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2022年6月24日

特集展示「新発見!蕪村の「奥の細道図巻」」を見に行くリン!

特集展示「新発見!蕪村の「奥の細道図巻」」を見に行くリン!

こんにちリン!
トラりんだリン!

torarin

今日は、特集展示 新発見!蕪村の「奥の細道図巻」を見に行くリーン♪
一緒に展示を見てくれるのは、福士研究員だよ!
福士研究員☆久しぶり~!

fukushi(福士研究員)
...誰だっけ??

torarin(トラりん)
ええええええ!!!!!

torarin
torarin
ほ、ほんとに忘れちゃったの?!

fukushi
ごめんごめん、前回の登場から少し間が空いたから、つい忘れたふりをしてみたよ!

torarin
も~、悪い冗談はやめてほしいリン!
ところで今日は、蕪村さんの「奥の細道図巻(おくのほそみちずかん)」を見に行くんだよね!ボク、前に一緒に見たのを覚えているリン!

fukushi
さすがはトラりん、2016年の特集陳列「生誕300年 与謝蕪村」のことだね。このときは蕪村の作品15件を展示していて、京博が所蔵する「奥の細道図巻」も出ていたよね。

torarin
そうそう、虎ブログで紹介したよ!
特集陳列「生誕300年 与謝蕪村(よさぶそん)」を見にいくリン♪

torarin

torarin
わー6年前の写真なのに、福士研究員、ちっとも変わってないねー。

fukushi
うわー、トラりん棒読みやわー(笑)
まあ二人が仲良しなのは変わらないけどね!
トラりんは蕪村がどんな人だったか覚えてる?

torarin
うん!蕪村さんは、江戸時代の人で、俳句も絵もたくさん残した人!
それと、『おくのほそ道』を書いた松尾芭蕉さんのことが大好きだった人だよね?

fukushi
トラりん、よく覚えてるね!俳諧※も絵画も得意とした蕪村は、俳画(はいが)という、あっさりとしていてしかも味わい深い絵画を得意としたんだ。「奥の細道図巻」は、その真骨頂ともいえる作品なんだよ。

※俳諧(はいかい)...江戸時代に流行した、交互に俳句を詠む「連歌(れんが)」のこと。連歌のさいしょの句・発句(ほっく)が、俳句のもととなった。

torarin
たしか芭蕉さんの『おくのほそ道』は、蕪村さんの時代にリバイバルブームがあったって言っていたよね。

fukushi
そうだよ。
蕪村は、芭蕉が没してから20年以上経って生まれているんだ。
当然ながら、二人に面識はないんだけど、蕪村の俳諧の師である早野巴人(はやのはじん)は、嵐雪(らんせつ)・其角(きかく)という芭蕉の有力弟子に師事した人だったんだ。だから、俳諧の教えを受け継いでいるという点で、二人は繋がっているとも言えるね。

torarin
なるほど~!ところで、芭蕉さんが残した『おくのほそ道』って、どんな作品なの?

fukushi
『おくのほそ道』は、芭蕉が門人と一緒に江戸を出発して、東北・北陸などめぐった旅をもとに書いた文章だよ。旅先で見た風景だけでなく、各地で出会った人々との交流などについても書かれているんだ。もちろん、そこでつくった俳句もたくさん含まれているよ。

torarin
面白そう!

fukushi
その『おくのほそ道』の文章をすべて写し、関連する絵を添えたのが、蕪村の「奥の細道図巻」なんだ。
蕪村は、巻物や屏風の形でいくつかの奥の細道図を残していて、これまでは4件の作品が知られていたんだ。京博所蔵の作品も、このうちの1件だよ。どの作品も蕪村の代表作として高く評価されていて、4件のうち3件もの作品が重要文化財に指定されていることもそれを物語っているね。
そして、今回5件目となる作品が新たに発見されたんだ。
蕪村の手紙からは、いま知られていないものも含めて、およそ10件の奥の細道図を描いたことがわかるんだけど、新発見作はその中でも一番早い時期に制作されたものなんだよ。

torarin
わあーーーーそれは大発見だリン!

