こんにちリン!
トラりんだリン!
ことしも恒例の特集展示「雛まつりと人形」の展示を見に行くために、待ち合わせしているよ♪ いっしょに展示室にいくのは...
(山内研究員)
こんにちは、トラりん!
(トラりん)
山内研究員!
この特集展示「雛まつりと人形」の虎ブログも今年で実は...何回目か覚えてるかな?
何回目だっけ?
わ、忘れちゃうとは...なんと記念すべき 10 回目だよ!
そんなに!?毎年ふれっしゅなボクだリン🌸
なるほど...だからトラりんは、展示を初めて見るおともだちにも、分かりやすく紹介できるんだね!今年は私が担当する初めての雛まつり。同じくフレッシュな気持ちで張り切ってご案内するから、改めてどうぞよろしくね!
まっかせて!
それじゃあさっそく、展示室にいってみよう!
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とうちゃく!
まずは立派な「御殿飾り雛(ごてんかざりびな)」にご挨拶♪
ことしも会えて嬉しいリン♪
さあ、さっそく紹介する作品は「這子(ほうこ)」だよ。
わ!まんまるのおかお!これはどんなお人形りんなの?
這子は幼児がはいはいする姿を写した四つんばいの人形だよ。子どもの健やかな成長を願う魔除けの一種で、枕元などに置かれていたものが、飾り人形になったんだ。雛人形の始まりの一つと考えられているよ。綿を詰めたぬいぐるみの場合が多いけど、この這子のお顔は木地に胡粉(ごふん)を塗って仕上げられているよ。
かわいいお着物を着ているリン!
紅の縮緬(ちりめん)地の振袖のような着物を着ているね。白上げで染め抜かれた文様をよく見ると、末広や根引きの松、梅、飛鶴といった吉祥文様がちりばめられているよ。誕生を祝福されていることがよく分かるね。
おめでたいお人形りんなんだね!女の子かな?
よくわかったね、トラりん!ちなみにとなりに横たわっているのは「天児(あまがつ)」といって、木や竹を組んだ胴体に白絹のお顔を付けたもので、こちらも魔除けの人形だよ。江戸時代には天児を男子、這子を女子に見立てて、一対として飾られたりしたんだよ。
男の子も女の子もすくすく元気に育ってほしい、みんなの願いが込められているリン♪
続いて、「有職立雛(狩衣姿)(ゆうそくたちびな かりぎぬすがた)」だよ。
おだいりさまとおひなさまかな?
そうだね。トラりんは覚えていると思うけど、雛人形は「内裏雛(だいりびな)」とも呼ばれるように、内裏(御所)に住まう天皇と皇后のお姿に見立てられたよ。
そうだったリン!天皇さんと皇后さんがモデルだリン!
(毎年フレッシュなトラりんも、覚えていてくれてよかった...ホッ)
それにしても、おだいりさまとおひなさまって、お座敷の奥やひな段の上にどっしり座っているいめーじだリン☆ こんなふうに立っていることもあるんだね!
江戸時代までのイメージは、展示中の御殿雛飾りのように、宮中の御簾の内に鎮座まします姿だったけど、明治時代以降は、肖像写真により立姿や西洋の椅子に腰かけたイメージが広まったよ。このお雛様は明治15年(1882)製なので、その影響かな。
新しいお人形りんだからなのかな?
そういうわけでもなくて、雛飾りが始まった頃には、天児と這子からきた「立雛(たちびな)」という男女一対の立姿の紙雛を飾っていたよ。「座雛(すわりびな)」が登場するのは、江戸時代以降に人形の鑑賞性が高まってからなんだ。
さいしょのひな人形りんたちは立っていたんだね!ところで、この「ゆうそく」というのはどういう意味?
