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2023年10月26日

特別展「東福寺」を見に行くリン♪ Part 1

通天橋からこんにちリン!
トラりんだリン!

トラりん、登場
ここは1Fエントランスホール、東福寺の通天橋をイメージした看板!きょうは森研究員と特別展「東福寺」を見る約束をしているよ☆橋の上で待ち合わせなんて、なんだかロマンチックだリン♪さっそく呼んでみるリン!
もりけんきゅういーん!

森研究員(森研究員)
はーい!
森研究員、登場
torarin(トラりん)
特別展開幕おめでとうリーン♪

森研究員
ありがとう、トラりん。東福寺展が熱すぎる!ってのは前回の虎ブログ、特別展「東福寺」を予習するリン!でがっつり語ったからね。きょうはさっそく、東福寺の素晴らしい作品たちをご紹介するよ!!!

torarin
やったー!この日を待っていたリーン!展示室へれっつごー♪





森研究員
特別展「東福寺」は、3Fから始まるよ。まず最初に紹介するのは「無準師範像(ぶじゅんしばんぞう)」だよ。


国宝 無準師範像 自賛 京都・東福寺所蔵 <3F-1 10月7日~11月5日展示>

torarin
最初に紹介してくれるってことは、すごい作品なの?

森研究員
そりゃあね。やっぱり東福寺さんっていったらこのお像だよ。
13世紀に東福寺を開いた円爾(えんに)さんが中国(南宋)に留学していた時のお師匠、無準師範(ぶじゅんしばん)の肖像画さ。当時の大陸で一番偉い禅僧で、皇帝一族の尊敬も一身に集めていた人だったんだ。

torarin
円爾さんのお師匠さん!大陸いちの禅僧なんて、すごい人だリン!

森研究員
上の文章は、無準の直筆なんだ。
「大宋国と日本国、天は垠(はて)無く地は極まり無し」

torarin
どういう意味?

森研究員
わたし無準のいる中国の宋国と、そなた円爾のいた日本、その間には果てしない天地が広がっている...ってことだね。無準さんはそんな遠くからやってきた若者に、どんな沢山のお経にも勝るかけがえのない禅の真実を伝えたんだ。そしてこの肖像画をみて、師匠を思い出しながら禅を日本で伝えるよう願ったんだろうね。東福寺の禅の歴史は、ここから始まるのさ。

torarin
お弟子の円爾さんへの熱い想いがつまっているんだね!(じーん)

森研究員
絵の出来もすばらしくて、肌の質感や陰影、毛の様子の細かさなんてまるで無準さんに出会っているようだよ。相当の宮廷画家が描いたんじゃないかとも言われているよ。

torarin
ほんとだリン!日本に帰って来た円爾さんは、この絵の生き生きしたお師匠さんの姿に、きっと何度も励まされたんだろうね!

森研究員
次は2Fに行ってみよう。トラりんにぜひ見せたい作品があるんだ!じゃじゃーん!

torarin
何これ?!


虎 一大字(とら いちだいじ) 虎関師錬(こかんしれん)筆 京都・霊源院所蔵 <2F-2 通期展示>

森研究員
虎。いいでしょ。
他の研究員には虎に見えないって言われたけど、トラりんにはどう見えるかな~。

torarin
えっと...

考えるトラりん

森研究員
あ!フリーズしちゃった!(笑)
これはね、虎関師錬(こかんしれん)っていう鎌倉時代末の東福寺で一番勉強家だったお坊さんが描いた?書いた?って言われてるんだ。虎関さんは『元亨釈書(げんこうしゃくしょ)』っていう、日本で初めての仏教史の本をまとめたことでも知られているよ。留学はしなかったけど中国のことにすごく詳しくて、中国風の流麗な書をたくさん書いててね。

torarin
じゃあ、これは「書」なの...?

森研究員
書だよ~たぶん。虎っていう漢字は象形文字だからね。
虎関さんは本物の虎をみたこと無かったとは思うけど。

torarin
虎の姿も想像しながら、絵みたいな書をかいたってこと?

森研究員
で、これはたぶん自分の名前の一字をもじって書いたのかなと思うわ。

torarin
あ、ほんとだ!お名前に「虎」が入っている!

森研究員
そうでしょ。ちょっと個性的すぎて、虎関さんの他のどんな文字とも比べられなくて...でもこんな面白いことしそうなのはきっと虎関さんかなぁ。虎になった虎関さん自身を表しているのかもしれないね。

torarin
なるほどねー。虎になったら、新しい世界が見えるってことだリン✨(きらーん)

森研究員
お、トラりんも禅問答みたいなことを言い出した!

