絵巻
公家列影図(くげれつえいず)
基本情報
- 紙本淡彩 36.8×522.5cm
- 鎌倉時代(13世紀)
- 重要文化財
- 京都国立博物館
- A甲233
摂関大臣などの公卿57人を上下2段に、上段は前を向いて、下段は背向して振り向く姿で描くもので、かつて「年中行事着坐図巻」と呼ばれたが、ある時の行事に集う人を描くものではなく、公家の列坐影である。宮内庁本天子摂関影によって像主を見ると、巻首の藤原忠通から、建長4年(1252)補任の摂関大臣まで描かれている。 筆者を藤原信実と伝えるように、画風は細線をひき重ねて像主の相貌を写し取る似絵の伝統的技法が生きており、隆信、信実以来の似絵の家系に筆者を求め得る。束帯の文様に有職を無視して蕪や大根まで描くのは異例であり、あるいは似絵の手控として作られたかとの想像をひきおこす。