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2018年8月20日

特集展示「百萬遍知恩寺の名宝」を見に行くリン♪ エピソードⅡ

こんにちリン!
トラりんだリン!

torarin


トラりん:やっとこの日が来たリン。

みんな、前回の虎ブログ、特集展示「百萬遍知恩寺の名宝」を見に行くリン♪エピソードⅠを見てくれた?
ボクはあれから、呉研究員のお話の続きが気になって気になって...
ごはんは、普通の量しか食べられなかったリン!

呉研究員:それは、通常運転だね。
みんなが安心したところで、早速前回の続きをはじめようか。
まだまだ紹介したい展示が、たくさんあるんだ!

トラりん:わーい☆
早く、早くーー!

torarin



呉研究員:今日は、こちらからお話しするね。
「徳川家康像 天海賛(てんかいさん) 京都・知恩寺所蔵」

torarin


トラりん:こっ...これが、あの徳川家康さん!
ボクも徳川家康さんは知っているけど「てんかいさん」っていうのは、どういう意味なの?

呉研究員:「天海さん」の「さん」は名前につける敬称ではなくて、「賛成」の「賛」。
誰かを褒め称える「賛美」の意味があるよ。
画面の上のほうに数行、墨書きの文字が見えるよね。
これが賛文で、天海という偉いお坊さんが徳川家康を称える文章を書き加えたわけだよ。
天海僧正は家康の側近としてお仕えしていたんだ。

トラりん:なるほど!
ところで、この絵も美しいね♪
むかしに描かれたものがこんなに綺麗な状態で見られることも、すごいリン☆(しみじみ)


呉研究員:そして、こちらが「重要文化財 蝦蟇鉄拐図(がまてっかいず) 顔輝(がんき)筆 京都・知恩寺所蔵」だよ。

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トラりん:こ、このひとたちは...人間?
なんだか、とっても不思議な絵だリン...

呉研究員:顔輝という中国・元時代の画家が描いた仙人の図だよ。
大きなヒキガエルを肩に載せたり、鉄の杖を持って小さな分身を出したりする不思議な仙人たちは奇々怪々だけど、愛嬌のある表情をしているんだ。
元時代、抜群のうまさを誇った人物画家の唯一の真筆で、日本でも室町時代以降、多くの画家が摸写しているよ。
ぼくは中国絵画の担当だけど、この絵を間近で見ることができるのは学芸員冥利に尽きるよね。

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トラりん:担当者の呉研究員も唸らせる作品!!!
ぜひ、みんなにも展示室で見てほしいね♪


呉研究員:続いて「水月図(すいげつず) 円山応挙(まるやまおうきょ)筆 三宅嘯山賛 京都・知恩寺所蔵」

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トラりん:円山応挙さんだリン♪

呉研究員:熱い夏にほっとする、涼しげな一幅だね。
水面に映るいくつもの月影が波間に揺らめいているよ。
掛け軸の裏には墨書きがあり、下賀茂神社の糺の森で納涼の折に見た情景を描いたそうだよ。
知恩寺は賀茂社とゆかりがあることから知恩寺に本図が伝わっているのだろうね。


トラりん:京博の展示室で、文化財を通して季節を感じられることは、とっても素敵なことだリン☆


呉研究員:最後は、「知恩寺歴代略伝(ちおんじれきだいりゃくでん) 京都・知恩寺所蔵」

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トラりん;まず、「知恩寺歴代略伝」という名前に重みがあるリン...!

呉研究員:こちらは、お寺に伝わる宝物を記録した台帳だよ。
小さな和綴じの「ノート」だけど、流麗な筆致で宝物にまつわるさまざまなことが書きこまれているんだ。
数百年にわたって宝物を守り伝えてきた、歴代の宝物担当のお坊さんの思いが伝わってくるね。

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トラりん:一点一点どの作品も本当に素晴らしいし、これだけ大規模な特集展示だから見応えがあるリン!

呉研究員:京博が長年にわたって文化財を調査させていただいた知恩寺の宝物は全部で400点以上。
今回はとても全部展示できないから、そのなかから研究員みんなで厳選して37件を展示したよ。
平成知新館2階の5つの展示室すべてを使った、ゆったりとした展示で、縦数メートルもあるような大きな仏画から細やかな技巧がみえる工芸品まで、浄土教美術の奥深さを感じとってもらえたらうれしいな。

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特集展示「百萬遍知恩寺の名宝 」
■会期:2018(平成30)年8月7日(火) ~ 9月9日(日)
■会場:京都国立博物館 平成知新館2F-1~5
■交通:JR、近鉄、京阪電車、阪急電車、市バス
■休館日:月曜日

■開館時間:
火~木・日曜日:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
金・土曜日:午前9時30分~午後9時(入館は午後8時30分まで)

■観覧料:
<8月7日(火) ~ 9月2日(日)>
一般 520円(410円)
大学生 260円(210円)
<9月4日(火) ~ 9月9日(日):部分開館*>
一般 260円(210円)
大学生 130円(110円)
*部分開館:2F、1F-1彫刻展示室のみご覧いただけます。3F、1F2~6は閉室します。

※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料です(年齢のわかるものをご提示ください)。
※( )内は20名以上の団体料金。
※大学生の方は学生証をご提示ください。
※障害者手帳等(*)をご提示の方とその介護者1名は、観覧料が無料になります。
(*) 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳
※キャンパスメンバーズは、学生証または教職員証をご提示いただくと無料になります。

■関連土曜講座
○8月25日(土)午後1時30分~午後3時
「百萬遍知恩寺の歴史」
福原 隆善 氏(浄土宗大本山百萬遍知恩寺 法主)
○9月8日(土)午後1時30分~午後3時
「京都の社寺と博物館:京都国立博物館による百萬遍知恩寺什物調査について」
呉 孟晋(京都国立博物館 主任研究員)

詳細はこちら

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torarin ※呉研究員は、大きい動物が怖いそうです。

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