こんにちリン!
トラりんだリン!
きょうはなんと!特別展「法然と極楽浄土」の予習のために、知恩院に遊びに来たリン!
(井並研究員)
待ってたよー、トラりん!
(トラりん)
井並研究員!
安定の現地集合☆
知恩院と京博は近いからね!それに「かわいい子には旅をさせろ」っていうでしょ?
うまいこと言って!確かにバスですぐだけど!
ところで、どうして特別展の予習編で知恩院におでかけなの?
それはなんといっても、法然上人が開いた浄土宗の総本山がここ、知恩院だからだよ!
そうなんだ!なんとなく京都の大きなお寺ってイメージしかなかったけど、浄土宗にとってとても大切な場所なんだね!改めて見ると、門もすごく大きいリーン!
この門は「三門」といって、徳川家2代将軍、秀忠(1579~1632)の命で建立されたよ。日本最大級の木造の門で、国宝に指定されているんだ。ほら!あの扁額(へんがく)の「華頂山」の文字、見える?門の全体からみると、いかにも小さく見えるけど、畳2畳以上もの大きさなんだよ。
すごいリン!のぼることもできるの?
三門はふだんは内部非公開なんだけど、特別公開の期間もあるんだ。今年の秋は2024年11月1日(金)~10日(日)に特別公開される予定だよ。
あ!京博で特別展を開催している期間と重なるリン!
特別展と合わせてきてもらうと嬉しいね♪羅漢像などがまつられている空間はとっても立派だし、上からの京都市街の眺めはとても壮観だからぜひ見てほしいな!それじゃあさっそく、中に入ってみよう!
知恩院にれっつごー!
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最初にお参りするのは、こちらも国宝に指定されている知恩院の「御影堂(みえいどう)」だよ。見て、トラりん。なんて大きくて立派なお堂だろうね。徳川家3代将軍、家光(1604~51)によって建てられた大伽藍だよ。平成23年(2011)の法然上人800年大遠忌の年から約9年かけて修理がおこなわれて、令和2年(2020)、コロナ禍の最中だったけれど、その完了を祝う落慶法要(らっけいほうよう)が規模を縮小して催されたんだ。
ほんとに大きいね!しかもながーい柱が立っている...あ!柱の下にだれかいるリン!
文化財保存管理部・関課長と、浄土宗の公式キャラクターのなむちゃんだよ。
(関さん)
こんにちは、トラりん、井並研究員。ようこそおいでくださいました。
(なむちゃん)
Hello!ボク、なむちゃん!トラりん、はじめまして!
はじめましてだリーン☆はいた~っち♪
ボクは小学1年生。やさしいおぼうさんめざしてユル~くがんばってるよ。
ボクよりお兄さんだリン♪おぼうさんを目指しているんだね!ねぇねぇ、この柱はなぁに?
今年は法然上人が浄土宗を開いて850年という節目の年なので、来年の3月31日までこちらの「念佛結縁柱(ねんぶつけちえんばしら)」が建っています。
わーい、さわってみよ~!いいコトあるんだよね?
え?そうなんだ!ボクもボクも~♪あ!きれいなひもがのびているリン!
五色の糸だね。
御影堂の中まで続いているリン!どこにつながっているのかな...?
御影堂に入って確かめてみよう!
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まずは法然上人にご挨拶をいたしましょう。
あ!五色の糸だリン!
あの糸は、御影堂の中央、宮殿(くうでん)にお祀りされている、法然上人の御影につながっていて、外の念仏結縁柱に触れると、法然上人とご縁をつなぐことができます。
「御影」とは肖像のことで、ありがたい人、高貴な人のお姿を指すよ。こちらの法然上人の御影は彫刻のお像。法然上人はお亡くなりになった鎌倉時代から現代に至るまで、肖像画や肖像彫刻がたくさんつくられ、おまつりされてきたんだ。知恩院では毎年4月に「御忌(ぎょき)」という大きな法要をおこなって、この御影に対して法然上人の徳を讃えるんだ。
※こちらの彫像は本展に展示されません。
あ!だからここは「御影堂」っていうんだね!
(す、すごいね、トラりん...。するどいのは目つきだけじゃないね)
トラりん、じょうずにお参りできたね。今回は特別に、御影堂の内陣で拝ませていただけるよ。こちらの西脇壇(にしわきだん)には、浄土宗を熱心に信仰した、徳川家の3人のお像をおまつりする厨子が安置されているんだ。
向かって右は徳川家康公、中央は家康公の生母である伝通院殿、そして左は秀忠公のお厨子です。
知恩院はもともと、法然上人が教えを広めるための庵(いおり)があったところなんだ。それをここまで大きなお寺にしたのは徳川家で、江戸時代のことなんだよ。
そうだったんだ!
徳川家康の旗印には「厭離穢土 欣求浄土(おんりえど ごんぐじょうど)」と書かれていたことが知られているよ。それは「けがれた世の中を離れて、浄土に生まれ変わりたい」という浄土信仰の願い。戦乱の世、死が身近にあった家康がどんな思いを込めてこの言葉を掲げたのかはわからないけど、極楽浄土へのあこがれが強くあったことはきっと間違いないだろうね。天下を取った家康やその子孫は、増上寺を江戸の菩提寺、知恩院を京都の菩提寺として、浄土宗の教えを大切に伝えるために、こうして御影堂などの整備に力を尽くしたよ。
浄土宗が今でもみんなに信仰されているのは、徳川家の力が大きかったんだね!
そして特別に厨子を開けていただいているこちらが、徳川秀忠のお像だよ。
ん?三門のところでお名前をきいたような?
そう、トラりんよく覚えていたね!秀忠は徳川家2代将軍、あの大きな三門を建てた人だよ。そしてこちらのお像は、特別展で京博にお迎えすることになっているんだ。
えーっ!こんな大きなお像が!?すごいリン!特別展でお会いできるのを楽しみにしているリン!
トラりん、いっぱいお勉強してくれてありがとう。ボクも特別展に行ってもっといっぱいお勉強するよ。よかったら、ボクが主人公の4コママンガ「Hello!なむちゃん」も読んでみてね!
Hello!なむちゃん https://jodo.or.jp/comics/
なむちゃん、マンガにもなっているの!?すごいリン!読んでみるね♪ボクこそ、色々教えてくれてありがとリーン!いつでも京博に遊びに来てね☆
特別展「法然上人と極楽浄土」がいよいよ10月8日から始まります。たくさんの人が京博に足を運んでいただければと思います。トラりん、今日は知恩院に来てくれてありがとう。短い時間だったけど、仲良くなれて良かった。次はいつ来る?また会えるのを楽しみにしているね。
いつでも来たいリン!井並研究員、また連れてきてね!
トラりん、知恩院の境内や歴史についてお勉強して、関さんとなむちゃんにも会えて、良い訪問になったね。ところで知恩院は、三門と御影堂だけでなく、他にもたくさんの見どころがあるよ。知恩院発祥の地や、知恩院の七不思議もトラりんに紹介したいんだけど、ついてこれるかな?
えーっ!予習編なのに、まだまだ見どころ紹介があるなんて!井並研究員の熱い想いを感じるリーン!! というわけで...
後編に続く!
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■会期:
2024年10月8日(火)~12月1日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館
■休館日:
月曜日
※ただし、10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開館し、10月15日(火)、11月5日(火)休館
■開館時間:
9:00~17:30(入館は17:00まで)
金曜日は20:00まで開館(入館は19:30まで)
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