こんにちリン!
トラりんだリン!
そして...東京国立博物館の公式キャラクター、トーハクくんだリン!
(トーハクくん)
ほほーい!
(トラりん)
きょうはトーハクくんに、東京国立博物館にある法隆寺宝物館を案内してもらえることになったよ!
トラりん、いっしょに法隆寺宝物館に遊びに行くほ!
それにしても、法隆寺宝物館の建物、とっても懐かしいリン☆なんでかな?
この建物はトラりんのおうち、京都国立博物館の平成知新館と同じ建築家、谷口吉生氏の設計なんだほ。
そうなんだ!どうりで、東京にいるのにおうちに帰ったような、あっとほーむな気持ちになったリン☆法隆寺宝物館は、どんな展示をする建物なの?
詳しいお話は、文化財活用センターの高木専門職(※所属は2022年度当時のもの)に教えてもらえるほ!
(高木専門職)
はじめまして、「デジタル法隆寺宝物館」へようこそ!トラりん。トーハクくんは、久しぶりだね。
高木専門職、よろしくリン♪
お久しぶりだほ!
ここ、法隆寺宝物館は、法隆寺献納宝物という、奈良の法隆寺に伝わって、のちに皇室に献納された宝物を所蔵しているよ。トラりんは法隆寺に行ったことがあるかな?
ないかも...トーハクくん、行ったことある?
まだないほ。
法隆寺がどんなお寺か、ぶんかつのYoutubeで紹介しているよ。ぜひ見てね。
ぶんかつ【文化財活用センター】Youtube
【デジタル法隆寺宝物館】法隆寺―よみがえる古代の至宝1
https://www.youtube.com/watch?v=St6NEB-qa-M
ありがとリン!トラフォンで見てみよーっと!奈良の法隆寺の宝物がトーハクで見られるなんて、不思議な感じがするリン☆
法隆寺献納宝物は、戦後に東京国立博物館の所蔵になったんだ。この体験型展示スペース「デジタル法隆寺宝物館」では、複製やデジタルコンテンツで法隆寺ゆかりの文化財を詳しく紹介しているよ。
現在は、国宝「聖徳太子絵伝(しょうとくたいしえでん)」という大きな絵画の複製とデジタルコンテンツが展示されているよ。こちらが展示室で配布しているパンフレット。はい、トラりん、どうぞ。
ありがとリン!デジタルなのに、ボク3Dめがねを忘れたリン...
あはは、大丈夫!3Dめがねは使わないよ。ではさっそく、体験型展示スペースに入ってみよう!
大きな絵が並んでいるリン...!
この部屋には、3面で見る人を取り囲むように、全部で10面の絵があるね。これらは本物そっくりに作った原寸大の複製グラフィックだよ。本物の「聖徳太子絵伝」は国宝なので、触れる状態では展示できなかったり、絵が傷まないようにもっと暗くして展示しないといけなかったりするから、細かいところまでは見えづらいかも。ここでは思う存分、じっくり見ていただけるよう、複製グラフィックをケース無しで自然光のもとで展示しているんだよ。
とっても大きいね!ところで、聖徳太子さんっていつの時代のひと?
聖徳太子は飛鳥時代に活躍した王子様だよ。この絵伝は聖徳太子が生きた時代よりもっとずっとあとの、平安時代に描かれたもの。神格化された聖徳太子の、一生涯にまつわる不思議なエピソードが50以上も描かれているよ。
おもしろそうだほ!
どんな不思議なお話なのかな?
有名な部分を見ていこう。トラりん、トーハクくん、ここに何が描かれているか見えるかな?
うーん、男の子かな?よく見えないリン...
そうそう、この空を飛んでいる男の子が、聖徳太子だよ。確かにトラりんの言う通り、よく見えないよね。トラりん、トーハクくん、この絵をよく覚えておいてね。ここでいよいよ魔法のツールの登場だよ!
デジタルコンテンツだほ!
そう!これは、今見てもらった絵画の高精細画像を、大きな8Kモニターでじっくりはっきり見られるデジタルコンテンツなんだ。
8Kってどれくらい?
最近のテレビは2Kか4Kだほ。
ふつうのテレビよりすごいリン!!
さっきの複製グラフィックで見た場面を、今度はデジタルコンテンツで見てみよう。さっき、聖徳太子が飛んでいるところが見えたよね。この場面をもう少し拡大してみよう。
あ!聖徳太子がにっこりしているリン!
その通り!聖徳太子が微笑みながら宙に浮かんでいるのが分かるね!こうやって拡大すると、細かな顔の表情まで、見ることができるんだよ。この不思議な場面はどういうシーンなのか、解説を見てみようか。トラりん、タッチできる?
たっち☆
あ!文字が出てきたリン!!