fukushi
蕪村の時代には、『おくのほそ道』はすでに出版されていて、多くの人に読まれていたんだ。蕪村もその刊行本からテキストを写したことがわかっているよ。でも、どの場面をどんなふうに絵にするかは、蕪村自身の創意工夫だったんだ。

torarin
蕪村さんのセンスとオリジナリティが光っているリン!

fukushi
過去の作品が新たな作品を生み出す原動力になる、その創造の連鎖が面白いねえ。

torarin
創造の連鎖って、すてきな言葉...期待が高まるリーーーン!

fukushi
こちらが今回新たに発見された作品「奥の細道図巻(おくのほそみちずかん) 与謝蕪村(よさぶそん)筆 江戸時代 安永6年(1777)」だよ。

torarin
torarin
これが新発見の作品!!この絵はどんな場面なの?

fukushi
この場面は、巻頭の旅立ちの場面。千住(せんじゅ・現在の東京都足立区)まで見送りに来てくれた人たちとも別れ、芭蕉と門人の曾良(そら)との旅がいよいよ始まるところ。
細部まで丁寧に描くタイプの絵とは違って、簡略であっさりしているんだけど、しみじみとした味わいがあって本当に素晴らしいねえ。

torarin
torarin
前を行く人が、芭蕉さんと曾良さんかな?みんな名残惜しそうだリン...☆

fukushi
蕪村自身が、この作品は自分でも欲しいくらいだと言っているんだけど、それも納得の出来映えだと思うよ。ケースの長さが足りなくて、すべてを広げられないのが残念。。

torarin

torarin
えええ(泣)全部見たいリー――――――ン☆

fukushi
そう言われると思って、全場面を掲載したリーフレットを特別に作ったよ!
会場で配布しているから、ぜひ合わせてみてほしいな。
リーフレット

torarin
fukushi
続いてこちら、「重要文化財 奥の細道図巻(おくのほそみちずかん)下巻 与謝蕪村(よさぶそん)筆 江戸時代 安永7年(1778)(京都国立博物館所蔵)」だよ!

torarin
torarin
こちらの絵も、かわいいリン!

fukushi
こちらは、以前から京博が所蔵している作品。
新発見作の翌年に制作されたんだ。基本的な内容は大体同じなんだけど、絵の場面が増えていたり、同じ場面でも描き方を変えていたり、比べてみるとたくさんの違いがあることがわかるよ。絵だけじゃなくて、字の書き方にも違いがあるからじっくり見てほしいな。

torarin
文字にも注目だリン!この人は何をしているの?

torarin
fukushi
これは、出羽国(でわのくに・現在の山形県)で芭蕉たちの道案内をしてくれた若者を描いているよ。この若者は腰に刀をさし、樫の杖を手にした頼もしい若者だったと芭蕉は書いているんだ。山賊も出るという薄暗い山道を行く不安げな芭蕉たちの様子と、堂々とした若者の対比が面白いねえ。

torarin
山賊も出る薄暗い山道...!!!!ガクガクブルブル......

fukushi
大丈夫!トラりんが歩いてたら、山賊の方から逃げていくよ!

torarin

torarin
こうやって説明を聞きながら見ると、作品が生き生きして見えるリン!!

fukushi
そして最後はこの作品。「蕪村筆奥の細道図巻模本(ぶそんひつおくのほそみちずかんもほん)横井金谷(よこいきんこく)筆 江戸時代 19世紀 (岡村健守氏寄贈・京都国立博物館所蔵)」だよ。

torarin
torarin
ボク、作品を見ているうちに、蕪村さんの絵が好きになってきちゃった☆

fukushi
じつは、これは蕪村ではなく、その画風を学んだ横井金谷(よこいきんこく)という画家が描いたものなんだ。

torarin
なんだってええええええ!!
蕪村さんの『奥の細道図巻』じゃないの!?

torarin
fukushi
先に紹介した京博が所蔵している作品を、ほぼ忠実に写しているんだ。写しではあるけれど、強い墨の使い方などには金谷らしさもあって、それが独自の魅力になっていると思うよ。写真とは違うから、おのずと描き手の個性が出るところがいいよね。

torarin
そう言われたら、金谷さんの個性を感じてきたよ。
ええと、つまり、芭蕉さんの『おくのほそ道』を蕪村さんが絵を入れて文章を写して、それを金谷さんがさらにまるっと模写したってこと?

