開館120周年記念特別展覧会 海北友松(かいほうゆうしょう)
2017年4月11日 ~ 2017年5月21日

開催概要

展覧会名 開館120周年記念特別展覧会 海北友松(かいほうゆうしょう)
会期 2017(平成29)年4月11日(火)~ 5月21日(日)
会場 京都国立博物館 平成知新館
交通 JR、近鉄、京阪電車、阪急電車、市バス 交通アクセス
休館日 月曜日
開館時間 午前9時30分から午後6時まで(入館は午後5時30分まで)
※ただし会期中の毎週金・土曜日は午後8時まで(入館は午後7時30分まで)
観覧料 一般 1,500円(1,300円)
大学生 1,200円(1,000円)
高校生 900円(700円)
中学生以下無料

*( )内は前売および団体20名以上。
*前売券の販売期間は、2017年1月11日(水)~4月10日(月)
*障がい者の方とその介護者(1名)は、障がい者手帳などのご提示で無料となります。
*チケットの主な発売場所オンラインチケット(公式サイト)、チケットぴあ(Pコード:767-951)、ローソンチケット(Lコード:52533)、セブンチケット、イープラス、CNプレイガイド、JTB各店舗ほか主要プレイガイドとコンビニエンスストアほか、(チケット購入時に手数料がかかる場合があります) *会期中、一部の作品は展示替を行います。
【主な展示替:前期 4月11日~4月30日/後期 5月2日~5月21日】
ワークショップ 詳しくは、描いてみよう!墨の線
記念座談会 「日本美術応援団、海北友松を応援する!!」*終了しました。

日時:4月15日(土)午後1時30分~3時
場所・定員:平成知新館 講堂 定員200名 登壇者:山下裕二氏(明治学院大学教授・日本美術応援団団長)
井浦新氏(俳優・京都国立博物館文化大使・日本美術応援団団員3号)
山本英男(京都国立博物館学芸部長)
参加方法:当日11時より、平成知新館1階グランドロビーにて整理券を配布し、定員になり次第、配布を終了します。聴講無料(ただし「海北友松」展の当日の観覧券が必要)。

講演会 対談「海北友松を語る」*終了しました。

日時:4月22日(土)午後1時30分~3時
場所・定員:平成知新館 講堂 定員200名
登壇者:葉室麟氏(小説家)、山本英男

「孤高の絵師・海北友松」*終了しました。

日時:4月29日(土)午後1時30分~3時
場所・定員:平成知新館 講堂 定員200名
講師:山本英男

「友松の作品─剛と柔・漢と和」*終了しました。

日時:5月13日(土)午後1時30分~3時
場所・定員:平成知新館 講堂 定員200名
講師:田沢裕賀氏(東京国立博物館 学芸研究部長)

参加方法:いずれも当日12時より、平成知新館1階グランドロビーにて整理券を配布し、定員になり次第、配布を終了します。聴講無料(ただし「海北友松」展の当日の観覧券が必要)。

主催 京都国立博物館、毎日新聞社、NHK京都放送局、NHKプラネット近畿
協賛 大和ハウス工業、日本写真印刷
協力 日本香堂
展覧会ちらし 開館120周年記念特別展覧会 海北友松
公式サイト 開館120周年記念特別展覧会 海北友松 ※公式サイトは終了しました。

展覧会の見どころ

 海北友松(1533~1615)は狩野永徳や長谷川等伯と並び称される桃山画壇の巨匠です。近江浅井家の家臣の家に生まれた彼は、若年を東福寺で過ごしましたが、主家や兄が信長に滅ぼされるに及び、還俗して狩野派の門を敲き、画の道に進んだと伝えられています。いま遺る作品のほとんどは狩野派から独立して以後の晩年期(60歳以降)のものですが、鋭い筆遣いが駆使された気迫溢れる水墨画や詩情豊かな大和絵金碧画などは、ほかの誰の作とも似ていない、まさに友松ならではのものといえましょう。
最晩年まで絵筆を握り続け、83歳でその生涯を終えた桃山最後の巨匠の世界を、心ゆくまでご堪能ください。

第一章 絵師・友松のはじまり―狩野派に学ぶ―

 近江浅井家の家臣・海北綱親(つなちか)の五男(もしくは三男)として生まれた友松は、幼い頃、東福寺に喝食(かっしき)(有髪の小童)として入りました。しかし、主家である浅井家や兄が信長に滅ぼされるに及び、還俗して狩野派の門を敲き、画の道に進んだと伝えられています。ここでは、六十歳以前の友松の作と目される「山水図屏風」「柏に猿図」などを紹介します。

山水図屏風(左隻) 海北友松筆
山水図屏風(左隻)(部分) 海北友松筆

第二章 交流の軌跡―前半生の謎に迫る―

 海北には心を通わせる友であった明智光秀の重臣・斎藤利三(さいとうとしみつ)、真如堂の僧で茶人の東陽坊長盛(とうようぼうちょうせい)のほか、豊臣秀吉、石田三成、細川幽斎など、錚々たる人々と関わりがありました。ここでは、孫の友竹が記した「海北家由緒記」のほか、関わりの深かった人々の関連作品や史料を紹介し、謎多き前半生を浮き彫りにします。

