こんにちリン!
トラりんだリン!
トラりん:いよいよ、開館120周年記念特別展覧会「海北友松」がはじまったリン!
まず「海北友松」とは・・・今回の主役のお名前だリン!
みんなはなんて読むかわかる?
正解は、「かいほうゆうしょう」!(エッヘン☆)
山本研究員:トラりん、しっかり予習してきたんだね。エライ、エライ!
トラりん:山本研究員♪
いまのところ、今回の特別展覧会でボクがわかっていることは、これだけだリン!(エッヘン☆)
山本研究員:ズコー!
でも大丈夫、これから一緒に展示を見に行こう。
海北友松がどんな人だったのか、わかってくるはずだよ。
トラりん:わーい☆
今年は京博が120周年を迎える記念の年だから、ボクもいつも以上に特別展覧会を楽しみにしていたんだ♪
山本研究員、よろしくリン!
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山本研究員:まずは「雲龍図(うんりゅうず)」(重要文化財・建仁寺)を見てみよう。
トラりん:この絵は今回のチラシやパネルに載っている絵だね!
展覧会が始まる前から見ていたから、なんだか親しみがあるリン♪
でも・・・
こんなに大きくて迫力があったんだねー!
山本研究員:この絵は縦2メートル、横13メートルあって、もともと建仁寺大方丈(おおほうじょう)の礼(れい)の間を飾っていたものなんだ。
礼の間は入口に1番近い場所にあるから、入るなりこの絵が見えたら凄い衝撃だよね。
龍は仏教の守護神とされているから、禅宗寺院で多く見られるよ。
ちなみに「龍は雨を呼び、虎は風を呼ぶ」と言われているから、龍と虎はペアで描かれることも多いんだ。
トラりん:虎は、風を呼べるの?!!
でもボクには雨男疑惑があるから、どちらかと言うと雨を呼んでいるかもしれないリン・・・
山本研究員:それと、龍は9種類の動物に似ているとされていて「掌(てのひら)」は虎と言われているんだ。
トラりん:光栄だリン☆
話を聞けば聞くほど、興味深いリン!
山本研究員:この龍は阿吽形(あうんぎょう)になっているんだけど、トラりんは気付いたかな?
トラりん:本当だー!!
阿(あ)=「あ」ということで、ものごとの始まり
吽(うん)=「ん」ということで、ものごとの終わり
を、表しているんだよね!
門を守る仁王像や狛犬とかの口は阿吽形になっているって、前に教えてもらったリン☆
「あ」
「ん」
山本研究員:それとこの絵は「立て掛け描き(たてかけがき)」という普通は絵を床に寝かせて描くところ、斜めに立てて描く手法が用いられているよ。
よく見ると、墨が垂れているところがあるよね。
トラりん:本当だ☆
墨が垂れたら失敗しそうなのに、絶妙なテクニックでこの絵に不気味な要素をプラスしているところが凄いリン!
そういえば、この絵は襖(ふすま)に描かれた絵だと思っていたんだけど・・・襖には見えないね?
山本研究員:昭和9年(1934)、建仁寺は台風の被害に遭い、建物が倒壊したんだ。
それを機に、この絵を守るため掛軸(かけじく)に改装されたんだよ。
そしてその記念として、京博で第1回目の「海北友松展」が開かれたんだ。
実は、海北友松を扱った展覧会は今回で5回目なんだよ。
トラりん:え!そうだったの?!
ボクが生まれる前に、すでに4回も京博で海北友松展が開催されていたなんて!
京博開館120周年記念の歴史の中には、まだまだボクの知らないことがいっぱい詰まっているリン☆
山本研究員:トラりん、次の作品のお部屋に移動しようか。
トラりん:うん!
・・・ギャーッ!!!
山本研究員:ど、どうしたの?!
トラりん:このお部屋、なんだか他とは違うよ!
ドロドロドロドロ~~~~・・・って音が聞こえてきそうだリン!
山本研究員:これは「雲龍図屏風(うんりゅうずびょうぶ)」(重要文化財・北野天満宮)。
ここのお部屋は、みんなにより楽しんでもらえるように、作品の雰囲気に合わせた照明にしているんだ。
この絵のおどろおどろしさが、いっそう強調されているでしょ。
トラりん:なるほど!照明がいつもと違ったんだね!
面白い工夫だリン!
山本研究員:今回の展覧会では、そういうところも一緒に楽しんでもらえたら嬉しいな。
続いて、「花卉図屏風(かきずびょうぶ)」(重要文化財・妙心寺)を見てみよう。
トラりん:うわー!ゴージャス!
生命力で溢れた牡丹の絵が、さっきの絵とはまた違う迫力を感じるリン!
