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展示

2020年2月28日

休館中の中世絵画展示室「大徳寺養徳院の障壁画Ⅱ」を見に行くリン♪

こんにちリン!
トラりんだリン!

torarin

京博は2020年2月27日(木)から、全館休館中だリン。
全館休館のお知らせ
展示を楽しみにしてくれていたおともだちもたくさんいると思うから、早くみんなに安心して楽しんでもらえるようになるといいな。

ねぇ...

毎日寒すぎるリン!

みんなの住んでいるところはどう?
どこかあたたかい場所があるなら、ボクも行きたいリン!!

早くぽかぽかの春が来てほしいなぁ☆
それまでは、おこたから絶対に出たくないリン!
あ~、おこたで丸くなるの幸せ~♪
(※トラりんは虎です。/京博スタッフ談)

森研究員:トラりん、こんにちは。

torarin

トラりん:おおおおおお!
春みたいに優しい男が来たリン♪
森研究員のぽかぽかで暖を取らせてー

森研究員:いつでもどうぞ。
今日は、ぜひトラりんに見せたい展示があるんだよ。
いっしょに展示室に行かない?

トラりん:いや、今日はちょっと無理だリン。
寒すぎてここから動きたくないリン。

森研究員:そんなこと言わずに。
じつは、26日に展示替えをしたんだけど、27日から休館することになったんだ。
だからせめて、この「虎ブログ」で楽しんでもらいたいと思って...
ね、行こうよ。
見てもらいたい作品が、たくさんあるんだ。

トラりん:なんて強い力だリン!
ぜんぜん春みたいに優しい男じゃないリ~~~ン!

torarin




森研究員:さあ、着いたよ。
トラりん、機嫌直して。
今日は、休館中の京博・平成知新館 中世絵画展示室の
「大徳寺養徳院の障壁画Ⅱ」の作品を紹介したいんだ。

torarin

トラりん:「Ⅰ」はどうしたリン!
んもーっ!おこたのほうがあったかいリンっ!(ぷんすか=3)

森研究員:まあまあ。
「Ⅱ」から紹介することになったけど、中世絵画展示室では新年から、かつて養徳院(ようとくいん)の方丈を飾っていた障壁画を展示しているよ
養徳院は京都の北にある有名な禅宗寺院、大徳寺の一角にある塔頭(たっちゅう)。
これらの障壁画の多くは、室町時代に制作された日本に現存する最古の水墨画だよ。

トラりん:水墨画☆。・
ボクも「すいぼくがタイプ」だから、水墨画は大好きだリンっ!!
しかも、日本最古ってすごいリンっ!!!
(テンションMAX↑)

森研究員:トラりんの元になった尾形光琳筆「竹虎図」も、水墨画だもんね。
じゃあ、早速見ていこう。
「重要文化財 芦雁図襖(ろがんずふすま) 小栗宗湛(おぐりそうたん)・宗継(そうけい)筆 (京都国立博物館所蔵)」だよ。

torarin

トラりん:はぁ~♪
親近感がものすごいし、とっても落ち着く~~♪

森研究員:室町幕府で活躍していた小栗宗継という画家が、当時の日本で大人気だった、牧谿(もっけい)という中国の画家のスタイルにならって描いたもの。
鳥も風景も墨をよくにじませて、ふわふわと柔らかい感じに描かれていて、これが牧谿風といわれるところだね。
ちなみにこの襖絵は、宗継さんと同じくとても有名な画家だったお父さん、小栗宗湛が描いた襖2面に、息子の宗継が4面を描き足したものだという記録があるんだ。
どこをどう描き足したのかは学者の間でいろんな意見があるけれど、同じ雁でも顔つきとかタッチが違うのが何羽かいるね。

torarin

トラりん:親子2人の作品なんだね☆
素晴らしいリン!
墨の濃淡を使い分けて、鳥りんがとってもかわいく描かれているリン♪
鳴いている子もいるけど、声が響いてくるようだリン☆

