開催概要
- 展覧会名
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親鸞聖人生誕850年特別展 親鸞─生涯と名宝
- 会期
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2023(令和5)年3月25日(土)~5月21日(日)
[主な展示替]
前期展示:2023年3月25日(土)~4月23日(日)
後期展示:2023年4月25日(火)~5月21日(日)
※会期中、一部の作品は上記以外にも展示替を行います。
- 会場
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京都国立博物館 平成知新館
- 交通
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JR、近鉄、京阪電車、阪急電車、市バス
交通アクセス
- 休館日
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月曜日
- 開館時間
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9:00~17:30(入館は17:00まで)
- 観覧料
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一般 1,800円(1,600円) 大学生 1,200円(1,000円) 高校生 700円(500円) - ( )内は前売料金です(2023年1月25日~3月24日までの期間限定販売)。
- 前売券については、展覧会公式サイトにてお知らせいたします。
- 大学生・高校生の方は学生証をご提示ください。
- 中学生以下は無料です。
- 障害者手帳等(*)をご提示の方とその介護者1名は、観覧料が無料になります。
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳、特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証 - キャンパスメンバーズ(含教職員)は、学生証または教職員証をご提示いただくと、各種当日料金より500円引き(一般1,300円、大学生700円、高校生200円)となります。
龍谷ミュージアム 特別展「真宗と聖徳太子」との相互割引
以下展覧会について、観覧料の相互割引を実施いたします。
- 対象となる展覧会
- 当館 特別展「親鸞─生涯と名宝」
(2023年3月25日~5月21日)
龍谷ミュージアム 特別展「真宗と聖徳太子」
(2023年4月1日~5月28日) - 割引内容
- 当日券100円割引
- 利用方法
- 対象となる展覧会の当日券を購入する際に、もう一方の展覧会観覧券(半券可)を提示
※他の割引との併用はできません。
※1枚につき1名のみ1回限り有効です。
- 記念講演会
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3月25日(土) 「親鸞聖人の生涯」
講師:草野 顕之 氏(大谷大学 名誉教授)
※申込期間:1月25日(水)10:00~ 受付終了4月1日(土) 「親鸞聖人伝絵の世界―覚如の絵巻制作」
講師:井並 林太郎(京都国立博物館 主任研究員)
※申込期間:1月25日(水)10:00~ 受付終了4月8日(土) 「『文字』と『絵』から読み解く親鸞世界」
講師:安藤 章仁 氏(早稲田大学日本宗教文化研究所 招聘研究員)
※申込期間:1月25日(水)10:00~ 開催中止4月15日(土) 「『坂東本・教行信証』と親鸞聖人」
講師:三木 彰円 氏(大谷大学 教授)
※申込期間:1月25日(水)10:00~ 受付終了4月22日(土) 「親鸞聖人のご法物から立教開宗を聞思する」
講師:赤松 徹眞 氏(本願寺史料研究所長、龍谷大学 名誉教授)
※申込期間:2月24日(金)10:00~ 受付終了5月6日(土) 「親鸞 生涯と名宝」
講師:上杉 智英(京都国立博物館 研究員)
※申込期間:2月24日(金)10:00~ 受付終了5月13日(土) 「親鸞の手紙」
講師:羽田 聡(京都国立博物館 保存修理指導室長兼美術室長)
※申込期間:2月24日(金)10:00~ 受付終了- 【時間】
- 13:30~15:00
- 【会場】
- 平成知新館 講堂
- 【定員】
- 各200名(予定)
※先着順。定員になり次第申込みを締め切ります。