fukushi
そういうこと!
これは金谷がたんに個人的な興味から写したというわけじゃなくて、たぶん依頼を受けて写した注文品だと思うよ。それくらい、蕪村の奥の細道図は人気があったということだね!

torarin
蕪村さんの「奥の細道図巻」人気、おそるべし!!

fukushi
それにしても、このふたつの作品が現在京博に所蔵されているということ自体、不思議なめぐりあわせだと思うんだ。なにしろ、ふたつの作品は別々の時期に、まったく違うルートで京博に入っているから、作品同士が引き合う力、縁のようなものを感じるね。

torarin
運命を感じるリン!この奇跡のめぐりあわせを、たくさんのおともだちに見てもらいたいね♪

fukushi
蕪村の奥の細道図はどれも優れた作品だけど、今回の新発見作はまた本当に素晴らしく見事な出来映えの1点。見ているだけで、日頃の疲れやストレスがふっと消えていくような、硬くなった心をほぐしてくれるようなところがあると思うんだ。なんか最近疲れてるなあという人にも、ぜひおすすめしたい展示だよ!そして、蕪村の奥の細道図の出発点となった重要作が初公開されるこの機会を...

fukushitorarin
どうぞお見逃しなく!(リーフレットも!)
torarin



torarin
ところで、福士研究員がお気に入りの俳句はある?

fukushi
そうだねえ、いまちょうど「鎌倉殿の13人」も放送されているし、
夏草や兵(つわもの)共が夢の跡
かな!これは、芭蕉が平泉に立ち寄った際に詠んだものだよ。
奥州藤原氏の繁栄や、源義経らの戦いも、いまとなってははかない一瞬の夢のようなもので、華々しい戦いの跡もいまはただ草むらが広がるばかり、という情景なんだ。
ここで芭蕉は懐旧の涙に暮れるんだけど、それはたんに過去に思いを馳せているだけではなく、やがては時の流れに押し流されてゆく自分自身の存在のはかなさを思ってのことでもあると思うよ。
蕪村の俳画には、「かわいい」とか「素朴」だけでは足りない、そういう深い情感をもすくい上げる懐の深さがあるんじゃないかな。

torarin
あ~なんだか、ボクも旅に出たいな~!福士研究員、一緒に行かない?

fukushi
いいね!その時はお腹をこわさないように気を付けるね!
※『おくのほそ道』では、旅の途中で曾良が腹の病気になり、離脱してしまいます。

torarin
ボクも、山道で山賊に襲われないように気を付けなきゃ☆

fukushiいやいや、トラりんが歩いてたら、山賊の方から逃げていくからー。

torarin
うわー、福士研究員棒読みー

fukushitorarin
どこへ行こうかなぁ~

torarin




\おうちで楽しむ京博/
特集展示リーフレット
特集展示「新発見!蕪村の「奥の細道図巻」」リーフレット

博物館ディクショナリー
当館研究員が子ども向けに分かりやすく展示作品を解説しています。
蓮(はす)を愛する人は...
関連展示:2F-5中国絵画展示室「君子の花 蓮」(展示期間は~2022年7月24日)

グレゴリ青山の 深掘り!京博さんぽ
京都在住の漫画家・グレゴリ青山さんが、京都国立博物館を紹介するエッセイ漫画です。
第14回 深掘り! 京博バックヤードその9(写場)




特集展示 新発見!蕪村の「奥の細道図巻」
新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のためのお願いにご理解・ご協力賜りますようお願い申し上げます。
会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。随時、京博ウェブサイトや公式Twitterにてお知らせいたしますので、ご来館の際は最新情報をご確認ください。
※本展はご予約不要でご覧いただけます。

■会期:
2022(令和4)年6月14日(火) ~ 7月18日(月・祝)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館1F-2
■休館日:
月曜日 ※ただし、2022年7月18日(月・祝)は開館
■開館時間:
9:30~17:00(入館は16:30まで)
■観覧料:
一 般 700円
大学生 350円




torarin

2022年5月11日

特別展「最澄と天台宗のすべて」を見に行くリン♪ エピソードII

特別展「最澄と天台宗のすべて」を見に行くリン♪ エピソードII

こんにちリン!
トラりんだリン!

