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漆器を守り伝える―修復の成果―
2020年12月19日 ~ 2021年1月31日

ウルシの樹液は、空気中の水分が含む酸素に反応して固まります。ひとたび固まると、熱、酸、塩、アルコールにも負けない頑丈な漆ですが、長く紫外線に曝されると分子間の結合が壊れてしまいます。急激な湿度変化では木部が伸縮し、緩衝剤(かんしょうざい)となるべき下地が足らないと、表面の漆塗膜(うるしとまく)にヒビが入ります。落としたりぶつけたりしなくとも、数百年の間には堅牢な漆器にもダメージが蓄積されるのです。文化財修理では、汚れを慎重に取り除き、剥がれた塗膜や螺鈿を接着し、欠けたところが目立たぬよう下地材などで整え、ミクロの亀裂に漆を吸わせて自然な艶を蘇らせます。

展示作品リスト

指定 作品名 員数 所蔵
重文 牡丹蒔絵厨子 1基 京都・報恩寺
  桐竹鳳凰菊桐紋蒔絵広蓋 1枚 京都国立博物館  
  黒漆雲龍螺鈿琵琶 1面 京都国立博物館
(大島良晴氏寄贈)
 
  長春花蒔絵歯黒箱 1合    
  松竹椿に抱き牡丹紋蒔絵高杯 1基 京都・三時知恩寺  
  丸に井桁紋螺鈿沈金箙 1腰 京都国立博物館  
重文 牡丹唐草螺鈿経箱 1合 京都・本法寺  
  花鳥蒔絵螺鈿書箪笥 1基 京都国立博物館  
  楼閣人物螺鈿基壇 1基 京都国立博物館  
  龍骨車蒔絵鞍・鐙 1具 京都国立博物館  
  蜻蛉蒔絵鞍・鐙 1具 京都国立博物館
(渡辺実氏寄贈)
 
  黒漆司馬温公家訓螺鈿掛板 1枚 京都・檀王法林寺
重文 桐蒔絵棚 1基 京都・高台寺  
  海松貝蒔絵螺鈿厨子棚 1基 京都・三時知恩寺  
  山水楼閣人物文螺鈿厨子扉 2枚 京都・妙光寺  

展示作品及び展示期間は、都合により変更される場合があります。ご了承ください。

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