こんにちリン!
トラりんだリン!
ついに!親鸞聖人生誕850年特別展「親鸞--生涯と名宝」がはじまったリン!
桜を背景にした親鸞さんのパネルは、とっても華やかでウキウキするリン♪ 今回はどんな展示なのかな? 教えてくれるのはこの人!
上杉研究員!(ばばん)
(上杉研究員)
こんにちは、トラりん!
(トラりん)
きょうはスーツがきまっているね☆ 親鸞展開催、おめでとうだリン!
トラりんも出張、お疲れさま!国立博物館をめぐって東に西に大移動だったね。トラりんのSNSを見て、「トラりんががんばっているから、僕もがんばろう!」と励みにしていたよ。
全国のおともだちに会えて、とってもたのしい春旅だったよ!いつもボクのことを見ていてくれて嬉しいリン♪上杉研究員が親鸞展に向けていっしょうけんめい準備していた姿、ボクも見ていたよ☆ 待ちに待った特別展、早く展示室に見に行こう!
トラりん、ちょっと待って。羽田研究員もきょうここで待ち合わせしているんだ。
え?ほんと?羽田研究員、いないね。
あ!いた!トラりん、反対側!
捕獲!
(羽田研究員)
捕まってしまった...
(なんで隠れていたのかな...トラりんに見つけてほしかったのかな)
羽田研究員と上杉研究員は、書跡の担当で今回の親鸞展で大活躍だった2人だリン!
それじゃ、改めて3人で、展示室にれっつごー!
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まず最初に紹介するのは、「親鸞聖人坐像(しんらんしょうにんざぞう)」だよ。
チラシの親鸞さんとはお姿が違うね。
よく気付いたね、トラりん。親鸞さんの坐像にはこのように合掌しているものと、両手で念珠を持つものがあるんだ。図録を見てみよう。
右側(図録 P.126):重要文化財 善信聖人親鸞伝絵(高田本) 巻第五 三重・専修寺所蔵
カクカクしたおうちだリン!中にいるのは、どっちも親鸞さん?
そうだよ。これはどちらも親鸞さんの曾孫の覚如さんが作った親鸞さんの生涯を描いた伝記絵巻「親鸞伝絵(しんらんでんね)」の最後の場面なんだ。親鸞さんが往生して10年後、残されたお弟子さんたちが親鸞さんを慕って、六角形のお堂、大谷廟堂を今の知恩院の辺りに建てて、そこに親鸞さんのお像を納めて、みんなで集まって念仏してたんだよ。
親鸞さん、亡くなってからも大人気だったんだね!でも、上杉研究員が開いているページではおててを合わせていて、ボクが開いているページではじゅずを持っているリン!
合掌している高田本は永仁3年(1295年)に、念珠を持つ康永本は康永2年(1343年)に作られたよ。その間にお像が変わったと考えられているんだ。この合掌しているお像は、最初に安置されたお像にならって造られたと考えられているよ。
おててを合わせている方が、古い時代のお姿をあらわしているってこと?
そういうこと!ここの展示は、六角形のお堂の中に合掌する親鸞さんの坐像を安置して、周りにお弟子さんの坐像を列べて、今はない大谷廟堂の場面を偲んでいるんだ。
それで親鸞さんの周りがカクカクで囲まれているのか☆あ!だからチラシの親鸞さんも、六角形に入っているの?
さすがトラりん、鋭いね!
親鸞さんって、いったいどんな人なのかなあ?
親鸞さんは9歳で出家して、20年間、比叡山で修行されたんだ。それから、京都の六角堂に100日間こもろうとするんだけど、95日目に観音さまの夢のお告げを受けて、法然さんのお弟子になるんだ。そこで「南無阿弥陀仏」と称えることで誰もが阿弥陀さまの浄土へ往生できるという教えに遇うんだ。
でも、流罪になってしまうリン!
えっ!トラりん、よく知ってるね!!
チラシを見て予習したよ!(えっへん)
親鸞聖人生誕850年特別展「親鸞─生涯と名宝」を予習するリン!
そう、親鸞さんは越後(新潟)に流罪になったけど、罪を許されたよ。そのあとも、越後、関東といろんなところで教えを広めた親鸞さんは、自分の考えをまとめた本を著したんだ。
それがチラシに書いてある、『けん...』、『けんじょ...』、、、
うん。『顕浄土真実教行証文類(けんじょうどしんじつきょうぎょうしょうもんるい)』、『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』と言われるよ。見に行こっか。
漢字ばっかりだリン!何が書いてあるの?
どうしてお念仏を称えることでみんなが救われるのかを説明しているよ。親鸞さんの考えを代表する本とされているんだ。
親鸞さんの代表作ってこと?
『教行信証』が書かれた時=浄土真宗ができた時、とされているよ。
とっても大切な本だリン!いつ書かれたのかな?
「何年に書き終えました」とは書いてないから、はっきりしたことは分からないんだ。ただ、本文中に、お釈迦さまが亡くなってから何年目かを数える所で、「今、元仁元年だから......」と書いてあるから、元仁元年(1224年)、親鸞さん52歳の時とされているよ。トラりん、来年は何年かな?
えーっと、ことしが2023年で、3たす1は4だから...わかった!2024年だリン!
さすがトラりん!算数もできるんだね。
ボクは来年も1歳だけどね☆
じゃあ、『教行信証』が書かれた1224年から、来年で何年目でしょう。
え゛...
ごめん、トラりん!フリーズしないで。ちょっと複雑な計算だったかな。実は来年は『教行信証』が書かれて800年!つまり浄土真宗ができて800年なんだ。
ことしは親鸞さんが生まれて850年!来年は浄土真宗ができて800年!すごいリン!!