torarin

開催中の伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」、 みんなはもう見てくれたかな?
5月3日からは後期展示がはじまっているよ♪

前期展示は大原研究員にお話を聞いたけど、後期展示は永島研究員からお話を聞くよ☆
特別展「最澄と天台宗のすべて」を見に行くリン♪エピソードI

nagashima(永島研究員)
トラりん、お待たせ。

torarin
torarin(トラりん)
永島研究員☆
大原研究員に、今回の展示ではいろんな「特別」があると聞いているから、ぜひ教えてほしいリン!

nagashima
そうだね、最澄さんの大遠忌にあたる年ということで特別に出展がかなった作品がたくさんあると聞いたと思うけど、実は、国宝23件、重要文化財72件を含む130件の全国の天台宗の至宝が京都に集結しているよ!なんと、出展作品の約7割が国指定文化財!
それから、東京、九州の国立博物館を巡回してきたけど、京都国立博物館でしか展示されない作品もたくさんあるよ。

torarin
展示作品の約7割が国宝と重要文化財なの!?スゴすぎるリン...。

nagashima
見てほしい作品がたくさんあるから、とにかく展示室へ...

torarinnagashima
\しゅっぱーつ☆/
torarin

nagashima
まずは「勅封唐櫃(ちょくふうからびつ)および納入品(滋賀・延暦寺所蔵)」<3F-2 勅封唐櫃:通期展示、納入品:(桓武天皇像)5月3日~22日展示、(細字法華経)4月12日~5月1日展示、(銅三鈷鈴)通期展示、(金銅独鈷杵)通期展示、(木蘭色七条袈裟 附 横被)4月12日~5月1日展示、(黒五条袈裟)5月3日~22日展示>を紹介するよ。

torarin
torarin
おお~、いかにも宝物が入っていそうだリン!

nagashima
とても立派な唐櫃だよね。
トラりんは、「勅封」という言葉の意味が分かるかな?「勅」は天皇のご命令やお言葉、「封」は封じるという意味だから、この唐櫃は「天皇が封印したもの」ということ。

torarin
torarin
封印!じゃあ、勝手に開けたりできないってこと?

nagashima
そうなの。開封する時には「勅使(ちょくし)」、つまり天皇のお使いをお迎えして儀式が行われるんだ。
本来は、5年に1度執り行なわれる法華大会(ほっけだいえ)でしか開封されないんだけど、この展覧会のために特別に儀式が行われたよ。展示室では、この時の様子が映像でも紹介されているから、ぜひあわせて見てほしいな。
並んでいるのは、ふだんはこの唐櫃に勅封されていてお寺の人も見ることができないご宝物で、京都会場では展示替をしながら、6件も展示されるよ。

torarin
そんなに大事にされている宝物を見られるなんて、ものすごい「特別」だリン!
それに、展示室で関連映像が見られるのも初めてだね☆

torarin




永島研究員;さて、つづいて「国宝 宝相華蒔絵経箱(ほうそうげまきえきょうばこ)(滋賀・延暦寺所蔵)」<1F-3 通期展示>を紹介するよ。
こちらは経典を入れるために作られた、平安時代の蒔絵の箱。大切な経典を納める箱だから、こんな風に美しく飾られたよ。平安時代のものがこうして残されているというのは本当に貴重。

torarin

torarin
いつも思うことだけど、遠いむかしの作品とこうして展示室で出会うことができるのって、奇跡だよね☆

nagashima
トラりん、いいこというね。
蒔絵であらわされている「宝相華」は空想上の植物で、中国の唐から伝えられた文様。平安時代の仏教美術にはよく登場するよ。隣に展示されている「国宝 金銀鍍宝相華文経箱(きんぎんとほうそうげもんきょうばこ)(滋賀・延暦寺所蔵)」も、金工品だけど同じ平安時代に作られた経箱で、宝相華文が刻まれているから、じっくり見てほしいな。

