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展示

2016年7月29日

仏像に込められた意味だリン☆

こんにちリン!
トラりんだリン!


前回のブログで淺湫(あさぬま)研究員に、彫刻から見える時代と人々の想いを教えてもらったリン!
今日は、前回紹介した仏像以外のお話を聞くよ♪

淺湫研究員:みんな、今日もよろしくね。
じゃあ早速、「大日如来坐像(だいにちにょらいざぞう)(重要文化財・金剛寺(こんごうじ))」から見ていこうか。
この仏像は、他のものと比べてとても大きいでしょ。

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トラりん:ボクたちが小さく見えるリン!
それに、すごくキラキラしていて綺麗だリン☆

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淺湫研究員:お釈迦様(しゃかさま)は我々と同じ世界にいる存在で、それよりももっと大きな世界の中心にいるのが、この大日如来だと考えられていたんだ。
だからこんなに大きく作られていて身を飾(かざ)っているから、これまで見たものとは違った雰囲気を感じさせるよね。

トラりん:大きくてキラキラしていて、展示室の中でも一際(ひときわ)存在感があるリン!

淺湫研究員:この像は鎌倉時代の有名な仏師(ぶっし)である、運慶(うんけい)【生年不詳】が作ったものと言われているよ。
みんなも、きっとこの名前を聞いたことがあるよね。

トラりん:ねぇ、淺湫研究員・・・さっきから隣にいる「不動明王坐像(ふどうみょうおうざぞう) 行快(ぎょうかい)作(重要文化財・金剛寺)」さんの顔が怖くて、左を向けないリン・・・(小声)

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淺湫研究員:これは、優しい心だけでは態度を改(あらた)めない人々に対して怒っているんだよ。
子供を叱(しか)るお父さん、お母さんのようだね。

トラりん:そうだったんだね!
理由を聞いたら、とってもいい像に思えたリン♪

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トラりん:この、手がたくさんある仏像は?

淺湫研究員:これは運慶の長男である湛慶(たんけい)(1173-1256)作の「千手観音立像(せんじゅかんのんりゅうぞう)(重要文化財・妙法院(みょうほういん))」。
運慶には6人の息子がいて、全員仏師なんだよ。

トラりん:えー!6人みんな仏師?!
すごい一家だリン!

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淺湫研究員:湛慶は、火災に遭(あ)った三十三間堂復興のリーダーだったんだ。
この千手観音立像は、三十三間堂にある1001体の中の一つなんだよ。

トラりん:え?1000体じゃないの?

淺湫研究員:実は大きな本尊(ほんぞん)の後ろに1体あるから、みんなも探してみてね。

トラりん:それにしても手の数がすごいリン・・・
全部数えたら、1000本になるの?

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淺湫研究員:千手観音は実際に1000本の手があらわされているものもあるんだけど、この像では合掌(がっしょう)をしている1対の手を除(のぞ)いた40本の手で1000本をあらわしているんだ。
ということは、1本の手が25本分の役割をしているということになるね。

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トラりん:あ!こっちの「金剛力士立像(こんごうりきしりゅうぞう)(京都・愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ))」は、ボクも知っているリン!
門番として、門の左右でお寺を守っているんだよね。
あれ?淺湫(あさぬま)研究員の後ろの像は口を空けているけど、お腹が空いているリン?

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淺湫研究員:2体の像の口は、対照的な形をしているね。
お腹が空いたわけじゃなくて、こちらの像の口は「あ」の形。
トラりんの方は、口を閉じて「ん」の形が表されているよ。

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トラりん:「あ」と「ん」?
「あいうえお・・・わをん」の最初と最後だリン♪

淺湫研究員:正解!
「あ」=はじめ。「ん」=終わり。という意味で、物事の始めと終わりを表しているんだ。トラりん、よく気付いたね!

トラりん:こ、これくらい楽勝だリン!(褒められたから、たまたま当たったことは内緒にしておくリン・・・)

淺湫研究員:門番の像には「あ」と「ん」のペアのものが多いんだ。
狛犬(こまいぬ)もそうだよ。
正確には、「あ」は「阿(あ)」。
「ん」は「吽(うん)」。
これで、「阿形像(あぎょうぞう)」と「吽形像(うんぎょうぞう)」というよ。
寺院内に仏敵(ぶってき)が入り込むことを防ぐため、守護神(しゅごしん)として2体を1対として置かれるんだ。


トラりん:よく目にする有名な作品でもはじめて知る背景がまだまだたくさんあって、とっても面白いね!

淺湫研究員:そうだね。
1つの作品からたくさんのことが見えてきて、興味深いよね。
今回の展示では、平安から鎌倉へと時代を追うことができるようになっているから、是非みんなにも仏像の世界を体験してほしいな。

トラりん:淺湫研究員―!もっと仏像について教えてほしいリン!
早く!今度は、あの仏像だリン!

淺湫研究員:えー!まだ続けるの?!
トラりん、ちょっと待ってよー。
つづきは、また今度にね!

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