こんにちリン!
トラりんだリン!
みんなー!
今年も、毎年恒例の展示がはじまったよー♪
特集展示「雛まつりと人形」☆
みんなも待っていてくれたでしょっ♪
ボクも、とっても楽しみにしていたリン!
毎年「虎ブログ」でも紹介している「雛まつりと人形」だけど、第1回目の開催は大正15年(1926年)なんだって!
なんと、93年前!!
とっても歴史のある展示だリン☆
山川研究員:トラりん、今年もはじまったね。
毎年楽しみにしてもらえて、とってもうれしいよ。
トラりん:山川研究員♪
今年の特集展示「雛まつりと人形」もよろしくリン♪
こんなに長く続いているって、すごいよね!
楽しみにしているおともだちが、たくさんいるリン!
今回はどんな人形を見られるのかなぁ☆(わくわく♪)
山川研究員:今年は「御殿飾りのお雛さま」を中心に紹介するね。
去年は展示室の都合で飾れなかったから・・・
江戸時代には、京都の大きな商家にお嬢さんが産まれると、初節供に合わせて御殿飾りのお雛さまを用意したんだよ。
トラりん:その風習が、ちょっと前までは続いていたんだね☆
ボクは「おとこのこ」だけど、毎年こうして展示室で見られるからうれしいリン♪
2019年の「雛まつりと人形」、いってみよーう!
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山川研究員:まずは、「御殿飾り雛(ごてんかざりびな)(横山経治氏寄贈・京都国立博物館所蔵)」だよ。
トラりん:強パンチだリン!!
迫力があるねー!!!
山川研究員:立派な御殿が素敵でしょ!
御簾(みす)の奥に、お内裏さまとお雛さまが座っているよね。
トラりん:え、ここからここまででひとつの作品?
立っ派っっ!!!!!
人形だけじゃなく、いろんなパーツが合わさって、ひとつの作品を完成させていることを感じるリン!
でもこれって、展示の仕方によって見え方が変わるんだろうね。
山川研究員、すごいリン!
なんだか、物語の1コマを見ているようだよ♪
山川研究員:物語の1コマ!
トラりん、うまいこと言うなぁ。
トラりん:こんなに素晴らしい雛人形は、絶対に見たいリン!
それに、人形たちもたくさんのひとに見てもらえたほうが、きっとうれしいはずだリン♪
山川研究員:いま広く知られている飾り方は段飾りだよね。
七段、五段、三段と段の数はいろいろあるけど、一番上に金屏風を背にしたお内裏さまとお雛さま、二段目に三人官女、その下に五人囃子があって、さらに下には、右大臣左大臣、仕丁、雛道具・・・とたくさん飾るのが一般的だよね。
この豪華な「段飾り」は、江戸時代の終わり、華やかな武家の雛飾りにならって、江戸(現在の東京)で完成したと言われているよ。
トラりん:段飾りは知っているリン♪
おかし売り場の雛あられの横に、小さい飾りが置かれていたりするよね☆
山川研究員:雛あられ!
さすがトラりん! (食いしん坊)
行事のお菓子もちゃんとチェックしてるね。
江戸では、町人の女子が武家の奥向きに奉公することがあってね、雛の節供には、町人の女子の近親者も屋敷の雛飾りを拝見することが許されたんだって。
大名家では、雛人形と一緒に、姫君の婚礼道具と文様も製作技法もまったく同じで、婚礼道具のミニチュアともいえる豪華な雛道具がたくさん飾られていたの。
それが江戸の町人に影響を与え、「段飾り」が完成したと考えられているんだ。
トラりん:これまで見た雛人形の中にも、製作された時代や地域によって感じが違う作品があったもんね。
むかしの京都は、段飾りじゃなかったの?
山川研究員:上方(現在の関西地方)では「御殿飾り」、つまり、内裏雛が住まう御殿を最上段に置くのが一般的だったよ。
雛段は二段程度、豪華な雛道具は少なく、江戸ではまず見られないおくどさん(台所)や調理道具が加えられたんだ。
残念ながら、現代ではこの飾り方はほとんど見られなくなってしまったね。
トラりん:ごはん...たいへん興味深いリン!!
豪華な雛飾りとはイメージが違うけど、どんな意味があるんだろう...
山川研究員:江戸時代の終わりに上方に生まれ、後に江戸で暮らした喜田川守貞の『守貞漫稿(もりさだまんこう)』っていう随筆によると、上方の雛飾りは江戸よりも質素で洗練されていないように見えるけれど、これは女子に家事を習わせるためだ、と記されているよ。
こんなところにも、実質的と言われる上方の教育方針が見え隠れするようだね。
トラりん:うーん...うーん...
山川研究員:トラりん、どうしたの?
お腹が空いたの?
トラりん:いや、どんだけ食いしん坊のイメージだリン。
去年の「虎ブログ」で山川研究員が、「かくしテーマ」があるっていうお話をしてくれたから、今年の「かくしテーマ」はなんだろうって、考えているリン!
なにかなぁ...
ビーフかなぁ...フィッシュかなぁ...
山川研究員:やっぱり、お腹空いてるよね?
ズバリ!
今年は「かくしテーマ」はありません!