山本研究員:花・葉をよく見ると、ひとつひとつ開き方や向きが違っていて、それによって動きを出しているね。
おそらくこれらは、この時代にしては珍しい写生に基づいたものだと考えられるよ。
トラりん:友松さんに「絵を描いてほしい!」ってお願いする人は多かったと思うけど、こんな素敵な作品が届いたら嬉しいだろうなぁ☆
山本研究員: 友松の作品からは、型にはまらずに描きたいものを描くという自由な楽しさが感じられるね。
きっと注文主も、その自由さを友松の魅力と思っていたんだろう。
おそらく、友松と注文主との間にきちんとした意思疎通が図れていたんだね。
トラりん:ねぇねぇ・・・こっちの作品も海北友松さんが描いたの?
作品の雰囲気が違うから、まるで別の人が描いたみたいだけど・・・
山本研究員:これは、友松の最晩年の作品「月下渓流図屏風(げっかけいりゅうずびょうぶ)」(ネルソン・アトキンズ美術館)だよ。
昭和33年(1958)にアメリカの美術館が所蔵して以来、今回初めての里帰り展示が実現したんだ。
トラりん:なんだって?!
とっても貴重な機会だリン!
なんだか、この作品を見ていると・・・穏やかな気持ちになるリン。
山本研究員:この水墨画の季節は、早春。
つくしが生えていたり、雪解け水の流れが心休まる作品だよね。
でも、友松が生きた桃山時代に流行していたのは「豪華絢爛」。
躍動感があるものや、力強い作品が好まれていたんだ。
でもその後江戸時代になると、このようなしっとりとした作風が主流になるんだよ。
トラりん:正反対の作風が流行していた時代に、これを描いたの?!
友松さんは、時代の最先端の人だリン!!
山本研究員:ずっと見ていたくなる作品だよね。
トラりん:このふわふわのお猿さんの描き方は、去年の「さるづくし」の展示で見たことがあるリン!
「柏(かしわ)に猿図(さるず)」(サンフランシスコ・アジア美術館)
山本研究員:この可愛いお馬さん。
トラりんのチャームポイントのおしりと、いい勝負だね!
「放馬図屏風(ほうばずびょうぶ)」(MIHO MUSEUM)
※4月30日(日)までの前期展示作品だリン☆
5月2日(火)からの後期展示では「野馬図屏風(やばずびょうぶ)」(MIHO MUSEUM)が展示されるからお楽しみに♪
トラりん:ボク、いままで「海北友松」さんというお名前を聞いたことがなかったんだけど、こんなに素晴らしい作品をたくさん残している人だったんだね。
今まで知らなかったことが、とてももったいない気持ちになったリン!
山本研究員:今回の展覧会が、たくさんの人に海北友松を知ってもらえるきっかけになったら嬉しいね。
トラりん:どの作品も雰囲気が全然違うから、それぞれ違った面白さがあってとっても見応えがあったリン!
お部屋の照明の違いで、作品の持つイメージが強まるのもすごかったなぁ☆
あれは展示室でないと感じられないから、みんなにもぜひ見てもらいたいリン♪
あー!ボク、友松さんのことをもっともーっと知りたくなっちゃった☆
展示室を、もう1周してこよーっと♪
ふたり:開館120周年記念特別展覧会「海北友松」は、5月21日(日)まで☆
\ぜひ見にきてね♪/
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おまけ☆
山本研究員:今回ご紹介するのはこちらの、開館120周年記念特別展覧会「海北友松」オリジナル図録!
トラりん:んまぁー!
作品や展覧会についての情報が、こんなに詰まっているリン!
でも・・・お高いんでしょう?
山本研究員:お値段は、2500円(税込)!
トラりん:んまぁー!
便利っ!
しかも、今回は2種類の表紙があるんですって?
山本研究員:僕が持っているのは、京博でしか手に入らないデザインだよ!
カリスマ販売員の2人:んまぁー!!
開館120周年記念特別展覧会「海北友松」
会期:2017(平成29)年4月11日(火)~ 5月21日(日)
会場:京都国立博物館 平成知新館
交通:JR、近鉄、京阪電車、阪急電車、市バス
休館日:月曜日
開館時間:午前9時30分から午後6時まで(入館は午後5時30分まで)
※ただし会期中の毎週金・土曜日は午後8時まで(入館は午後7時30分まで)
観覧料:一般 1,500円(1,300円)
大学生 1,200円(1,000円)
高校生 900円(700円)
中学生以下無料
*( )内は団体20名以上。
*障がい者の方とその介護者(1名)は、障がい者手帳などのご提示で無料となります。
*チケットの主な発売場所:オンラインチケット(公式サイト)、チケットぴあ(Pコード:767-951)、ローソンチケット(Lコード:52533)、セブンチケット、イープラス、CNプレイガイド、JTB各店舗ほか主要プレイガイドとコンビニエンスストアほか、(チケット購入時に手数料がかかる場合があります)
*会期中、一部の作品は展示替を行います。
【主な展示替:前期 4月11日~4月30日/後期 5月2日~5月21日】
平成知新館2F レファレンスコーナーでは、ワークショップもやっているよ!
展示とあわせて楽しんでもらえたら嬉しいリン♪
「描いてみよう!墨の線」