(トラりんのフリーズがおさまってよかった...)
ちなみに、今、みている東本願寺所蔵の国宝「坂東本」は、親鸞さんの自筆だよ。
親鸞さんが自分で書いた本...とっても大切なものだリン☆でも、なんだかごちゃごちゃしているよ?
うん、そこが大事なんだ。この「坂東本」は筆跡から親鸞さんが60歳頃に書いたものと考えられているんだけど、ずっと手元において墨や朱で書き直しているんだ。書き直しの筆跡は80歳代と考えられているよ。ごちゃごちゃしている所にこそ、教えを正しく伝えようと晩年まで考え抜かれた姿が見て取れるんだ。
作家さんの生原稿みたいだね!親鸞さんのがんばりが伝わってくるリン...(じーん)
この「坂東本」のほかにも、親鸞さんのお誕生日をみんなでお祝いしましょう、ということで、専修寺所蔵の重要文化財「高田本」、西本願寺所蔵の重要文化財「西本願寺本」という鎌倉時代にお弟子さんが書き写した『教行信証』もいっしょに展示しているよ。この3本が並んで展示されるのは史上初!必見だよ。
おともだちのみんな、聞いた?めったにない機会!ぜひその目で確かめるリン!
(影絵のようなボクたち☆)
ところで上杉研究員、親鸞さんが書いたものって、ほかにも残ってるの?
うん。結構残っているんだ。親鸞さんは、誰もが救われる教えをみんなに知ってほしいと、いっぱい本や手紙を書いているし、みんなもそれを大事にしてきたんだね。自筆だからこそ、分かること、伝わってくるものがある、といえばここはやっぱり......
よう、トラりん!やっと出番が来たようだな!
羽田研究員!
ハードボイルドな登場だリン!今までどこにいたの?
(実は、トラりんにキャッチアンドリリースされてからも、ずっと後ろにいたんだよね...)
冗談はさておき、まずトラりんに紹介したいのは、「親鸞聖人消息(しんらんしょうにんしょうそく)」の一つ、「覚信房宛御返事(かくしんぼうあてごへんじ)」だよ。
<1F-3 3月25日~4月9日展示>
消息って何だろう?
「覚信房宛御返事」、お返事ということは、これは親鸞さんが書いた...
あ!お手紙かな?
その通り!親鸞さんの考え方について、お弟子の覚信が親鸞さんに質問して、返ってきたお手紙なんだ。親鸞さんも私たちと同じ人間だなって思うのは、文頭の文字がだんだん左下に下がっていくところ。僕たちも手書きの文字ってだんだんずれていったりすることがあるよね。
親鸞さん、急いで書いたのかな?
それだけ伝えることに一生懸命だったのかもしれないね。もうひとつ気付いてほしいのは、ひらがなが多いこと。トラりんにも読めるかな?
うーん、『教行信証』とちがって、漢字よりひらがなが多いことは分かるリン!
難しい漢字を使うのではなく、ひらがなで誰にでもわかるように工夫して書いたのが親鸞さんのお手紙の特徴なんだ。弟子たちが教えに直接触れられるように、考えてくれていたんだね。また、親鸞さんは、多くの弟子に同じ質問をされても、それぞれに丁寧にお返事を書いていたらしい。お人柄がにじみでているよね。
いい人だリン...(じーん)
最後に紹介するのは、「国宝 三十六人家集(さんじゅうろくにんかしゅう) 遍昭集・朝忠集・元輔集(へんじょうしゅう・あさただしゅう・もとすけしゅう)」だよ。
わぁ!紙がキレイだリン!
これは36人もの歌人の和歌を、人物ごとにまとめた最古写本だよ。トラりんの言う通り、高級で珍しい紙をさまざまな技法で装飾していて、平安貴族が贅の限りを尽くしたことがわかるよ。
キラキラだリン✨
紙にキラキラを入れるには鉱物を使うんだけど、この作品は鉱物にまぜものをほとんどしていないんだ。たとえば、まぜものをした銀を使うと、時間が経つと変色して黒ずんでくるんだけど、まだキラキラしているってことは、純度の高い銀を使った証拠だよ。
なるほど!材料もすごいリン!
紙の装飾だけでなく、書の優美さも、見どころの一つだよ。
こんなキレイな紙に字を書こうと思ったら、きっと緊張するリン...(ガクブル)
書き損じがないのはすごいよね!きっと、字がうまい人が選りすぐられたんだろうね。紙も書も当時最高の「わざ」を結集して、さらに、趣向を凝らしたそれぞれの美が見事に調和しているこの作品は、まさに総合芸術と言えるよ。
羽田研究員、ありがとリン!平安時代の「キレイ」があつまった作品☆たくさんのおともだちが見に来てくれると嬉しいね!
あ、上杉研究員!(片手で登場☆)
トラりん、今回は図録も充実の内容だから、ぜひ手に取ってもらいたいな。
おっけー!図録、手に取ってみたリン☆
トラりん、ありがとう!
ずっしりしているリン!みんなの想いがつまっている...!
親鸞さんの想いと、今回の展示に協力してくれた、たくさんの人の想いがつまっているよ。
通販で購入も可能なので、遠方の方やお持ち帰りが大変な方は、ぜひオンラインショップもご利用くださいね。
図録・目録・関連書籍等
みんなが来てくれるのを待っているリン!
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\展覧会概要/
※本展はご予約不要でご覧いただけます。
■会期:
2023年3月25日(土)~5月21日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館
■休館日:
月曜日
■開館時間:
9:00~17:30(入館は17:00まで)
■観覧料:
一般 1,800円
大学生 1,200円
高校生 700円
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