こんにちリン!トラりんだリン!
2025年はいよいよ万博!そしていよいよ美のるつぼ展!
つぼから何が出てくるのかな?笛を吹いてみるリン!
ビョォオオ~
(永島研究員)
ポン!
こんにちは、トラりん!(ごっつんこ)
(トラりん)
永島研究員!
(石田研究員)
ポン!
トラりんの笛の音に誘われて、はにわ男子も出てきたよ!
石田研究員!
本物のはにわくんには、展示室で出会えるよ!
はにわりん、よろしくリン~!
今回の特別展は「世界と出会う日本の美術」がテーマ!展示室ではどんな出会いがあるのか、いざ、めくるめく展示会場へ...
ビッグウェーブ!
・
・
・
最初に紹介する作品は、私の大のお気に入り、国宝「宝相華迦陵頻伽蒔絵𡑮冊子箱(ほうそうげかりょうびんがまきえそくさっしばこ)」だよ。
キレイな箱だリン!描かれているこのふしぎな生きものは何かな?
上半身が人で下半身が鳥の、「迦陵頻伽(かりょうびんが)」っていう生きものだよ。トラりんは、前に空海さんのことを教わっているよね?
えーっとね、もちろん覚えているリン(トラふぉんで虎ブログを確認して...)
虎ブログ:開館120周年記念 特別展覧会「国宝」を見に行くリン♪~Ⅱ期~
空海さんは平安時代のすごく有名なお坊さんで、実際に中国に渡って最新の学問を学んだ人だリン!(シャキーン)
そうそう、よく覚えていたね♪カンニングは見なかったことにしてあげよう。
グッ...バレているリン...
この箱は、その空海さんが中国の唐で写してきた貴重なお経をしまうために作られたものなんだよ。
どうしてその箱に、「かりょうびんが」りんが描かれているの?
迦陵頻伽は極楽浄土で、それはそれは美しい声で、仏さまの教えをさえずっているんだって。空海さんの大事なお経をしっかり守るために、お経を守る存在である迦陵頻伽で飾ったんだね。
体は鳥で、お顔は人間で、きれいな声でさえずるの?ふしぎな生きものだリン!
迦陵頻伽は唐から伝えられた生きもので、もともとギリシャ神話に出てくるセイレーンと同じ、西アジアに源流があるんだ。西洋では、セイレーンは美しい歌声で海を渡る旅人を惑わせる恐ろしい怪物と言われているけど、東アジアでは、霊鳥になったんだ。
ぜんぜんちがうリン!
そうそう。姿かたちも、伝わるうちに少しずつ変化して、日本で作られたこの箱では、お顔がだいぶさっぱりした日本顔になっているよ。
日本では、日本っぽいお顔になっているんだ!あ!よーく見たら、笛を吹いたり、太鼓を叩いたりしているリン!
トラりん、よく気づいたね!細かくて見えづらいけど、実は28人全員、違うポーズをしているよ。私はこの琵琶を弾いている子が一番かっこよいと思ってるの。みんなもお気に入りを探してみてね。
図録には拡大写真が載っているから、お気に入りを見つけやすいリン♪
さて、それでは次の作品は石田研究員に紹介してもらおう!
・
・
・
トラりん、私が紹介するのはこちら!
あ!さっきの、はにわりん!
トラりんと並ぶ京博のアイドル、「埴輪 鍬を担ぐ男子」だよ!涼しげな目元がとってもクールでしょ。
やさしいおかおのはにわりんだリン!
笠をかぶって鍬をもっているから一見農夫にみえるけど、よく見ると大刀を身に着け、首飾りもしている。ただの農夫ではなさそうだね。農作業や土木作業を指揮するリーダー的役割の人物だった可能性があるよ。
頼りになる立場の人だったかもしれないなんて、ますますかっこいいリン!
今回の展覧会の鍵にもなっている1900年のパリ万博に出品された美術書『Histoire de l'Art du Japon』(日本美術史)では日本の木像や塑像、銅像など彫刻の起源として、なんと埴輪が紹介されているよ。
え!はにわりんが万博の代表選手に!?