ひと目で分かるテーマをご用意しました!
それが「からくり人形」。
トラりん:からくり人形?
山川研究員:人形に動く仕掛けを組み込んだ人形のことだよ。
からくり人形は江戸時代のハイテクノロジーの結晶で、動力には、水銀、砂、ゼンマイなどが用いられているんだ。
寛政八年(1796年)には、内部の構造を詳述した「機巧図彙(からくりずい)」という本も出版されているよ。
トラりん:見たいリン!見たいリン!
からくり人形、どこどこー?!
山川研究員:こちらです!
トラりん:わー!
ぜんぶ、からくり人形?
山川研究員:そうだよ。
たくさんあるから、「虎ブログ」では、その一部を紹介するね。
「からくり人形 大黒春駒(だいこくはるこま)入江波光コレクション(京都国立博物館所蔵)」から見てみよう。
トラりん:春駒ってなに?
山川研究員:張り子なんかで作った馬の頭を竹の棒につけて、それにまたがって遊ぶおもちゃを春駒というよ。
この春駒を手に歌い踊る芸能は、獅子舞と同じように正月の門付け芸だったんだ。
トラりん:本当だ☆
かわいいお馬さんの顔を見つけたリン♪
でも、どんな仕掛けが隠されているの?
山川研究員:右側に手回しハンドルみたいな部品があるでしょ。
これをぐるぐる回すと中に仕組まれたゼンマイとつながっている人形が動く仕掛けになっているよ。
人形の手や足が動いて、楽器を弾いたり、踊ったりするの。
トラりん:見ているだけでも可愛いけど、動いている姿も見てみたいリン☆
山川研究員:そうだよね、ゼンマイを巻くことができればいいんだけれど...
鯨のひげを渦巻状に巻いたゼンマイだから、長い年月で固くなってしまっていて。
回すと壊れてしまうかもしれないから、動かしてみるのは難しいなぁ。
トラりん:そうなんだね...
残念だけど、動きを想像したり、むかしのひとたちがどのように楽しんだかを考えるのも風情があるリン♪
あっ!
こっちにはかわいい鳥りんがいるし、あっちには、ちいさいねずみりんもいるよ☆
京博の展示室が、可愛い動物で賑やか...あーーっ!!!
山川研究いーーん!!!
山川研究ぅぅううぃいいいいいーーーーーん!!!!!
山川研究員:どうしたの、トラりん!
急に慌てて。
トラりん:て、て、て、展示ケースの中に蜘蛛りんがいるリン!!
大変だ!!
文化財を守らなくちゃぁぁあああ!!!
山川研究員:なぁんだ。大丈夫だよ!
この作品は、「からくり人形 土蜘蛛(つちぐも)入江波光コレクション(京都国立博物館所蔵)」。
トラりん:えっ?
山川研究員:源頼光が土蜘蛛を退治する、能曲「土蜘蛛」を主題にしたからくりだよ。
右側の手回しハンドルを回すとゼンマイが巻かれて、松にかかった糸をつたって蜘蛛が上下する仕掛けなんだ。
トラりん:蜘蛛りんも、からくり人形の一部だったのかぁ!
安心したリン...ほっ=3
からくり人形って、いろいろな種類の仕掛けがあるんだね☆
とっても可愛い人形におもしろい仕掛けが隠されているから、あとは京博の展示室で見てほしいリン♪
山川研究員:さすが、カリスマPR大使。
自分の目で見ると、いろいろな発見があるよね。
今年は、ふたつ並んだ御殿飾り雛に注目です!
いずれも京都の旧家に伝来した作品で、天保十四年、十五年と、一年違いの製作。
ふたつを並べて展示するのは初めてだから、見比べてみてほしいなぁ。
江戸時代の上方の雛まつりにタイムスリップできるかも。
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特集展示「雛まつりと人形」のリーフレットは、こちらからも見ることができるリン♪
展示とあわせて、チェックしてね☆
特集展示「雛まつりと人形」リーフレット(PDF版)
特集展示 雛まつりと人形
■会期:2019年2月13日(水)~ 3月17日(日)
■会場:京都国立博物館 平成知新館1F-2
■交通:JR、近鉄、京阪電車、阪急電車、市バス
■休館日:
月曜日
※ただし、月曜日が祝日・休日となる場合は開館し、翌火曜日を休館とします。
■開館時間:
火~木・日曜日:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
金・土曜日:午前9時30分~午後8時(入館は午後7時30分まで)
■観覧料:
一般 520円(410円)
大学生 260円(210円)
高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料です(年齢のわかるものをご提示ください)。
※( )内は20名以上の団体料金。
※大学生の方は学生証をご提示ください。
※障害者手帳等(*)をご提示の方とその介護者1名は、観覧料が無料になります。
(*) 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳
※キャンパスメンバーズは、学生証または教職員証をご提示いただくと無料になります。
■関連土曜講座:
3月2日(土)午後1時30分~午後3時
「雛御殿―雛人形の暮らす館―」
詳細はこちら
過去の虎ブログはこちら☆
2018年 特集展示「雛まつりと人形」を見に行くリン♪
2017年 特集陳列「雛まつりと人形」を見に行くリン♪
2016年 もうすぐ春だリン!?