開催概要
展覧会名 | 特別展 流転100年 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美 |
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会期 | 2019年10月12日(土)~ 11月24日(日) ※会期中、一部の作品は展示替を行います。 前期:2019年10月12日(土)~ 11月4日(月・休) 後期:2019年11月6日(水)~ 11月24日(日) |
会場 | 京都国立博物館 平成知新館 |
交通 | JR、近鉄、京阪電車、阪急電車、市バス 交通アクセス |
休館日 | 月曜日 ※ただし、11月18日(月)は特別に開館いたします。臨時開館のお知らせ ※10月14日(月・祝)と11月4日(月・休)は開館し、翌火曜日(10月15日、11月5日)を休館とします。 |
開館時間 | 火~木・日曜日:午前9時30分~午後6時(入館は午後5時30分まで) 金・土曜日:午前9時30分~午後8時(入館は午後7時30分まで) |
観覧料 |
一 般 1,600円(1,400円) 大学生 1,200円(1,000円) 高校生 700円 (500円) ※( )内は20名以上の団体料金。 ※中学生以下は無料です。 ※障害者手帳等(*)をご提示の方とその介護者1名は、観覧料が無料になります。 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳 ※大学生・高校生の方は学生証をご提示ください。 ※キャンパスメンバーズ(含教職員)は、学生証または教職員証をご提示いただくと、各種当日料金より500円引きとなります。 【お得なチケット情報】
●早割ペア券 1036セット限定 *販売を終了しました
●グッズセット前売券 *販売を終了しました
●前売券 *販売を終了しました |
ワークショップ | 詳細は顔を描こう!~和歌で感じる歌仙のこころ~ |
特別講演 |
●11月4日(月・休)*終了しました。 【時 間】14:00~15:00 【会 場】平成知新館 講堂 【定 員】180名 【料 金】聴講無料(ただし本展覧会の当日の観覧券が必要) 【参加方法】当日11:00より、平成知新館1階グランドロビーにて整理券を配布し、定員になり次第、配布を終了します。 |
記念講演会 |
●10月13日(日)*終了しました。 ●10月19日(土)*終了しました。 ●11月2日(土)*終了しました。 ●11月16日(土)*終了しました。 【時 間】13:30~15:00 【会 場】平成知新館 講堂 【定 員】200名 【料 金】聴講無料(ただし本展覧会の当日の観覧券が必要) 【参加方法】当日11:00より、平成知新館1階グランドロビーにて整理券を配布し、定員になり次第、配布を終了します。 |
キャンパスメンバーズ向け講演会 |
京都国立博物館キャンパスメンバーズ会員校の学生及び教職員を対象に、本展示の見どころなどをご紹介する講演会を開催します。今回は「留学生の日」にあわせて、キャンパスメンバーズ会員校以外の留学生の方もご参加いただけます。 ●2019年11月1日(金)17:00~18:00(16:30開場) *終了しました。 参加方法など詳細は、 特別展「流転100年 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」キャンパスメンバーズ向け講演会 |
関連イベント |
十二単お服上げの再現―現代につながる王朝の美 *終了しました。 【日 時】2019年11月9日(土)①11:00~ ②12:30~ ③14:00~ ④15:30~(各回30分×4回公演) 【会 場】平成知新館 講堂 【料 金】無料(ただし本展覧会の当日の観覧券が必要) 【出 演】衣紋道 東京道場 参加方法など詳細は、十二単お服上げの再現―現代につながる王朝の美 |
音声ガイド | 【貸出料金】1台550円(税込) 【収録時間】約35分 【言 語】日本語・英語・中国語・韓国語 【貸出受付時間】9:30~17:15(金・土曜日 9:30~19:15) |
展覧会図録 | 一冊3,000円(税込)(A4変形版・336頁・掲載作品137件) |
主催 | 京都国立博物館、日本経済新聞社、NHK京都放送局、NHKプラネット近畿、京都新聞 |
後援 | 京都府教育委員会、京都市教育委員会、京都市観光協会 |
協賛 | 岩谷産業、松栄堂、損保ジャパン日本興亜、ダイキン工業、竹中工務店、NISSHA、三井物産、三井不動産 |
協力 | 大光電機 |
