、松をあらわす墨の濃淡を微妙に変えることで、まるで霧がそこに実在するように見せているのです。「描かずにあらわす」という魔術のようなテクニックと、作品が醸し出す詩情感あふれる世界をご体験ください。また、ここには「松林図」の月夜バージョンともいうべき「月夜松林図」も並びます。じっくりと見比べるのも、一興でしょう。
国宝
松林図屏風 長谷川等伯筆
東京国立博物館蔵
月夜松林図屏風