こんにちリン!
トラりんだリン!
今日は1月28日までの特集展示「御所文化を受け継ぐ─近世・近代の有職研究─」を見に行くよ!
御所の文化って、なんだか雅で伝統的な香りがするリン・・・
ボクは京都の博物館のPR大使だから、この機会にいろいろ知りたいな♪
一緒に見てくれるのは・・・
\山川研究員だリン♪/
山川研究員:トラりん、今日もよろしくね。
まずは順路通り、1F-2の展示室から見て行こう。
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トラりん:わー☆
書もたくさんあるね☆
山川研究員:これは貴族が書いた日記だよ。
トラりん:日記?!
日記がたくさんの人に見られちゃうのは、恥ずかしいリン・・・
山川研究員:うんうん、確かにそうだよね~。
でも日本の貴族の日記は、見られることを前提に書かれたものなんだ。
トラりん:見られるため?
山川研究員:そう。
この中には、儀式のやり方・どのような格好で行うか、などがとっても詳しく書かれているんだよ。
実は、朝廷はずっと力を持っていたわけではないんだ。
歴史の流れとともに衰退し、御所の文化も維持できなくなって失われていったの。
トラりん:え!
平安時代からずっと続いてきたわけではないの?!
山川研究員:実はそうなんだ。
では、なくなったものをどうして私たちがいま目にすることができるのか。
それは、むかしの人がこうして文字や絵で詳しく残してくれたから。
そして、それを見て復興のために勉強してくれた人がいるお陰なんだよ。
トラりん:本当だ!
「諸伝調度図(しょでんちょうどず) 上巻」(京都国立博物館所蔵)の中には、ここに置いてある「椅子(いし)」が描いてあるリン!
山川研究員:読み方が、「いす」ではなく「いし」なのも面白いよね。
トラりん:ハッ!!
なるほど!最初の展示室で、今回のタイトル「御所文化を受け継ぐ─近世・近代の有職研究─」の意味を教えてくれたんだね!!
研究員の展示の仕方ってそれぞれ工夫があるから、そこも見どころだリン♪
山川研究員:トラりん、研究員の想いに気づいてくれたんだ!ありがとう!
それでは続いて、1F-3の展示室を見てみよう。
ここには、男性の装束(しょうぞく)が展示されているよ。
トラりん:かっこいいリン!!!
ボクも着てみたいリーン!
山川研究員:じつは、貴族の世界では、服装を見るだけで、年齢・役職がわかるようになっているんだよ。
1歳のトラりんには、まだ早いものが多いかもね。
トラりん:あ、本当だ!
色や文様、かたちが違うリン!
ボクも早く大人になって着てみたいリン!
でも、服を見るだけで年齢がわかるのは便利かもしれないけど・・・
ヒミツにしておきたいときもあるかもだね☆
山川研究員:最後は、1F-3の展示室。
ここは、女性の装束が展示されているんだ。
トラりん:とっても素敵だリン!
個人的に、「平安時代のイメージ」だリン!
山川研究員:百人一首の絵札に描かれた姫君みたいだね! これは、「五衣唐衣裳装束(いつつぎぬからぎぬもしょうぞく)」(京都国立博物館所蔵)。昭和天皇の弟だった秩父宮(ちちぶのみや)に嫁いだ勢津子さまが、結婚式に着た装束だよ。
みんなは、十二単(じゅうにひとえ)っていう呼び方で聞いたことがあるんじゃないかな。
平安時代には、女房(にょうぼう)と呼ばれる、お部屋をもらって宮中に勤める人も着ていた装束なんだ。
いまで言う、キャリアウーマンの出勤服でもあったんだね。
トラりん:いち、に、さん・・・あ、わからなくなっちゃった!
いち・・・に・・・さん・・・よん・・・んあー!数えられないっ!!
山川研究員:もしかして12枚だと思って数えている?
残念だけど、12枚重ねているから「十二単」という名前なわけではないんだよ。
この場合は、下着の小袖と、五枚が一諸になっている五衣(いつつぎぬ)をバラバラに数えて、10枚重ねなの。
トラりん:えー!!!
そうだったの?!ボク、12枚だと思っていたリン!!
それにしても、重ねているところの色合いがとっても綺麗だね☆
山川研究員:そうなの!
とっても美しいよね。
じつは、色合いには四季の自然が重ねられているものもあって、ここに日本人の美意識が表れているんだよ。
トラりん:四季の色合いって、たとえばどんな?!
山川研究員:春を表す桜の色は、表地が白で裏地がピンクだったり、その季節のお花や空気感をこの重なりで表現しているの。
これは四季がはっきりとある日本ならではの、独特の感性だよね。
トラりん:とっても素敵だリン☆
それに、すごくオシャレだね!
あれ、こっちの「桂袴装束(けいこしょうぞく) 秩父宮勢津子妃所用(ちちぶのみやせつこひしょよう)」(京都国立博物館所蔵)はシンプルになった気がするリン・・・
どんな変化があったのかな?
山川研究員:着用する場に応じて、時代の流れとともに工夫されたんだ。
明治時代になると、西洋の文化を多く取り入れるようになったでしょう?
それまで貴族の女性は室内にいることが多かったけど、西洋では男女ペアで公式行事に出ることが多いから、女性も外出する機会が増えたの。
でも、これまでの装束では、着ているものを引きずってしまうから、裾を短くして靴を履くようになったんだ。
伝統的なものを残しつつ、時流にあわせて西洋の文化にも対応していったんだね。
トラりん:なるほど、そうなんだね。
山川研究員:天皇陛下の譲位の日程も定まって、今年は皇室行事がニュースになることも多いんじゃないかな。
この展示をご縁に、たくさんの人が日本の宮廷ではぐくまれた色やかたちに興味を持ってくれたらうれしいな。
学校の古典文学の時間も、色つきで想像できて楽しくなると思うよ!
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展覧会名:特集展示「御所文化を受け継ぐ─近世・近代の有職研究─」
会期:2017(平成29)年12月19日 ~ 2018(平成30)年1月28日
会場:京都国立博物館 平成知新館1F-2~4
休館日:月曜日
*ただし、月曜日が祝日・休日となる場合は開館し、翌火曜日を休館とします。
開館時間:火~木・日曜日:午前9時30分から午後5時まで
金・土曜日:午前9時30分~午後8時まで(入館はいずれも閉館の30分前まで)
観覧料:一般 520円(410円) 大学生 260円(210円)
高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料です(年齢のわかるものをご提示ください)。
*( )内は団体20名以上
*大学生の方は学生証をご提示ください。
*障がい者の方と介助者(1名)は、障がい者手帳などのご提示で無料となります。
*キャンパスメンバーズは、学生証をご提示いただくと無料となります。