開催概要
本展は、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のため、事前予約優先制を導入します。
博物館南門にて当日観覧券も販売します(入館いただける直近の時間枠にてご案内申し上げます)。いずれの観覧券も数量限定、なくなり次第終了します。皆様のご理解、ご協力のほどよろしくお願いします。
また、会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。随時、当ウェブサイトや当館公式Twitterにてお知らせいたしますので、ご来館の際は最新情報をご確認ください。
展覧会名 | 特別展 畠山記念館の名品─能楽から茶の湯、そして琳派─ |
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会期 | 2021(令和3)年10月9日(土)~12月5日(日) [主な展示替] 前期展示:2021年10月9日(土)~11月7日(日) 後期展示:2021年11月9日(火)~12月5日(日) ※会期中、一部の作品は上記以外にも展示替を行います。 |
会場 | 京都国立博物館 平成知新館 |
交通 | JR、近鉄、京阪電車、阪急電車、市バス 交通アクセス |
休館日 | 月曜日 |
開館時間 | 9:00~17:30(入館は17:00まで) |
観覧券 |
観覧料 一 般 1,800円 大学生 1,200円 高校生 700円
本展は、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のため、事前予約優先制を導入します。 館内の混雑緩和のため「日時指定観覧券」をご提示の方から優先して展示室にご案内しますので、ご来館前に「日時指定観覧券」をご購入いただくことを推奨します。 入館時間は1時間ごとに区切り、その時間枠内にご入館いただきます。 また、予約不要の「当日観覧券」を博物館入口にて販売します。こちらは、ご入館いただける直近の時間枠にてご案内申し上げます。いずれの観覧券も数量限定、なくなり次第終了します。皆様のご理解、ご協力のほどよろしくお願いします。 「日時指定観覧券」「キャンパスメンバーズ日時指定観覧券」はローソンチケットにてご観覧日前日までにお申し込みのうえ、ローソンもしくはミニストップ店頭にて発券し、ご持参ください。 <9月9日(木)10:00~販売開始> (チケット販売終了) |
記念講演会 |
●10月9日(土) ●10月23日(土) ●11月6日(土) ●11月20日(土) 【時 間】13:30~15:00 【会 場】平成知新館 講堂 【定 員】先着100名(予定、全席自由席) ※適切な間隔を保つため、定員100名(通常の半数)にて実施いたします(変更する場合があります)。着席場所は係員の指示に従ってください。 【料 金】聴講無料(ただし、講演会当日の「聴講券付き日時指定観覧セット券」が必要) 【参加方法】ローソンチケットにて、「聴講券付き日時指定観覧セット券」をご購入ください。無料対象の方も、「聴講券付き無料日時指定観覧セット券」が必要です。 ※キャンパスメンバーズ割引対象の聴講券付き日時指定観覧セット券はございません。上記いずれかのセット券をお求めください。 ※上記のいずれのセット券も、9月9日(木)より、ローソンチケットにてお求めいただけます。 |
キャンパスメンバーズ講演会 |
京都国立博物館キャンパスメンバーズ会員校の学生及び教職員を対象に、本展示の見どころなどを解説する講演会を開催します。 【日 時】2021年10月14日(木)15:00~16:00(14:30開場) 参加方法など詳細は、 特別展「畠山記念館の名品─能楽から茶の湯、そして琳派─」キャンパスメンバーズ講演会 |
音声ガイド | 【貸出料金】1台600円(税込) 【収録時間】約30分 |
展覧会図録 | 詳細は特別展図録 |
主催 | 京都国立博物館、公益財団法人 荏原畠山記念文化財団 畠山記念館、日本経済新聞社、NHK京都放送局、NHKエンタープライズ近畿 | 協賛 | 大成建設 |
展覧会公式サイト・SNS | ※公式サイト・ツイッターは終了しました。 |
展覧会の見どころ