公式サイト・SNS | ※公式サイト・ツイッターは終了しました。 |
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展覧会の見どころ
100年目の再会!――散り散りになった秘宝が最大規模で集結
36人の優れた和歌の詠み人「歌仙」を描く、鎌倉時代の名品「佐竹本三十六歌仙絵」。かつて2巻の絵巻物として伝わったこの作品は、大正8年(1919)に一歌仙ずつ分割され、別々の所有者のもとに秘蔵されました。2019年は、この「佐竹本三十六歌仙絵」が分割されてから、ちょうど100年を迎える年です。本展では、これを期に、離ればなれとなった断簡を展覧会としては過去最大となる規模で集め、皆様にご覧いただきます。大正、昭和、平成の世を越え伝えられた、秘宝中の秘宝。平安・鎌倉時代に花開いた王朝美術の名品とあわせて、「佐竹本三十六歌仙絵」と、それを生んだ宮廷文化が放つ、最高の美の世界をご堪能ください。
第1章 国宝「三十六人家集」と平安の名筆
平安貴族の生活や儀礼を彩った和歌は、仮名文字の発達により、美しい料紙に記された造形美としても鑑賞された。とくに、三十六歌仙の歌を記した「三十六人家集」は王朝美術の最高峰として知られた名宝である。三十六歌仙とは、平安時代中期、藤原公任(ふじわらのきんとう)(966~1041)が『三十六人撰(さんじゅうろくにんせん)』の中で名を挙げた、飛鳥時代から当代に至る36人の優れた歌人のことである。三十六歌仙への憧れは、和歌文化の歴史の中で、その後も永く受け継がれることとなった。
第2章 “歌聖” 柿本人麻呂
柿本人麻呂は『万葉集』時代の伝説的な歌聖である。三十六歌仙にも当然選出さ れており、平安時代後期には「人麻呂影供」という、人麻呂の肖像(影)を掛け た歌会が創始された。人麻呂像には複数の系統があり、その多様さが魅力のひと つである。大事なことは、人麻呂像こそ優れた歌人の姿を描いた先例であり、後 の時代に歌仙絵が数多くつくられる展開を導いたと考えられることである。本章 では、中世に遡る人麻呂の肖像画を、筆や紙と同様に文人の象徴とみなされた硯 箱とともに紹介しよう。
第3章 “大歌仙” 佐竹本三十六歌仙絵
中近世にかけて数多く制作された歌仙絵の中でも、かつて秋田藩主・佐竹侯爵家
に伝わったことから「佐竹本」の名で呼ばれる三十六歌仙絵は、その最高傑作と
してつとに名高い。雅にして堂々たる風格は〝大歌仙〞とも称される。後世に、
絵は肖像画の名手・藤原信実(ふじわらののぶざね、1176~?)、書は後京極流を生んだ後京極良
経(ごきょうごくよしつね、1169~1206)の筆と伝えられた。
もともと上下二巻の絵巻として伝わったこの作品は、大正8年(1919)、一歌仙ずつの断簡に分割されてしまう。「絵巻切断」事件として世間を騒がせたこ
の出来事から、本年はちょうど100年の節目となる。大正、昭和、平成と、流転しつつも大切に受け継がれてきた秘宝。令和に改元した今年、その奇跡の再会
が果たされる。
第4章 さまざまな歌仙絵
歌仙絵は、佐竹本以外にも魅力的な作品が数多く残されている。白描のものや彩 色のもの、愛らしいものや凛としたもの。個性的なこれらの歌仙絵は、佐竹本と 異なり、いつ分割され掛軸となったのかはほとんどわからない。しかし、佐竹本 と同じように所有者が大切に伝え、それぞれに愛好してきたことは間違いない。 本章では、鎌倉・南北朝時代の歌仙絵から、代表的なものを紹介する。さまざま な魅力に彩られた歌仙絵から、お気に入りの一幅を見つけていただきたい。
第5章 鎌倉時代の和歌と美術
鎌倉時代(1185~1333)は一般に、武士が台頭して貴族の権力が衰え、 王朝文化も衰微した時期とみなされがちである。しかし、この時代には『新古今 和歌集』から『続後拾遺和歌集』まで、九本もの勅撰和歌集が成立している。さ らに、古筆、装飾料紙、物語絵巻など質の高い王朝美術が陸続と生み出されてお り、歌仙絵もそのひとつであった。それらの作品は、貴族たちが洗練された美意 識をもち続けたことを雄弁に伝えている。王朝文化は変質しつつも、依然として 優雅な煌めきを保っていたのである。
第6章 江戸時代の歌仙絵
鎌倉・南北朝時代を過ぎて、室町・桃山時代には、神社に奉納する額に三十六歌 仙を描く例が増加する。それらの中には、狩野派など今日に名を残す絵師の作品 もみられた。そして江戸時代には、歌仙絵の形式や表現はさらに多岐にわたる。 三十六歌仙絵は、土佐派、狩野派、琳派といった主要な流派の絵師たちが手掛け るポピュラーな画題でありつづけた。その基底にはいつでも、華やかな王朝文化 と三十六歌仙への憧憬があったのである。