※新型コロナウイルス感染症の状況によっては、定員を変更する場合があります。 - 【料金】
- 聴講無料(ただし、講演会当日の本展覧会観覧券が必要)
- 【申込方法】
- 申込
展覧会公式サイトよりお申し込みください。
参加証の送付
開催日の2週間前までにお送りします。
ご注意
- 聴講の際は当日の観覧券が必要です。開始時間前までにご入館いただき、講堂入口にて参加証をご提示ください。
- お預かりした個人情報は本展記念講演会の事務のみに使用します。
- キャンパスメンバーズ講演会
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京都国立博物館キャンパスメンバーズ会員校の学生及び教職員を対象に、本展示の見どころなどを解説する講演会を開催します。
【日時】 2023年4月14日(金)15:00~16:00(14:30開場)
参加方法など詳細は、
特別展「親鸞─生涯と名宝」キャンパスメンバーズ講演会
- 音声ガイド
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- 【貸出料金】
- 1台650円(税込)
- 【収録時間】
- 約40分
- 【言語】
- 日本語・英語
- 【貸出受付時間】
- 9:00~17:00(返却は17:30まで)
- 展覧会図録
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詳細は図録・目録・関連書籍等
- 主催
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京都国立博物館、朝日新聞社、NHK京都放送局、NHKエンタープライズ近畿
- 特別協力
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真宗教団連合
- 協賛
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DNP大日本印刷、京都女子大学
- 展覧会公式サイト
- ※公式サイトは終了しました。
- 展覧会公式Twitter
- ※公式Twitterは終了しました。
展覧会の見どころ
浄土真宗を開いた親鸞聖人は、承安3年(1173)に京都で生まれました。9歳で出家して比叡山で修行に励みますが、29歳で山を下り、法然上人の弟子となります。そこですべての人が平等に救われるという阿弥陀仏の本願念仏の教えに出遇うも、法然教団は弾圧を受け、親鸞も還俗させられ、罪人として越後に流されます。その後、罪が赦されると、関東へ赴き長く布教に励み、やがて京都へと戻り、晩年まで主著『顕浄土真実教行証文類』(『教行信証』)や「和讃」など多くの著作を執筆し、推敲を重ねました。90年に及ぶ生涯を研鑽と伝道にあてた真摯な姿とその教えは、今も多くの人を魅了して止みません。
本展は、親鸞の生誕850年という節目の年にあたり、生誕の地であり、臨終の地でもある京都において、浄土真宗各派の寺院に御賛助いただき、ご所蔵の法宝物を一堂に会し、その求道と伝道の生涯をたどるものです。自筆の名号・著作・手紙をはじめ、彫像・影像・絵巻などから、親鸞その人を感じていただければ幸いです。
国宝 親鸞聖人影像(安城御影副本)(賛・裏書)蓮如筆
京都・西本願寺
<3/25~4/2展示>
桜花図 桜花図/松・藤花図のうち 望月玉泉筆
京都・東本願寺 <通期展示
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第1章 親鸞を導くもの—七人の高僧—
釈迦の説いた仏教は「八万四千の法門」とも称される多様な教えです。その経典巻数は5000巻を超え、仏の数は「恒河沙」(ガンジス川の砂の数)とも言われます。その中で自身の信仰する教えと正統性を表明するには、古来、信仰する経典三部と血脈(釈迦より自身へと教えが伝来した系譜)の明示が求められました。
本章では、親鸞が拠り所とした阿弥陀仏とその救いを説く浄土三部経(無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経)、その教えを自身に伝えた先達として、親鸞が「ただこの高僧の説を信ずべし(唯可信斯高僧説)」と讃える、インド・中国・日本にわたる7人の高僧、龍樹・天親/曇鸞・道綽・善導/源信・源空(法然)を紹介し、親鸞の信仰した仏教の位置づけを明示します。
刺繡阿弥陀如来像
福井・誠照寺 <前期:3/25~4/23展示>
国宝 観無量寿経註 巻首 親鸞筆 京都・西本願寺
<3/25~4/30展示(巻替あり)>
