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展示

2017年7月14日

祇園祭開催中!「祝いの調度―祭礼図屏風」を見に行くリン♪

こんにちリン!

トラりんだリン!



トラりん:みんな、「祇園祭(ぎおんまつり)」を知ってる?

祇園祭は、7月1日から7月31日までの間に開催される、京都の伝統的なお祭だリン!

・・・と、得意げに話してはみたものの、ボクもまだまだ知らないことがたくさんあるんだ。

でもボクは京都に住む虎☆

自分がいる町のことはもっと知りたいリン!

7月21日(金)には「祇園祭後祭 エコ屋台村」にもお邪魔するし、きちんと予習してから行きたいと思っているんだけど・・・


福士研究員:トラりん、いつものことながらタイミング良すぎだね!

そんなトラりんの思いに応えてくれる、ぴったりの作品がちょうど展示されているところなんだ!



トラりん:福士研究員♪

なんだか、テレビショッピングみたいなスムーズな導入だリン!

それにしても、丁度いい作品って?!


福士研究員:今年は京博が開館して120年!

その記念の年をお祝いすべく、いま2階の近世絵画室ではお祭りを描いた作品の展示が行われているんだ。

もちろん、祇園祭の絵もあるよ!

トラりんは京博のPR大使!せっかくだから一緒に展示を通して京都の歴史を学んでみようよ。


トラりん:季節に合わせた展示が行われているなんて、素敵だリン♪

祇園祭のこと、お話聞かせてー☆

福士研究員:さっそく、「祇園祭礼図屏風(ぎおんさいれいずびょうぶ)(海北友雪(かいほうゆうせつ)筆 江戸時代(17世紀) 京都・八幡山保存会蔵)」を見てみよう!



福士研究員:祇園祭の始まりは、平安時代にさかのぼると言われているよ。

もともとは御霊会(ごりょうえ)といって、疫病(えきびょう)や厄災(やくさい)をはらうために行われた夏のお祭りなんだ。

おなじみの山鉾(やまほこ)が登場するのは、室町時代になってからなんだって!


トラりん:思っていたよりもずっと前から行われていたリン!

それと、これを描いたのは・・・海北(かいほう)


福士研究員:さすがトラりん、気が付いたね!

そう、この作品を描いたのは海北友雪(かいほうゆうせつ)。

海北友松(かいほうゆうしょう)の子どもなんだよ。


ふたり:・・・・・・。



トラりん:えぇぇぇぇぇーーーっ!!

あ、あの海北友松さん?!!

友松さんのことはたくさん教えてもらったから、親近感がわいちゃうリン☆

そうかぁー、友雪さんは友松さんのお子さんなのかぁー♪


福士研究員:この作品を所蔵しているのは、三条町(さんじょうちょう)の八幡山保存会。

八幡山がどこに描かれているか、わかるかな?


トラりん:う~~~ん・・・全然わからないリン☆


福士研究員:画面の右上を見てみて!鳥居とお社(おやしろ)が特徴の山なんだ。

大学生の時、祇園祭のアルバイトで曳(ひ)かせてもらったなあ。



トラりん:見つけたリン!

よく見ると、どの山も鉾も細かく描いてあるね☆


福士研究員:そうそう、ほかにも役行者山(えんのぎょうじゃやま)・鯉山(こいやま)・浄妙山(じょうみょうやま)など、いまもお馴染みの山が巡行しているよ。

浄妙山は、『平家物語』の一場面に由来する山。

宇治橋の上で奮戦する源氏方の浄妙坊を、加勢に来た一来法師が飛び越える様子をあらわしているんだ。


トラりん:頭に手をかけて飛び越えるなんて...、まるでサーカスみたいだリン!

ところで、そのうしろの山はなんていう名前?

ボクは見たことがない山みたいだけど...。



福士研究員:あれは鷹山(たかやま)といって、鷹狩りの様子をあらわした山。

実は、この200年近く巡行をお休みしている山(休み山)だけど、いままさに復興が進められているところなんだ。


トラりん:200年のお休み!

さすが歴史のあるお祭りはスケールが違うリン!

それに、いまは見られない山が、絵の中で見られるなんて素敵だね。

これが描かれたのが江戸時代ということは、光琳さんがみた祇園祭の様子も、こんな風だったのかなぁ☆



福士研究員:次はこちらの作品。

「祇園祭礼図屏風(江戸時代(17世紀)・京都国立博物館蔵)」!



トラりん:さっきの屏風と同じ名前なの?