torarin
さりげなく紹介されたけど、国宝のとなりに国宝が!
贅沢すぎるリン...。

torarin

nagashima
最後のとっておきはこちら!
「重要文化財 日吉山王金銅装神輿(ひえさんのうこんどうそうみこし)(樹下宮)(じゅげぐう)(滋賀・日吉大社所蔵)」<1F-1 通期展示>。
日吉大社は比叡山の山の神さまたちをお祀りしていて、最澄が延暦寺を建ててからは、天台宗の守護神として信仰を集めてきたよ。毎年4月に行われる山王祭では7基のお神輿が登場するんだけど、こちらは現存している14基のうち、重要文化財に指定されている7基のうちの1基。

torarin

torarin
チラシに載っていた作品だね!想像していたよりずっとずっと大きいリーン!
ボクは予習中におさるさんを発見したよ☆

nagashima
トラりん、しっかりチラシを見てくれていて嬉しいな。
そう、このお神輿の錺金具(かざりかなぐ)には、日吉大社の神様のお使い、神猿(まさる)があらわされているよ。屋根の部分には鳳凰の飾りが据えられていてとっても豪華。
ところでトラりん、このお神輿はどれぐらいの重さだと思う?

torarin
え、重さ? 重そうだけど、お祭りで人が担ぐならそれほど重くないのかな?

nagashima
およそ 1500キログラムもあるらしいよ!トンの単位でいうと1.5トンになるね。

torarin
1.5トン!すっごく重い!

torarin

nagashima
作品担当の末兼研究員が頑張って展示していたから、多くの人に見てもらいたいな。
京都会場のみの展示だよ。

torarin
見どころが多すぎて大変だリン!みんな...

torarinnagashima
\京博に来てね/
torarin




おまけ☆
torarinnagashima(カリスマ販売員の2人)
\グッズもあるよ!/
torarin

\展示映像も/
「最澄の教えを受け継ぐ 比叡山延暦寺」(所要時間:約10分)
「天台宗の総本堂 国宝・根本中堂の大修理」(所要時間:約9分)
場所:2階ミュージアム・ラボラトリー
時間:9:00~17:15(2つの映像を繰り返し上映)

\おうちで楽しむ京博/
虎ブログ
特別展「最澄と天台宗のすべて」を予習するリン♪
特別展「最澄と天台宗のすべて」を見に行くリン♪エピソードI

鑑賞ガイド・ワークシート
子どもから大人まで、作品に楽しく向き合えるような鑑賞のヒントや、作品をもっとよく見たくなる問いかけを用意しています。
鑑賞ガイド「最澄さんと天台宗」(日本語版)
A Guide to Enjoying the Exhibition “Saichō and Tendai Buddhism” (English)
观赏指南《最澄与天台宗》(简体中文)
특별전 감상 가이드 <사이초 스님과 일본 천태종> (한국어)

グレゴリ青山の 深掘り!京博さんぽ
京都在住の漫画家・グレゴリ青山さんが、京都国立博物館を紹介するエッセイ漫画です。
第13回 深掘り! 京博バックヤードその8(保存科学室)




伝教大師1200年大遠忌記念 特別展 最澄と天台宗のすべて
新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のためのお願いにご理解・ご協力賜りますようお願い申し上げます。
会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。随時、京博ウェブサイトや公式Twitterにてお知らせいたしますので、ご来館の際は最新情報をご確認ください。
※本展はご予約不要でご覧いただけます。

■会期:
2022(令和4)年4月12日(火)~5月22日(日)
[主な展示替]
前期展示:2022年4月12日(火)~5月1日(日)
後期展示:2022年5月3日(火・祝)~5月22日(日)
※会期中、一部の作品は上記以外にも展示替を行います。
■会場:
京都国立博物館 平成知新館
■休館日:
月曜日
■開館時間:
9:00~17:30(入館は17:00まで)
■観覧料:
一 般 1,800円
大学生 1,200円
高校生  700円




torarin

2022年4月22日

特別展「最澄と天台宗のすべて」を見に行くリン♪ エピソードⅠ

特別展「最澄と天台宗のすべて」を見に行くリン♪ エピソードⅠ

こんにちリン!
トラりんだリン!

