密教図像の美─入魂の一発技─

これまでの展示

密教図像の美─入魂の一発技─: 2017年6月13日～ 2017年7月23日

　密教図像とは、美術史の世界では地味な存在です。今回、これらの作品に光をあて、皆様の高覧に資したいと思います。
　図像は、形を正確に伝えることに重要な意味がありますので、たいていは、乾性油（桐・荏胡麻など）を引いて半透明にした油紙に敷き写しで描かかれました。油紙は、表装・改装修理の際に水を使うことで、作為・不作為にかかわらず油が抜けてしまい、現在は分かりにくくなっているものが多いのですが、よく見ると墨をはじいていることからわかります。
　また、いかに敷き写しが多いとはいえ、線を引くのはやはり一発技です。描き手の実力が如実に線に現れており、善し悪しがわかりやすいのも特徴です。優れたものは、鑑賞画のレベルに達しており、近代では立派に表装されて美術品として茶会などで用いられたりしました。

曼荼羅集　巻下　当館

展示作品リスト

指定	作品名	員数	所蔵
	四面四臂四足不動明王像	1幅	京都国立博物館	音声ガイド
	伊舎那天図像	1幅	京都国立博物館
	金胎仏画帖断簡　金剛語菩薩	1幅
重美	胎蔵界外金剛部図像	1巻	京都国立博物館	音声ガイド
	曼荼羅集　巻下　経弁筆　善智画	1巻	京都国立博物館	音声ガイド
	護摩爐壇形図像	1巻	京都国立博物館