これまでの展示

大航海時代と日本の蒔絵
2016年12月13日 ~ 2017年1月22日

 十五世紀、アジアの海では、小型商船が沿岸各地を行き交い、香料や絹織物、銅や銀や硫黄などを活発に取引していました。その豊かな海に、西洋の大型船が乗り込んできます。彼らは十六世紀半ばには日本に辿りつき、蒔絵を見いだしました。
 ウルシの樹脂は、器に塗られてひとたび固まると、塩にも酸にもアルコールにも負けない堅牢な表面を作ります。当時の西洋人は、初めて見る漆器に「熱湯をかけても傷まない」と驚きました。この漆器に黄金で文様を描いた「蒔絵」は、彼らを魅了し、人気の交易品となりました。
西洋人の注文に応じて作られた漆器には、黄金の蒔絵に加え、螺鈿(貝の象嵌)や鮫皮(エイの皮)なども併用されました。インドの貝細工の影響が見られたり、タイから輸入された鮫皮が使われるなど、なんとも国際的です。エキゾチックな輸出漆器を、どうぞお楽しみください。

展示作品リスト

指定 作品名 員数 所蔵  
双龍花鳥蒔絵螺鈿裁縫道具入 1合 京都国立博物館
花鳥蒔絵螺鈿角徳利及び櫃 6本1合 京都国立博物館 音声ガイド
IHS紋蒔絵螺鈿聖餅箱 1合 京都国立博物館
花鳥蒔絵螺鈿聖龕 1基 京都国立博物館 音声ガイド
IHS花入籠目文蒔絵螺鈿書見台 1基 京都国立博物館 音声ガイド
花鳥蒔絵螺鈿合子 1合
草鳥蒔絵螺鈿櫃 1合
FONASANOPEGE文字入蒔絵螺鈿小箱 1合
楼閣山水図蒔絵螺鈿丸盆 1枚
花鳥山水蒔絵螺鈿飾箱 1合
丸紋螺鈿蒔絵書箪笥 1基
花鳥蒔絵螺鈿書箪笥 1基 京都国立博物館
花鳥蒔絵螺鈿書箪笥 1基
草花蒔絵漆皮楯 1面 京都国立博物館
花唐草蒔絵交椅 1基 京都国立博物館 音声ガイド
花鳥蒔絵螺鈿洋櫃 1合 京都国立博物館
重菱文螺鈿蒔絵洋櫃 1合
丸紋蒔絵螺鈿洋櫃 1合
青海波文蒔絵螺鈿洋櫃 1合

展示作品及び展示期間は、都合により変更される場合があります。ご了承ください。
:音声ガイドで解説がお聞きになれます(有料・館内で貸し出し)。

京都国立博物館 Twitter

新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のためのお願い

ご来館くださる皆様へ
京都国立博物館からのお願い

↑ ページのトップへ