torarin

伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」がはじまったよ!
どんな展示かワクワクするよね♪
予習でよくわからなかったところも聞かなくちゃ☆
特別展「最澄と天台宗のすべて」を予習するリン♪

そろそろ来てくれるはずなんだけど...

oohara(大原研究員)
やあ、トラりん、お待たせ。

torarin
torarin(トラりん)
大原研究員☆

oohara
今年は寅年ということで活躍しているね。PR大使として頼もしく思うよ。今日もしっかり頼むね。
さて、今回の特別展は、東京、九州、京都の3つの国立博物館を巡回する展覧会なんだ。去年の秋に東京国立博物館、今年の2月からは九州国立博物館、そして最後を飾るのがここ、京都国立博物館。少し足を延ばすだけで延暦寺をはじめとする天台宗の名跡にアクセスできる京都会場は、まさに町全体が展覧会会場といってもいいだろうね。だから、皆さんには積極的に会場外にも飛び出していっていただきたいね。

torarin
町全体!壮大だリン!

oohara
たくさん見どころがあるから、とにかく展示室へ...

torarinoohara
\れっつごー☆/
torarin

oohara
まずは「国宝 聖徳太子(しょうとくたいし)及び天台高僧像(てんだいこうそうぞう) 10幅のうち 最澄(さいちょう) (兵庫・一乗寺所蔵)」<3F-1 4月12日~5月1日展示>を紹介するよ。
展覧会タイトルにも掲げられている最澄の現存最古の肖像画だよ。

torarin

torarin
現存最古!すごい!
いつの時代に描かれたものなの?

oohara
11世紀なんだけど、この肖像の原形は10世紀ころに作られたものと考えられているんだ。今回の展覧会で一番困ったのは、最澄さまを偲びたいのに、古い最澄の肖像がほとんど残っていない点。今見ているこの像も単独ではなく、10人の天台宗の高僧像の1幅として伝わったものなんだ。でも、実はこの残っていないというのも重要だと僕は考えている。
なぜかというと、最澄は、天台宗として尊崇すべきは、中国で天台宗の基礎を固めた天台大師智顗というお考えを持っておられからだと思うんだ。だから、11月24日の天台大師の命日のご法要は天台宗では重要で、天台大師のご肖像画はお寺でも備えておられる所が多いんだけど、6月4日の伝教大師の御忌日に特に法要を行うということは、延暦寺の御廟以外ではかつてはあまり一般的ではなかった。つまり、使わないので、肖像も残っていないわけだね。
皮肉なんだけど、ないことこそが、最澄の非常に謙虚なゆかしい人柄を偲ばせると思うんだ。だから、最澄に限らず、天台宗ではお坊さんの肖像美術が意外と低調で、これも展覧会の組み立てでは困らされた所だったんだ。その反面、天台宗で肖像画がたくさん残っている方、元三大師良源をはじめ、智証大師円珍、天海大僧正は、非常にカリスマのあった人で、その人の発する力、魅力を慕って作られた例外と言ってよいと思うんだ。

torarin
そうなんだ! 最澄さんがどんな人か、少しわかった気がするリン!

oohara
最澄の生涯は、あらゆる人々を救うという『法華経』の説く理想の世界を実現することに捧げられたんだ。だから、人々の生きる現実の姿を見据えて教えのあり方を模索し、全国にお弟子さんは散っていった。
例えば、僧侶は、一般人よりも厳しい戒律を守らないといけないとインド以来のきまりがあったんだけど、お釈迦さんから時代も場所も離れた日本で、インドでできた決まりをそのまま守るのはあまりにも困難で救われない人だらけになって仏教の趣旨に沿わない、だから出家者も一般の人同様、最低限守らないといけない菩薩戒(大乗戒)だけでいいとしたんだよ。それを僧侶の資格として朝廷に認めて欲しいと運動し、比叡山に大乗戒壇を設立したのは、ものすごく勇気のいる革新的なことだったんだよ。
この日本の現実と、一人でも多くの人々が救われることを見据えて何に力点を置いて仏教を説くか、という発想の転換こそ、仏教が時代の変化に合わせて日本の国民的宗教になっていく土台となったんだね。だから、民衆救済を標榜した鎌倉新仏教が、比叡山で学んだお坊さんによって作りだされていったわけで、その意味で、比叡山は日本仏教の母山、つまり母なる山とも言われているんだ。

torarin
torarin
なるほど~。長い説明だったけど、最澄さんのすごさは伝わってきたリン!