現代の私たちからすると、埴輪が彫刻の起源だなんてかなり違和感を覚えるよね。でも世界に向けて日本の美術が西洋の美術と同じくらい歴史があって素晴らしいものだというためには、その起源や系譜について述べる必要があったんだろうね。このはにわくんは『Histoire de l'Art du Japon』(日本美術史)には載っていないけど、関東地方で出土した同時期の人物埴輪が多く取り上げられているんだ。本文のなかで、埴輪の顔立ちがいずれも柔和なので、当時の生活が穏やかだったのではと想像をしているのが興味深いね。
はにわりんたちの印象で、日本の昔の人々の暮らしぶりまでいめーじしてもらおうとしたのかな?日本の歴史や良いところをたくさん知ってもらいたいっていう気持ちがあふれているリン!石田研究員、ありがとリン!
(福士研究員)
おーい、トラりん!
あれ?あっちにだれかいるリン!
トラりんがここにきてくれるのを、首を長くして待っていたよ!やっぱり今回はこの作品を一緒に紹介しないとね!
宗達さんの風神さんと雷神さんだリン!
今回の特別展でメインビジュアルになった作品だからね。とはいえ、トラりんとは過去何度か、この作品を見ているよね。もう説明はいらないかな?
虎ブログ:
「風神雷神図屏風」の魅力に迫るリン!
ICOM京都大会開催記念 特別企画「京博寄託の名宝」を見に行くリン♪エピソードⅡ
ううん、せつめいして!
これまでも何度か虎ブログに登場した名品だけど、今回の展覧会ではちょっと違った角度から紹介しているよ。
今でこそ誰もが知る国宝だけど、世の中に広く知られるようになったのは意外に遅くて、明治時代後半になってからのことなんだ。
江戸時代から有名だったんじゃないんだ!
展示中の『Le Japon Artisitic』(芸術の日本)には雷神の挿図が載っているけど、あれは光琳の作を版本から転載したもの。そこから、つまり近代になってから、尾形光琳・酒井抱一による風神雷神図のおおもとになった作品としての認識が急速に定着していくんだよ。そのことが、「琳派」という概念の形成に大きく関わっているんだ。
宗達さんの作品が元祖なのに、近代になってから有名になるなんて、ふしぎだリン!
そうなんだ、江戸時代に宗達の「風神雷神図屏風」がどんな風に鑑賞されていたのかはよくわからないんだよ。まあ光琳が見ていたことは確かだし、秘蔵されていたわけではないと思うけど、不思議とこの作品についての記録は残っていない。
今ではこんなに有名で国宝になっているのにね!みすてりあすだリン!
ただ、近代になってゼロから「琳派」という概念が生まれたわけじゃなくて、江戸時代に抱一がその基盤となる流派認識を作ったことも見逃せないところ。
「琳派」が誕生したのは抱一さんのおかげなんだね!トラTubeでも紹介したリン!
【予習編】特別展 日本、美のるつぼ―異文化交流の軌跡―【前編】
だから、江戸時代以来の見方と、海外での光琳評価、そして近代日本の美術史観が交差するところに、この作品は位置するとも言えるね。
作品の評価って、日本と海外でちがったり、時代によってもちがったり、なにかの影響を受けて変わっていったりするものなんだね...この作品が展示されているのには、とっても深い意味があるリン!福士研究員、ありがとリーン!
・
・
今回も見どころたっぷリン🍮だったリン...!
やっほートラりん!
あ!永島研究員と石田研究員!待っていてくれたの?
さいごに、今回の特別展の図録を紹介しなくちゃと思ってね!じゃじゃん!
あれれ?図録が2冊あるリン!
今回は多言語バージョンの別冊目録もあるんだ!
海外のおともだちにも楽しんでもらえるね!さいごに、おともだちにメッセージをどうぞ!
京博の研究員、総力を挙げて作り上げた特別展です。日本美術の歴史をたどって、名品たちの「横顔」を再発見していただければ幸いです。
オールジャンルの楽しい展覧会です。異文化との出会いが生み出した結晶ともいえる作品の数々を会場でぜひみてください!
ありがとリーン!たくさんのおともだちに来てもらいたいね!
いっしょに飛び込む、美のるつぼ!
じゃっぱーん!
・
・
・
・
■会期:
2025年4月19日(土)~6月15日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館
■休館日:
月曜日
※ただし5月5日(月・祝)は開館、5月7日(水)休館
■開館時間:
9:00~17:30(入館は17:00まで)
金曜日は20:00まで開館(入館は19:30まで)