第2章 親鸞の生涯
親鸞は多くの著作を書き著し、その教えを今に伝えていますが、自身の生涯については多くを語っていません。しかし、その教えは人々を魅了し、没後も親鸞その人への思慕は止まず、後世さまざまな伝記が編輯されてきました。
本章では、親鸞没後33年にあたる永仁3年(1295)に、曾孫の覚如によって編纂された最初の親鸞伝である伝記絵巻「親鸞伝絵」と関連する法宝物により、誕生から9歳での出家得度、師である法然との邂逅、念仏弾圧と越後への流罪、京都における90歳での往生、墓所を改め仏閣とした大谷廟堂の成立までを追想します。
親鸞聖人坐像 三重・専修寺 <3/25~4/16展示>
重文 本願寺聖人伝絵(康永本) 巻下末(往生の場面)
(詞書)覚如筆 (絵)宗舜筆
京都・東本願寺 <5/2~21展示>
第3章 親鸞と門弟
親鸞の言葉を門弟の唯円が書き留めたという『歎異抄』第六条には、親鸞が「弟子一人ももたずさふらう」と語っていたことが記されています。これは、親鸞が念仏させているのではなく、誰もが阿弥陀仏の呼びかけを受けて念仏しているのである、という親鸞の感得した境地を表す言葉ですが、親鸞のその思いとは裏腹に、実際には多くの人々が親鸞の教えに帰依しており、関東を中心として各地に展開した門弟たちは「門流」という集団を形成し、教えを広め継承していきました。
本章では、性信、顕智、了海といった現存する有力な門弟の坐像、法脈の相承を絵像を連ねて示す高僧連坐像や一流相承系図、門弟の名前や拠点を列記した交名により、親鸞の教えの広がりを可視化します。
重文 顕智坐像 栃木・専修寺 <通期展示>
第4章 親鸞と聖徳太子
親鸞は29歳の時に比叡山を下り、聖徳太子が創建したとされる六角堂へ参籠します。そして、95日目の明け方、夢に本尊の如意輪観音の同体であり、聖徳太子の本地とされる救世観音が現れ、お告げを受けたことが「親鸞伝絵」には描かれます。また、この夢告によって法然上人のもとへ入門したことが、親鸞の妻、恵信尼の手紙である恵信尼書状類には記されており、六角堂での夢告が親鸞の生涯において重要な契機であったことが知られます。
本章では、浄土真宗の寺院に伝わる聖徳太子の木像や絵像とともに、六角堂での夢告に関する法宝や、親鸞の撰述した聖徳太子を和語で讃える和讃を紹介し、親鸞の聖徳太子に対する信仰をうかがいます。
重文 聖徳太子立像(孝養像) 茨城・善重寺
(写真提供:神奈川県立金沢文庫) <通期展示>
第5章 親鸞のことば
親鸞は教えを人々に伝えるため執筆に励み、その活動は88歳にまで及びます。主著とされる『顕浄土真実教行証文類』(『教行信証』)の現存唯一の自筆本である「坂東本」には多数の加筆・修正がみられ、そこには晩年までの弛まぬ思索の跡がうかがえます。
筆跡にはその人の個性が表れ、文章には筆者の思想や人柄が否応なく表出します。本章では、親鸞の自筆、あるいは門弟が書写した著作や、関東の門弟に宛てた自筆の手紙、門弟によって書き留められた法語等を紹介し、そこから今も多くの人を魅了する親鸞その人に迫ります。
国宝 教行信証(坂東本) 親鸞筆
京都・東本願寺 <通期展示(冊替あり)>
第6章 浄土真宗の名宝—障壁画・古筆—
親鸞の教えは多くの人を魅了し、各地で門流が形成されました。それらはやがて組織・制度を整え、戦国期には教団として大きく発展を遂げていきます。そこには、親鸞の教えに直接関わる法物(宗教的文化財)の他にも、数多くの名宝(非宗教的文化財)が伝来しています。
本章ではその名宝の中でも、とりわけ堂宇を荘厳する障壁画、並びに宮廷文化の粋を極めた古筆に焦点を当て、京都に伝来する優品を紹介します。
国宝 三十六人家集 忠見集 京都・西本願寺
<通期展示(貼替・丁替あり)>
※忠見集は5/2~21展示
第7章 親鸞の伝えるもの—名号—
浄土真宗の本尊には、阿弥陀仏の姿を表した木像・絵像の他に、その名前を漢字で記した「名号」があり、十字名号「帰命尽十方無碍光如来」、九字名号「南無不可思議光如来」、八字名号「南無不可思議光仏」、六字名号「南無阿弥陀仏」が伝わっています。親鸞はこれらを単なる名前ではなく、阿弥陀仏が人々を救済するためのはたらきそのものであるとして、それを称える口称念仏を説きました。親鸞がインド・中国・日本の七人の高僧より受け継ぎ、90年の生涯を賭して多数の著述や手紙、法語を通じ人々に伝え広めようとしたのは、この名号に他なりません。
最終章では「親鸞の伝えるもの」として、親鸞みずから筆を執った名号を親鸞の肖像とともにご覧いただきます。
名号本尊(六字名号) 親鸞筆
京都・西本願寺 <5/2~14展示>