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2018年6月15日

特集展示「新収品展」を見に行くリン♪~エピソードⅠ~

こんにちリン!
トラりんだリン!

torarin


今週からはじまった、特集展示「新収品展」☆

......新収品?

「新 収品」という人がいるのかなぁ?
あ、もしかして「新収品町」っていう地名??

うーん、うーん、うーん...


井並研究員:なにを唸っているの、トラりん。

torarin
torarin

トラりん:新さん...??!
ち、違う!

井並研究員!!!

井並研究員:やぁ☆


トラりん:ボク、いよいよはじまった「新収品展」を見に行きたいんだけど...
まず新収品の意味がわからないんだリン!

井並研究員:新収品は、新しく収蔵した作品という意味だよ。
京都国立博物館は購入やご寄贈によって、少しずつ所蔵品を増やしているんだ。
なんたって、「収集」は、文化財や美術品を伝えていく博物館にとって、果たすべき大きな役割のひとつだからね。
今回は、平成22(2010)年から平成29(2017)年3月末までに新しく所蔵品となった作品の一部を紹介しているよ。

トラりん:7年分ということだね!
これは楽しみだリン!
井並研究員、いっしょに展示室に見に行こーーーう♪

torarin



井並研究員:まずは、「刀 無銘(名物島津正宗)(めいぶつしまづまさむね)」(奥田米佛門氏寄贈・京都国立博物館所蔵)を見てみよう。
幕末から約150年間行方不明だった幻の刀だよ。
2014年にも当館で展示して、ニュースになったんだ。

torarin

トラりん:いきなりすごいのが出たリン!!!
どうして、その刀だとわかったの?

井並研究員:江戸時代の文献に載っている島津正宗の全体図や刃文が、完全に一致したんだ。
刀剣の刃文にはひとつとして同じ物は無いんだよ!

torarin


トラりん:えっ?!そうだったんだ!
秋には、特別展「京のかたな」が開催されるし、ますます刀剣への興味が深々だリン☆


井並研究員:じゃあ、トラりんの期待に応えて刀剣を続けて紹介するよ。
こちらは重要文化財「太刀 銘備中国住人左兵衛尉直次作(めいびっちゅうのくにじゅうにんさひょうえのじょうなおつぐさく)/建武(けんむ)二年十一月」(京都国立博物館所蔵)。

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トラりん:立派で美しいリン!

井並研究員:この太刀には銘が彫られていて作者と製作年がわかるんだ。
作者は左兵衛尉直次という人で、鎌倉時代末期の名工だったようだよ。
また、製作年である建武二年という年が刻まれている。
つまり南北朝時代、西暦1335年のこと。
鎌倉幕府が滅んで、後醍醐天皇による建武の新政が行われた時代だね。

トラりん:もしかして、刀剣も時代によって形が変わったりするのかな? 
今回の「新収品展」を見ながら、これからの展示も楽しみにできちゃうリン♪
それでは、ご唱和ください!
京博の秋の特別展は「京のかたな」!
はい、これでみんな覚えたー☆(カリスマ店員)

torarin


井並研究員:次に、重要文化財「銹絵寒山拾得図角皿(さびえかんざんじっとくずかくざら)」(京都国立博物館所蔵)を見に行こう。

torarin


トラりん:かわいい絵―!!
ボク、この絵好きだリーーーン♪
お皿って書いてあるけど、もったいなくて使えないよ☆

井並研究員:絵を兄の尾形光琳(おがたこうりん)が描いて、弟の乾山(けんざん)が詩文を記しているんだ。

トラりん:へー☆
尾形光琳さんと、乾山さんがー☆

・・・・・・・・・

torarin


トラりん:ハッ...!!!
尾形光琳さんは「竹虎図」を描いた、ボクの生みの親だリン!!!!!
乾山さんがその弟ということは...ボクのおじさん!!

井並研究員:時間差で来たな。
トラりんは「竹虎図」(京都国立博物館所蔵)から生まれているからね。
絵は、寒山拾得(かんざんじっとく)という中国の伝説的なお坊さんを描いていて、他の絵では表情が結構怖かったりグロテスクだったりするんだけど、トラりんのいう通り、この作品では親しみやすい雰囲気だね。
光琳と乾山が力を合わせてつくった、味わい深くも明るい雰囲気の角皿だよ。

トラりん:兄弟で1つの作品を作るって、素敵だね☆
京都で活躍した人たちだから、京博の所蔵品に加わったのはとってもうれしいリン♪

torarin


井並研究員:本当だね!
次は、重要文化財「変形方格規矩鏡(へんけいほうかくきくきょう)・変形獣文鏡(へんけいじゅうもんきょう)」(平泉清子氏寄贈・京都国立博物館所蔵)を見てみよう。

torarin


トラりん:うわー☆
細かい模様が美しいリン♪
これは...鏡?

井並研究員:京都府向日市の丘陵上にあった古墳から、大正時代に発見された日本製の銅鏡なんだ。
ふつうは鏡面の反対側にだけある菱形文帯が、鏡面側にも回り込んでいる、ごく稀な例だよ。
さらにおもしろいのは、鏡面には小鏡が古墳の中で錆付いて、くっついてしまっているんだ。

torarin


トラりん:すごく個性的だリン!
これもやっぱり京都ゆかりの文化財ってことだよね!
もしかして、京博だからこその収集の仕方っていうのがあるのかな?

井並研究員:そうだね。
ぼくたち研究員は、どんな作品を集めるべきか、伝えていくべきか、みんなで考えて「収集」をおこなっているんだ。
その全体の方針のひとつに、京都ゆかりのものを集めるということは挙げられるね。
そうした視点からも、今回の展示を見てもらえたら嬉しいなあ。
バラエティ豊かな新収品の一部を見てもらったけど、たくさんの作品を展示しているから、まだまだ紹介し足りないなぁ...
というわけで、次回につづくよ!


トラりん:わーお!スペシャル☆

torarin


つづく☆



特集展示「新収品展」

■会期:2018(平成30)年6月12日(火)~ 7月16日(月・祝)
■会場:京都国立博物館 平成知新館2F-1、1F-2~6
■交通:JR、近鉄、京阪電車、阪急電車、市バス 交通アクセス
■休館日:月曜日

■開館時間:
火~木・日曜日:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
6月の金・土曜日:午前9時30分~午後8時(入館は午後7時30分まで)
7月の金・土曜日:午前9時30分~午後9時(入館は午後8時30分まで)

■観覧料:
一般 520円(410円) 大学生 260円(210円)
高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料です(年齢のわかるものをご提示ください)。
※( )内は20名以上の団体料金。
※大学生の方は学生証をご提示ください。
※障害者手帳等(*)をご提示の方とその介護者1名は、観覧料が無料になります。
(*) 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳
※キャンパスメンバーズは、学生証または教職員証をご提示いただくと無料になります。 

■関連土曜講座:
6月16日(土)午後1時30分~午後3時
「織田信長と蘭奢待―正親町天皇宸翰消息―」
詳細はこちら!

6月の土曜講座:
・6月23日(土)午後1時30分~午後3時
「新羅印花文陶質土器をめぐって―スタンプ文様の世界―」
宮川 禎一(京都国立博物館 上席研究員)
・6月30日(土)午後1時30分~午後3時
「釈迦堂縁起と狩野派の絵巻 」
井並 林太郎(京都国立博物館 研究員)

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