「有職立雛」の「有職(有識)」とは、宮中にまつわる伝統的な儀式や行事に伴う知識を指すよ。
...ちしきがあるお人形りんってこと?(きらーん)
ええとね、知識があるのはお人形りんじゃなくて、作った人たちのこと。つまり「有職雛」とは、装束に明るい公家の監修のもと、忠実に公家装束を写した特別注文の雛人形のことを言うよ。この人形は、有栖川宮威仁(ありすがわのみやたけひと)親王妃より拝領したとの伝来を持つんだ。だから男雛の狩衣には、親王を象徴する文様である雲鶴が織り出されているんだよ。ほら、衣装の柄を見てみて。
あ、ほんとだ!ツルりんがいるリン!ちしきがある人からおすみつきの、正式なお人形りんなんだね♪
そして、次に紹介するのが「犬張子(いぬはりこ)」。
イヌりん!どうしてひな人形にイヌりんがいるの?
それはね、犬が安産、多産だからだよ。「犬筥(いぬばこ)」ともいわれるように筥になっていて、中にお守りを入れて、幼児の枕元に置いたりしたよ。悪霊を祓(はら)う目的で、出産や幼児の成長に関わる儀礼に飾られたよ。
イヌりんの中にはお守りが入っているんだね☆ おかおは人間みたいだリン!
\ワンワン/
こんなふうに男犬と女犬とを一対として、雛まつりや婚礼の際にも飾られていたよ。ちなみにこちらの犬張子の中に入っていた、もう少し小さい犬張子も展示室のどこかにいたんだけど、わかったかな?
ん?どこにいたっけ?みつけたおともだちはボクに教えてね!
そして、最後に紹介するのが「御所人形 宝車引き(ごしょにんぎょう たからぐるまひき)」だよ。
わ、むちむち!(親近感☆)
まんまるなお顔と、ふくふくとした三頭身の身体が、愛らしく豊かな印象だね。色白の美肌で、穢れない子どもの清らかさが強調されているね。木地に胡粉を塗り重ねて磨いた裸人形で、縮緬製の腹掛けや頭巾を身に付けている場合が多いよ。
やさしいおかおだリン♪ 何をひっぱっているのかな?
人形には寿福のイメージが重ねられるので、鶴、亀、犬、桃といった、吉祥の意味を持つ物を手にすることが多いんだ。この御所人形は、にこやかに微笑みながら、ゴージャスな宝袋を積んだ車を引いているよ。
名前の通り、御所にいるお人形りんなの?
御所人形と呼ばれるようになるのは明治時代以後のことで、それ以前は白菊あるいは白肉(しらじし)人形、人形を扱った人形問屋の名をとって伊豆蔵(いずくら)人形、宮中から参勤交代の大名へ下賜されたので、お土産人形などと呼ばれたよ。
お人形りんはどんな時代も、人気のおみやげだったんだね♪
トラりんの分身りんたちも、みんなに大切にされているもんね。
お人形リンには、不思議なぱぅわーがあるリン!
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山内研究員、ありがとリン♪ おともだちに一言どーぞっ!
毎年お目に懸かれるお人形もあれば、数年に一度しか出会えないお人形もあり、展示の際は「元気だったー?!」と思わず心でお話ししてしまいます。昔の雛まつりの雰囲気を味わいながら、雛人形や雛道具にみる当時の職人の精緻な技に驚いたり、ご自身の幼い頃を想い出したりと、展示室にて愉しく豊かなひと時を過ごしていただければ嬉しいです。
トラりんも、今年の特集展示「雛まつりと人形」を楽しんでくれたかな?
いろんな雛かざりを見て、なんだかぽかぽかしてきたリン♪
まだまだ寒いけど、展示室で一足早く春を感じてもらいたいね。トラりん、きょうはありがとう!
京博で待っているリーン♪
\鑑賞ガイドもよろしくね!/
雛まつりと人形(PDF)
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■会期:
2025年2月15日(土)~ 3月23日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館1F-2
■休館日:
月曜日
※ただし2月24日(月・休)は開館、翌25日(火)休館
■開館時間:
9:30~17:00(入館は17:00まで)
金曜日は20:00まで開館(入館は19:30まで)
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