福士研究員:ま、同じ祇園祭を描いた作品だからね。

でも、細かいところを見ていくとたくさん違いがあるよ!

それに、さっきの作品とはまたずいぶんと違う雰囲気だと思わない?


トラりん:この絵は、豪華絢爛だね!

雲みたいな部分はキラキラしていて綺麗だリン♪

特別展覧会「海北友松」のときに、桃山時代は豪華絢爛が流行していたと教えてもらったのを思い出したけど、これは江戸時代のものなんだね☆


福士研究員:さすがトラりん、よく覚えているね。

桃山時代に活躍した海北友松の作品には豪華さと同時に力強さがあったけど、この作品は華麗で整った感じがするね。

ここに描かれているのは、寛永年間(1624~44)頃の祇園祭の様子だと言われているよ。右側が旧暦6月7日の前祭(さきのまつり)、左側が14日の後(あとの)祭(まつり)なんだ。

全部で33基の山と鉾が見えるね。

ちなみに、鉾には真木(しんぎ)と呼ばれる柱が立っているものが多くて、山には松などの木が立っているよ。


【前祭】


【後祭】


トラりん:なるほどー☆

ストーリーがあって、絵本をめくるようだリン♪

ちなみに「後(あと)の祭(まつり)」ということばは、もしかして祇園祭が由来?


福士研究員:慣用句の「後の祭」はちょっと違うかな。

祭の終わったあとの山車(だし)という意味から、時機を外して役に立たないことをいう言葉だね。

祇園祭の「後祭」は、まだお祭りの真っ最中だよ!


トラりん:そっかー☆

似たことばだから、ずっと気になっていたリン!

祇園祭は最後まで大盛り上がりだもんね♪

あれ・・・?

この作品は作者の名前が書いていないよ?


福士研究員:そう、この作品には作者の名前が書かれていないんだ。

だから、誰が描いたのかははっきりとはわからない。

ただ、この作品も海北友雪が描いたんじゃないかという説があるよ。


トラりん:え!こっちも友雪さんが?!


福士研究員:そうそう!今回このふたつの屏風を並べてみたのは、そういう説もあるからなんだよ。


トラりん:そうなんだね。

それを聞いてから見てみると、初見とは違った楽しみがあるリン!

ところで、今日見せてもらった作品2つとも雲が描いてあるのはなんで?

これは、どこから見ている景色なんだろう・・・



福士研究員:ふたつの作品は、上空から京都の街並みを眺めたような構図になっているね。

でも、実際にこんなふうに見える場所があったわけじゃないし、そもそも現実に見える京都の姿をそのまま描いているわけでもないんだ。

モチーフを取捨選択して、この主題を描くのに必要な要素にフォーカスをあてて描いている、ということだね。

だから不必要な部分を隠したり、街並みや通りが連続しない部分を自然につなげるために、金雲はとっても役に立っているんだよ。

それに、画面をきらびやかに飾る効果もあるしね!


トラりん:なんという技術!

確かに金雲があるおかげでとっても華やかな雰囲気になって、一石二鳥だリン!

それに、鉾(ほこ)も美しいけど、たくさんの人が描かれていて、一人ひとりよく見てみるとなんだか面白いね♪

作品を通して、祇園祭に対する人々の想いが感じられるリン☆


福士研究員:7月に入ると、京都ではあちこちでお囃子(はやし)が聞こえてきて一気に祇園祭ムードになるね。

一年のうちでも今だけの雰囲気を、博物館でもぜひ味わってほしいな。


トラりん:「祝いの調度―祭礼図屏風」は、2階近世絵画の展示室で7月23日(日)まで開催だよ☆

「祇園祭」開催中の京都!展示とあわせて楽しんでもらえたら嬉しいリン♪



おまけ☆


トラりん:さて、今週もやって参りました。


福士研究員:カリスマ販売員のコーナーです!


トラりん:福士研究員、早速ご紹介しちゃって☆


福士研究員:今日は・・・

ジグソーパズル!(税込3,090円)



トラりん:トラりん:んまァー☆

あらっ!もしかして!!

これは、さっき展示室で見た「祇園祭礼図屏風」じゃないの?!



福士研究員:そうなんです!

展示室でのあの感動を、ご家庭に!

細かな描写も、手元でじっくり見られます!


トラりん:作って楽しい、飾って豪華!

この機会に、ボクもジグソーパズルにハマってしまいそうだリン・・・


カリスマ販売員の2人:「祇園祭礼図屏風」のジグソーパズル、

売ってるよ!


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