森研究員:つぎは、「重要文化財 山水図襖(さんすいずふすま) 小栗宗継筆 (京都国立博物館所蔵)」だよ。

torarin

トラりん:水墨画らしい美しい風景だリン♪
こちらも宗継りんが描いた襖絵なんだね☆

森研究員:これも、さきほどの作品と同じ頃に描かれた襖絵。
京都はもちろん、神社仏閣やお城を中心に日本全国には襖絵がたくさん残っているけれど、最も古いのがこれらの作品というわけだね。
先に紹介した「芦雁図」と同じく、養徳院の方丈を飾っていたよ。
さっきの絵は牧谿風の水墨画だったけれど、この山水画は夏珪(かけい)という、別の中国人の画家をまねようとしたみたい。
人も風景もしっかりと輪郭線をとって描く、キビキビとした雰囲気の絵だね。
淡く色もつけてある。

torarin

トラりん:本当だリン☆
中国絵画の展示室でたくさんの水墨画が展示されているけど、むかしの日本の画家たちは、一生懸命中国の画家の絵をまねしようとがんばっていたんだね!

森研究員:さいごは、「重要文化財 雪景山水図襖(せっけいさんすいずふすま) (京都国立博物館所蔵)」

torarin

トラりん:タイトル通り、すんごい雪景色だリン...
寒そう。

森研究員:これは今までみてきた古い襖絵に、たぶん江戸時代か明治時代ごろにつけ足されたものだと思う。
何かの理由で建物の間取りが変わったときに描き足すとか、襖絵にはそういうことがよくあるのさ。
ちなみに室町時代からずっと大徳寺の養徳院を飾ってきた襖絵は、明治時代にお寺を離れてしまうんだ。
新しい持ち主は、明治の大政治家だった井上馨(いのうえかおる)という人物。
この襖は歴史のうねりをたくさん経験したけれど、今は京博にそっと収まっていて、(ブログを通じて)皆さまにご覧いただけて有難いね。

torarin

トラりん:そうだね!
目の前の襖絵が、ボクが生まれるずっと前の京都で、むかしのひとの生活の中に存在していたと思うと、本当に不思議な気持ちになるリン☆
長い歴史の中でかたちを変えたり、持ち主が変わったり...そんなことを想像すると、すごいリン!
むかしのひとは、どんな想いでこの絵を眺めていたんだろう☆
作品が、いまとむかしをつないでくれるようだね♪

森研究員:養徳院伝来の襖絵はとても有名で、一部は禅宗や水墨画の展覧会でよく出されているから、トラりんもどこかで通り過ぎたことがあるかもしれないよ。
ただ数が多いから、全部を展示できる機会はほとんどないんだ。
今回の「虎ブログ」展覧会で、少しでも楽しんでもらえていたらうれしいな。

トラりん:
\あっ...あったかい☆/

torarin




おまけ☆

2月29日(うるう年!)は、今回お話を聞かせてくれた森研究員による土曜講座デビュー「庭園と花鳥―中世花鳥画の世界―」を予定していたけど、これも中止になったよ。
残念だけど、つぎの機会に期待したいリン!

torarin




大徳寺養徳院の障壁画 II
■会期:2020(令和2)年2月26日(水)
※3月17日(火)~3月22日(日)については、今後の状況を踏まえて改めて決定いたします。
■会場:京都国立博物館 平成知新館 2F-3
■交通:JR、近鉄、京阪電車、阪急電車、市バス
■休館日:2020年2月27日(木)~3月16日(月)
※3月17日(火)~を休館にするか開館にするかは、今後の状況を踏まえて改めて決定いたします。
■開館時間:
 火~木・日曜日:
 9:30~17:00(入館は16:30まで)
 金・土曜日:
 9:30~20:00(入館は19:30まで)

■観覧料:
 一般  520円(410円)
 大学生 260円(210円)
 高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方(要証明) 無料
 ※( )内は20名以上の団体料金。
 ※大学生の方は学生証をご提示ください。
 ※障害者手帳等(*)をご提示の方とその介護者1名は、観覧料が無料になります。
 (*) 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳
 ※キャンパスメンバーズは、学生証または教職員証をご提示いただくと無料になります。

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