荏原製作所の創業者である畠山一清(はたけやまいっせい、号:即翁<そくおう>)が蒐集した美術品を収蔵する畠山記念館。本展は改築工事のため長期休館中の同館コレクションのなかから、茶道具を中心とする日本・中国・朝鮮半島の古美術の名品を紹介します。即翁が愛蔵した茶道具には「即翁與衆愛玩(そくおう よしゅうあいがん)」の蔵印が用いられており、その言葉は自らが蒐集品を独占するのではなく、多くの人と共に楽しみたいとの即翁の想いが込められています。即翁の美意識と彼の愛した古美術の世界を共有できるまたとない機会です。
1章 蒐集の始まりと金沢
即翁は、加賀前田家の城下町として栄えた金沢に生まれました。大学卒業後、技術者として経験を積み、ポンプの設計製作にかかわる事業を営むかたわら、数寄者として活躍するようになりますが、その蒐集の始まりは、大正4年(1915)に購入した古九谷のやきものでした。
古九谷は大正時代に人気のあった作品ですが、郷里・金沢に縁のあるものでもありました。ここでは、即翁の金沢への想いが感じられる、初期の蒐集品と金沢ゆかりの作品をご紹介します。
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古九谷色絵牡丹文皿
畠山記念館
<通期展示>
2章 能楽―美意識の支柱
明治の世となり、もはや演能が必須ではなくなった大名家のコレクションが処分されるようになると、能をたしなむ実業界の紳士たちが能楽の新たな支援者となりました。そうした支援者のひとりであった即翁は、ふるさと加賀藩に伝来した能装束を積極的に蒐集し、自らの演能にも着用しました。
物語や伝説、社寺の縁起などを下敷きとする謡には、宗教や文学、さらには地誌に至るまで、日本文化の核が埋め込まれています。謡い舞うことによって自らの内に取り込まれた能楽は、即翁の美意識の支柱でもありました。
3章 名品との出会い
数寄者として茶の湯を実践した即翁は、名品茶道具の蒐集に熱意を傾けました。将軍家や天下人と呼ばれる戦国武将たちが所持した井戸茶碗や唐物茶入、だれもが認める名絵画や墨蹟の名品を集める一方で、即翁自身の審美眼に従い、大胆な筆致の書である「離洛帖」や、破格とも
いえる造形の「割高台茶碗」「志野水指 銘 古岸」といった個性的な作品も蒐集しています。
また、数寄者として名高い益田鈍翁から茶を点ててもらうことがあった即翁は、鈍翁から言われた一言に大きく感銘を受け、以来鈍翁をはじめ、原三溪といった近代数寄者たちにゆかりのある品も入手していくことになりました。
4章 琳派
畠山記念館には、「四季草花下絵古今集和歌巻」をはじめ、優れた琳派作品が数多く所蔵されており、同館のコレクションを特徴づける要素の一つとなっています。個々の作品の質の高さもさることながら、「系統的」であることを意図して蒐集されたらしいことも見逃せません。
本阿弥光悦・俵屋宗達に始まり、尾形光琳・乾山、さらに酒井抱一・鈴木其一らへと続く日本美術史上の一大流派であるという今日の「琳派」観は、明治末から大正、昭和にかけて発展してきた概念です。
即翁による系統的な琳派作品蒐集は、近代以降における「琳派」という概念の形成過程と重なりつつ展開していたと言えるでしょう。
5章 與衆愛玩の想い
「與衆愛玩」とは、数寄者が蒐集品を独占するのではなく、多くの愛好家とともに楽しもうとする精神を表す言葉であり、即翁所蔵の茶道具の愛蔵印「即翁與衆愛玩」を典拠としています。即翁はこの言葉を実践するために畠山記念館を設立しました。
美術館設立を決意してからの即翁は、茶道具コレクションに加え、中国鑑賞陶磁の「青花龍濤文天球瓶」など、世界に冠たる美術品を購入しています。幅広い層、特に若い人たちにコレクションを観てほしいと考えた即翁は、茶道具だけにこだわらず、より美術館展示に向くと考えた作品もコレクションに加えていきました。
6章 畠山即翁と茶の湯
即翁は、大正時代末頃から晩年の約40年間にわたって茶の湯を楽しみ、実践しました。なかでも懐石へのこだわりは強く、献立から器選び、味付けに至るまで自身で目を通すという徹底ぶりでした。
茶人に欠かせぬ歳時記の一つ、東西の大茶会、光悦会・大師会でも見事な道具組を披露しています。昭和9年(1934)の光悦会では「備前火襷水指」、昭和12年(1937)の大師会では南楚師説筆「墨蹟(送別語)」「井戸茶碗 銘 信長」などをはじめとした名品を用い、豪華な取り合わせを行いました。
ここでは、茶の湯の実践者として一期一会を紡いできた茶事を、道具の取り合せによって再現します。