oohara
つづけて、最澄ゆかりで寺外初公開の秘仏「重要文化財 薬師如来立像(やくしにょらいりゅうぞう) (京都・法界寺<真言宗醍醐派>所蔵)」<1F-1 通期展示>を見ていこう。
山科の法界寺は、現在は真言宗醍醐派のお寺だけど、もとは天台宗だったと考えられるお寺で、藤原氏の一門の日野家のお寺だったんだ。この薬師如来立像は11世紀の作なんだけど、日野家に伝わった最澄が自ら刻んだ薬師如来の小さい像を胎内に納めたと伝えられ、そのお姿は延暦寺根本中堂の御本尊を写したと考えられるもの。根本中堂御本尊は秘仏だけど、当時信仰を集めたので、それをコピーしたお像が多く造られたんだ。こちらはそうしたお像のうちの一つということだね。
今回は大遠忌というご縁から特に出展が許可され、東京国立博物館でのX線CT撮影調査もお許しいただいたんだ。その結果、最澄ゆかりと伝えられる小像が、像内に納められている様子が改めて確認できた。昭和37年の解体修理時に存在が確認されてはいたんだけど、この調査で3次元のデータが得られたので、初めて3Dプリンターで出力し展示しているよ。このお像が、伝説通り最澄が自ら彫ったお像そのものかについては否定的な見解も多いけど、造られた当初は最澄自らが彫ったお像が納められていたことは間違いないだろうね。信仰の対象として後世取り出して別にお祀りし、そのお身代わりとしてこのお像が納められたのかもしれないね。
ちなみに、おなかの中に仏様がいらっしゃるので、この仏様は「乳薬師」と言われ安産の仏様として現在もお参りする人が絶えないんだよ。

torarin
X線CT調査!見えないところまでわかるって、すごいリン!
それにしても、お参りに来る人がたくさんいる大事なほとけ様なのに、よく展覧会への出展を許してもらえたね。

oohara
そうだね。これも最澄さんの御遺徳だろうね。通常は本当に御厨子の扉が閉まっている秘仏なので、ご信心の人もこの機会にぜひお姿を見ていただきたいね。で、2022年が最澄さんの大遠忌にあたる年ということで、特別に出展がかなった作品が他にもたくさんあるよ。
こちらは60年に一度しか公開されない愛媛の秘仏「菩薩遊戯坐像(ぼさつゆげざぞう)(伝如意輪観音)(にょいりんかんのん) (愛媛・等妙寺所蔵)」<2F-3 通期展示>。

torarin
oohara
このお像は、愛媛県宇和島近郊の鬼北町という所にある等妙寺にお祀りされている。このお寺が、とてもおもしろいお寺なんだ。岡崎に京都市動物園があるけど、そこは昔、法勝寺という皇室のお寺だった。鎌倉時代の終わりに後醍醐天皇のバックアップで恵鎮円観が再興するんだけど、その円観の弟子の理玉和尚が創建したのがこの等妙寺なんだね。

torarin
京都市動物園にはこの間お邪魔したよ!
むかしはお寺があった場所だなんて知らなかったリン。

oohara
京都は千年の都といわれるだけあって、どの場所もいろんな歴史を秘めているよ。
等妙寺はただのお寺ではなく、法勝寺の地方4拠点の一つとして繁栄したお寺なんだ。だから、こんな都ぶりの美しいお像が残されたのかもしれないね。

torarin
天台宗のお寺は各地にあるんだね。こんな風に今にも動き出しそうな観音さまは初めて見たよ!60年に一度しか見ることができないなら、見たことがない人もたくさんいるよね。

oohara
そう、僕もこのお寺の文化財調査に呼ばれて初めて知って、びっくりしたよ。
ところで、さっき法界寺の説明で、延暦寺の「根本中堂」と言ったけど、これは最澄が開いた比叡山延暦寺の総本堂のことで、現在の建物は織田信長の比叡山焼き討ち以降に徳川幕府の支援で再建されたもので、国宝に指定されているよ。現在、修理で素屋根が掛けられ工事現場の見学通路が設けられているので、今じゃないと見ることが出来ないものがあるから、是非行ってみて欲しいな。
それはそうと、そこには最澄自身が作ったと伝える秘仏の薬師如来像と、最澄が灯して以来消えたことのない「不滅の法灯」が安置されているんだ。

torarin
不滅の法灯!最澄さんが平安時代に灯してから消えたことがないってスゴすぎるリン!