「解説をみる」をタッチすると横に解説が出てきたね。この場面、「聖徳太子は雲のように空中に浮かび、稲光のように駆け巡ることもできた」とあるよ。
空が飛べるなんて、昔の人はすごいリン!
さすが聖徳太子だほ。
それじゃあ、おすすめのシーンも見てもらおうかな。あるとき、聖徳太子のもとにお届け物がありました。この部屋の中にいる人が聖徳太子だよ。何を持ってきたんだろう。ちょっと大きくして見てみよう。
トラりん、ここにヒントが書いてあるほ...(ヒソヒソ)
トラりん、なんだか分かる?
\ドヤッ/
トラりんすごい!そう、人魚。人魚が聖徳太子に届けられて、聖徳太子は、これは不吉なものだ、と言ったそうだよ。かなしいね!
ピチピチ🐟
最後にトラりんに見てもらいたいシーンがあるよ。建物があって、楽器を奏でている人が何人もいるね。太鼓を叩いている人、琵琶を弾いている人...
踊っている人もいるリン!
楽しそうだほ!
これは飛鳥時代に日本に伝わった「伎楽(ぎがく)」っていう芸能を練習しているところだよ。ただ、伎楽は平安時代末にはもうやらなくなったみたいで、実際どんな芸能だったのかは、よく分かっていないんだ。じゃあこれから、その伎楽で使うお面や衣装を現代の技術で再現したコーナーに行ってみよう!
あっ!お面だ!
このお面は、法隆寺献納宝物の中にあったものを今の技術で復元したものだよ。これは「呉女(ごじょ)」っていう女の人の役柄の人が被るお面。伎楽は、こうしたお面をつけて、きれいな服を着て、音楽に合わせて踊る芸能だったらしい、ということが法隆寺献納宝物から分かるよ。
こっちの服が衣装だほ?
トーハクくん、その通り!「呉女」役の人が身に着けていたんじゃないかな?と思われる衣装がこちら。これも現存しているものは色が褪せてボロボロの状態だったんだけど、今の技術で色々試行錯誤しながら、染めて縫ったもの。すごくきれいでしょ?
とってもキレイ!でも、もう見えなくなってしまった色が、なんでわかるの?
トラりん、鋭い!現存しているものを修理するときによーく調べて、重なっていた部分であまり色あせていない部分から元の色を考えたり、飛鳥時代の染織で使われていた染料っていうのは限られてくるから、それらの染料をかけあわせて染めてみて現存に近い色を追求していった、という感じかな。こうした色の再現や染織方法について、この復元を監修した三田研究員(※奈良国立博物館所属)が、ぶんかつブログでわかりやすく教えてくれているよ。
ぶんかつブログ「幻の法隆寺伎楽装束を復元!!(後編)」
https://cpcp.nich.go.jp/modules/rblog/1/2023/02/21/blog126/
すごいリン!謎解きみたいだね!
トラりん探偵の出番も近いかもしれないほ。
こうやって宝物を現代によみがえらせることで、つくられた当初はこういう形だったんだよ、こんなに色鮮やかな伎楽の世界があったんだよっていうことが、たくさんのおともだちに伝わると嬉しいな。
高木専門職、たくさん教えてくれてありがとリン!さいごに、おともだちに伝えたいことはある?
法隆寺献納宝物をはじめ、さまざまな文化財の魅力をお伝えするために、本当はいつでも本物を皆さんに見てもらいたいのですが、そういうわけにもいかないから、文化財活用センターでは文化財のあたらしい鑑賞体験ができるデジタルコンテンツや複製を開発しています。今年1月には国宝「聖徳太子絵伝」や伎楽面・伎楽装束を、明るいところで、当初の色や形を具体的に想像できるような形で、もっとよく見てもらおう!と、東京国立博物館に「デジタル法隆寺宝物館」を開室しました。
今年の夏に展示替をして、8月1日から「法隆寺金堂壁画(ほうりゅうじこんどうへきが)」をテーマにご覧いただく予定です。
というわけでトラりん、また展示替した後にも来てね!
うん、また遊びに来たいリン!おともだちも、「デジタル法隆寺宝物館」に遊びにきてね♪
法隆寺宝物館で待っているリン!!!
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デジタル法隆寺宝物館
https://cpcp.nich.go.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=dtl&id=34
会場:東京国立博物館 法隆寺宝物館 中2階
会期:2023年1月31日(火)~ 2024年1月28日(日)開室、以降通年展示
開館時間:9:30~17:00 ※入館は16:30まで
※このデジタルコンテンツは閉館時刻の15分前(16:45)に終了します。
休館日:月曜日 ※月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館
観覧料:総合文化展観覧料(一般1,000円、大学生500円)もしくは開催中の特別展観覧料(観覧当日に限る)でご覧いただけます
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デジタルトラりん?