重要文化財 海北友松夫妻像 海北友雪筆 海北友竹賛
重要文化財 海北友松夫妻像(部分) 海北友雪筆 海北友竹賛

第三章 飛躍の第一歩―建仁寺の塔頭に描く―

 六十歳を過ぎて頭角を現わし始めた友松の活躍の舞台となったのが建仁寺でした。大方丈の障壁画をはじめ、大中院や霊洞院、禅居庵などの塔頭にも障屏画や掛幅が伝わっており、いつしか建仁寺は「友松寺」とあだ名されるようになりました。

重要文化財 松に叭々鳥図襖(部分) 海北友松筆 京都・禅居庵(5月2日~21日展示)
重要文化財 松に叭々鳥図襖(部分) 海北友松筆 京都・禅居庵
(5月2日~21日展示)

第四章 友松の晴れ舞台―建仁寺大方丈障壁画―

 慶長四年(1599)、兵火によって灰燼に帰した建仁寺方丈が再興される際、栄えある内部装飾を任されたのが、六十七歳になる友松でした。二頭の巨龍の圧倒的なスケール感と墨の気迫が凄まじい「雲龍図」、孔雀の躍動美を追求した「花鳥図」など、いずれも友松様式の完成を物語っています。

重文 雲龍図(8幅のうち4幅)(部分) 海北友松筆 京都・建仁寺
重文 雲龍図(8幅のうち4幅)(部分) 海北友松筆 京都・建仁寺

第五章 友松人気の高まり―変わりゆく画風―

 建仁寺大方丈に描いて以降、友松の活動は拡がっていきます。八条宮智仁親王をはじめ公家との関わりが深まるとともに、方丈画で見せた重厚感や激しい気迫は影を潜めてゆきます。ここでは、多様化する支持者の要求に応えた、最晩年期までの水墨画を紹介します。

重文 飲中八仙人図屏風 海北友松筆 当館
重文 飲中八仙人図屏風(部分) 海北友松筆 当館

第六章 八条宮智仁親王との出会い―大和絵金碧屏風を描く―

 慶長七年(1602)、友松は細川幽斎や公家の中院通勝の推挙によって、八条宮智仁親王のもとに出入りするようになります。古典に習熟した親王との交流と、そこで磨かれた絵師の感性が、二双の金碧屏風の傑作「浜松図屏風」「網干図屏風」を生み出しました。水墨画とはひと味違う、華やかで叙情溢れる金碧画の世界をお楽しみください。

 

第七章 横溢する個性―妙心寺の金碧屏風―

 最晩年に近い友松の活躍の場として、妙心寺を忘れることはできません。妙心寺に伝わる三双の屏風は、いずれも漢画の手法が駆使された華やかな金碧屏風。今を盛りと咲き誇る牡丹を右隻に、清楚な梅椿を左隻に描く「花卉図屏風」は、友松画のなかで最もゴージャスな雰囲気を備えています。

重文 花卉図屏風(右隻)(部分) 海北友松筆 京都・妙心寺
重文 花卉図屏風(右隻)(部分) 海北友松筆 京都・妙心寺

第八章 画龍の名手・友松―海を渡った名声―

 龍は、頭が駱駝、角が鹿、目が鬼、耳が牛、体が蛇、腹が蜃、鱗が鯉、爪が鷹、掌が虎に似るとされる想像上の動物で、古くより水墨画の画題として好まれ、多くの画家が描きました。友松も龍図を得意としており、その評判はわが国はもちろん、隣国の朝鮮でも非常に高かったようです。ここでは、朝鮮の高官・朴大根の書状とともに、さまざまな龍図を紹介します。

重文 雲龍図屏風(右隻) 海北友松筆 京都・北野天満宮
重文 雲龍図屏風(右隻)(部分) 海北友松筆 京都・北野天満宮

第九章 墨技を楽しむ -最晩年期の押絵制作-

 「押絵」とは屏風の一扇ごとに絵を押す(貼る)もので、詩作の会や贈答などに用いられました。気負いのない筆遣いと洒脱な雰囲気の友松の押絵は高い人気を博し、天皇や宮家をはじめ、寺院や武家、富裕町衆まで幅広く受容されていたようです。賛が施された友松の押絵とあわせて、希少な自筆の書状なども展示します。

後陽成天皇女房奉書(中院通勝宛)(部分)
後陽成天皇女房奉書(中院通勝宛)(部分)

第十章 豊かな詩情―友松画の到達点―

 友松の水墨画は、ほとばしる気迫を前面に押し出した画風から、次第に静謐で情趣性豊かなものへと変化していきます。展示の最後に、友松の最高傑作との呼び声高い「月下渓流図屏風」を紹介します。早春の夜明け頃、朧月の優しい光が渓流を淡く照らす様を詩情豊かに描き出したこの作品は、友松が辿りついた孤高の境地といえるでしょう。

月下渓流図屏風(左隻) 海北友松筆 米国・ネルソン・アトキンズ美術館 Photography by Mel McLean,courtesy of the Nelson-AtkinsMuseum of Art
月下渓流図屏風(左隻)(部分) 海北友松筆 米国・ネルソン・アトキンズ美術館
Photography by Mel McLean,courtesy of the Nelson-AtkinsMuseum of Art
京都国立博物館 Twitter

新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のためのお願い

ご来館くださる皆様へ
京都国立博物館からのお願い

↑ ページのトップへ