oohara
そうだね。織田信長の比叡山焼き討ちは大ピンチだったんだけど、その少し前に山形県の立石寺(りっしゃくじ)に分灯していたので、そこから火種をもらって復活したという奇跡のリレーがあったんだよ。立石寺は有名なお寺なんだけど、トラりんは知っているかな?

torarin
りっしゃくじ??

oohara
江戸時代前期の俳諧師、松尾芭蕉の「閑(しずか)さや 岩にしみ入る 蝉の声」という俳句が詠まれたお寺なんだよ。

torarin
さすが大原研究員、物知りだリン!歴史のあるお寺には、いろいろなドラマがあるね。




oohara
さて、「特別」尽くしのこの展覧会だけど、もう一つ特別を紹介するよ。実は、不滅の法灯が安置されている根本中堂の内陣の様子を、1F-2展示室で部分的に再現しているんだ。

torarin
torarin
おお~。すっごく雰囲気があるリン!

oohara
そう。天井の高さがネックで東京や九州より少しスケールダウンしているけど、ぜひこの空間を体験してほしいな。しかもこの展示室だけは撮影可能だよ。
根本中堂は、内陣の秘仏の本尊と不滅の法灯が、外陣の参拝者と同じ高さに位置するようになっていて、誰もが仏になれるという『法華経』の精神を体感することができるんだ。さっき京都会場だけスケールダウンと言ったけど、そのおかげで本来のお堂と近い位置関係で、しかも間近で見ることができるんだよ。法灯の銅灯籠も昔使われていたものをお借りしているんだ。

torarin
本当に「特別」がいっぱいだね!

oohara
ほかにも「特別」がたくさんあるから...

torarin
ということは...?

torarinoohara
\エピソードⅡへつづく☆/
torarin



おまけ☆
カリスマ販売員の2人:
\図録(税込3,000円)もあるよ!/
torarin

\展示映像も/
「最澄の教えを受け継ぐ 比叡山延暦寺」(所要時間:約10分)
「天台宗の総本堂 国宝・根本中堂の大修理」(所要時間:約9分)
場所:2階ミュージアム・ラボラトリー
時間:9:00~17:15(2つの映像を繰り返し上映)

torarin
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\おうちで楽しむ京博/
虎ブログ
特別展「最澄と天台宗のすべて」を予習するリン♪

鑑賞ガイド・ワークシート
子どもから大人まで、作品に楽しく向き合えるような鑑賞のヒントや、作品をもっとよく見たくなる問いかけを用意しています。
鑑賞ガイド「最澄さんと天台宗」(日本語版)
A Guide to Enjoying the Exhibition "Saichō and Tendai Buddhism" (English)
观赏指南《最澄与天台宗》(简体中文)
특별전 감상 가이드 <사이초 스님과 일본 천태종> (한국어)




伝教大師1200年大遠忌記念 特別展 最澄と天台宗のすべて
新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のためのお願いにご理解・ご協力賜りますようお願い申し上げます。
会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。随時、京博ウェブサイトや公式Twitterにてお知らせいたしますので、ご来館の際は最新情報をご確認ください。
※本展はご予約不要でご覧いただけます。

■会期:
2022(令和4)年4月12日(火)~5月22日(日)
[主な展示替]
前期展示:2022年4月12日(火)~5月1日(日)
後期展示:2022年5月3日(火・祝)~5月22日(日)
※会期中、一部の作品は上記以外にも展示替を行います。
■会場:
京都国立博物館 平成知新館
■休館日:
月曜日
■開館時間:
9:00~17:30(入館は17:00まで)
■観覧料:
一 般 1,800円
大学生 1,200円
高校生  700円




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