こんにちリン!
トラりんだリン!
きょうはなんと!特別展「東福寺」の予習のために、東福寺に遊びに来たよ!
(森研究員)
おーい、トラりーん!
(トラりん)
森研究員!
見て、この三門!すごいでしょー!特別公開の期間中(2023年11月11日~12月3日予定)だけは、のぼって拝観もできるんだ。中の壁画や仏像がすごいんだよ。
東福寺展の期間と重なる日があるんだね♪
東福寺の国宝三門特別公開については、東福寺ウェブサイト https://tofukuji.jp/を確認してね!
きょうは東福寺の見どころをめぐりながら、東福寺展の予習をしていこう!
ハァーイ!
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あ!東福寺展のポスターだ!
森研究員、ずっとニコニコしているね♪
聞いてよ!!!!もうこの展覧会、実現して本っ当にうれしくて!!東福寺、紅葉がすばらしいことはすごく有名だけど、実は知る人ぞ知る文化財の宝庫なんだ。境内の建物もすばらしいし、書画も工芸品も彫刻も本当の逸品ぞろい。歴史や美術史の学者はずっと全貌を知りたいと思っていて、今回お寺の全面的なご協力をいただいて、やっと真の姿が明かされるんだ。
研究者のみんなも知らなかった全てが明らかになるなんて、すごいリン!森研究員にとっても、待ちに待った特別展なんだね!
あ!トラりん、これを見て!
ん?かわらに字が彫ってあるリン!「東、福、寺」だって!
東、福、寺。なんだか福々しい名前でしょう。奈良の東大寺のように広大に、興福寺のように栄えるように、一字ずつとってつけられているんだ。お寺を開いたのは、中国(南宋)に留学して禅を学んだ円爾(えんに・聖一国師 1202~80)。日本でも中国でも大人物と認められて皆に慕われた人で、東福寺には円爾さんゆかりの宝物や歴史資料が今もたくさん伝わっていてね。鎌倉時代のダイナミックな国際交流を感じさせる、タイムカプセルのようなお寺なんだよ。
なんだかすごいところなんだね!ワクワクするリン!
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ここが有名な通天橋(つうてんきょう)だよ。通天橋は伽藍の中心エリアと、円爾さんの旧居跡(普門院)やお墓がまつられている開山堂(常楽庵)エリアを結ぶ橋廊下のこと。下には洗玉澗(せんぎょくかん)っていう細い谷川が流れていて、この谷の紅葉が特に素晴らしいんだ。
いまは緑のもみじりんがキレイだリン!
東福寺ではよく中心伽藍と開山堂をまわって大人数で儀式をするんだけど、渓谷を行き来する僧たちの労苦を思って、天授6年(1380)に架けられたんだ。室町時代の昔から、東福寺を代表する名所になっているよ。
通天橋のおかげで、移動も楽ちんだリン♪
木の回廊には、見晴らしの良い張り出しがあるよ。ここからのぞくと、下が谷になっているのがわかるね。
ほんとだ!
東福寺展では、通天橋をイメージしたフォトスポットもあるから、楽しみにしていてね。
こんな感じでお写真が撮れるのかな?待ちきれないリン!
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それでは、本堂に行ってみよう。
あ、あそこにいるのはだれかな?
(東福寺 法務執事 爾さん)
トラりん、森研究員、こんにちは!東福寺にようこそおいでくださいました。
法務執事の爾(その)さんだよ。
こんにちリン!トラりんだリン!
それではまず、東福寺展には展示できなかった本尊・釈迦如来様がおられる本堂へどうぞ。
本堂に入らせていただけるなんて、ありがたいね、トラりん。ご本尊にお参りさせていただこう。
お外とは、雰囲気ががらりと変わって、なんだかふしぎな気分になるリン...
広々して天井が高いでしょう。夏でも少しひんやりして、まるでヨーロッパの大教会みたいなスケールだね。この本堂は昭和の建築だけど、元々はここに南北朝時代に建てられた、同じくらい巨大な仏殿があったんだ。内部には「新大仏」なんて言われた巨大なお釈迦様の坐像とかが安置されていてね。惜しくも明治14年(1881)に燃えてしまって、お釈迦様の左手と蓮弁だけが残っているけど、今の建物でも十分スケールは体感できるなぁ。
そんなに大きな仏さまもいたなんて、見てみたかったリン!
「新大仏」のお釈迦様の左手と蓮弁は、今回の展示に登場するよ!とっても大きいから度肝を抜かれると思うよ。しかも写真撮影可能だから、トラりんも楽しみにしていてね。
すごいリン!おともだちのみんなに知らせるリン!
今のご本尊のお釈迦様と左右の阿難・迦葉、それに前に立っている四天王のお像は、東福寺の北側に昔あった巨大な塔頭、三聖寺さんから移されてきたものだよ。ご本山じゃない三聖寺さんがこんなに大きいお像をおまつりしてたんだから、昔の仏殿のお像はもっとすごかったのかな。そう考えると、東福寺ってすごいよねえ。
感激だリン...
トラりん、天井を見上げてみて。
わぁ!龍だ!
昭和の京都を代表する画家の一人、堂本印象(どうもといんしょう・1891~1975)の雲龍図だよ。これを描いた時のふとーい筆が残っててね、お寺の若いお坊さん総出で墨を磨ったんだって。大変...。ちなみに燃える前のお堂(法堂)にもやっぱり大きな雲龍の天井画があって、それは狩野永徳の弟子だった狩野山楽(かのうさんらく・1559~1635)の名品だったんだ。その前は、吉山明兆(きっさんみんちょう・1352~1431)という室町時代の東福寺のお坊さんの雲龍図。
ずっと雲龍図が描かれているんだー!
そう!ちなみに、明兆さんは東福寺展の主人公の一人だから、またたくさん紹介するよ!今はあまり知られていないけど、実はすごい画家なんだ。
東福寺展、とっても楽しみだリーン!初めて知ることが、ボクにもおともだちにも、いっぱいあるね!爾さんも、おともだちのみんなにメッセージをどうぞ!
東福寺展を楽しみにしてくださり、ありがとうございます。東福寺展では観ていただけない室町時代から残る三門、禅堂、東司、昭和の木造建築としては最大級の本堂、そして紅葉の季節には沢山の人で賑わう通天橋など、実際にお越しいただき東福寺を体感してみて下さい。
ありがとリン!東福寺にも、京博の東福寺展にも、みんなが遊びに来てくれると嬉しいリン!
待っているリーン!
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\展覧会概要/
■会期:
2023年10月7日(土)~12月3日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館
■休館日:
月曜日
※ただし10月9日(月・祝)は開館、翌10日(火)休館
■開館時間:
9:00~17:30(入館は17:00まで)
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ところで森研究員、朝はボクをお車で連れてきてくれる約束してなかった?
朝お部屋に迎えに行ったらトラりんがまだ寝てたから、おいてきたよ。
え。
あーハスがきれいだねぇ。
森研究員?
東福寺、京博から近いんだよね。京阪電車に乗れば15分ほど、車やタクシーなら10分ほどだし、徒歩でも25分くらいだから、秋になればお散歩がてら歩くのも楽しいかも。
今年の秋は、京博と東福寺へ!
(帰りは連れて帰ってくれたリン☆)