\虎になって考えてみよう/
2人でトラポーズ

森研究員
続いては、東福寺のスケールの大きさが良くわかる作品を見てみよう。「白衣観音図(びゃくえかんのんず)」だよ。


重要文化財 白衣観音図(びゃくえかんのんず) 吉山明兆(きっさんみんちょう)筆 京都・東福寺所蔵 <2F-3 10月7日~11月5日展示>

torarin
どでかい作品だリン!

森研究員
ほんとでっかいねえ...絵だけで横幅2m80cm、高さは3m20cm以上あるんだ。今回の展覧会で出品される絵では一番大きいものだよ。元々はお寺の壁に貼られていた壁画かともいわれていて、あんまり立派だから、ダメになる前に壁から剝がされたという説があるよ。作者は15世紀初めの東福寺で大活躍した、禅僧で絵仏師の吉山明兆(きっさんみんちょう)という人。後でもう1度話すけど、今回の展覧会の主人公の1人さ。

torarin
明兆さん!!重要人物だリン!

森研究員
岩の線、波の線が極太で激しくて、かっこよくて。こんなに大きくても観音さまのプロポーションが全く崩れない所に、明兆さんの上手さがみえるね。観音さまは、補陀落山(ふだらくせん)っていう南海にうかぶ聖地に現れると考えられているんだ。だからこんな荒波の中で坐禅してるのさ。

2人でポーズ

torarin
ほんとに大きくてかっこいい絵だリン!おともだちのみんなにも絶対実物を見てほしいリン!あ、よく見たら真ん中の観音さまのほかにも、色々描かれているよ!

森研究員
トラりん、よく見つけたね!右下に顔を出してるのは、海にふさわしく水を司る龍神。左下の男の子は、菩薩になりたい~~~と願って仏教の師のもとをあちこち訪ね歩いている善財童子(ぜんざいどうじ)。観音に祈る童子の姿は、一心に観音に救いを求める私たち自身のすがたでもあるんだろうね。

torarin
善財童子りん、前も観音さまといっしょにいたリン♪
▼トラりん公式X
https://x.com/TORARINOFFICIAL/status/1699618742576222503?s=20

荒波の中でもこんなに堂々としている観音さまになら、みんな思わず頼りたくなるね!

森研究員
さあ、次は、お待ちかね!!修理後全幅初公開の「五百羅漢図(ごひゃくらかんず)」だよ!

torarin
待っていたリーン!ボクも展覧会公式Xで、漫画を読んでいたリン♪


重要文化財 五百羅漢図 吉山明兆筆 京都・東福寺所蔵 <2F-4 通期展示(展示替あり)>
※展示替の詳細は、出品一覧(PDF)をご確認ください。

森研究員
今回の展覧会の主人公の一人、明兆さんが作った、現存する最初にして最大級の作品がこの五百羅漢図シリーズだよ。明兆さんはこれを自分で発願して、何年もかけて35歳の年、至徳3年(1386)に完成させたんだ。展示を見て、こんなに大きいとは思わなかったというコメントを沢山頂いているんだけど、それぞれ絵が縦170cm、横幅90cm近くあるんだ。この頃の明兆さんはまだ若くって、どうしてこんな一大プロジェクトを実現させたのかはよく分かっていないんだけど、墨の線の面白さ、色使いの鮮やかさ、スケール...いろんな点で明兆、そして室町時代の仏画の記念碑といっていい作品だと思うな。


(こちらの第1号幅は10月22日で展示終了。~11月5日は第12~23号幅を展示しています)

torarin
明兆さんの情熱があふれる作品だリーン!修理後ほやほやなだけあって、とっても色あざやかだね!「五百羅漢図」と聞くと難しい作品みたいだけど、なんだか楽しい絵だリン!

森研究員
仏画のタイトルって、漢字で書くと何か難しそうな気がするけど、この羅漢図は絵にストーリーがあってすごく面白いよね。「羅漢(らかん)」はサンスクリット語で「お布施を受ける人、尊敬を集める人」の意味が元になっていて、仏教で最高の修行を修めた聖者のことなんだ。食べたりしゃべったり、身づくろいをしたり、お風呂に入ったり、勉強したり...。五百羅漢図が描いているのは、羅漢がみんなの尊敬を受けながらそんな日常を送るシーン。でも時には修行で得た不思議なパワーを発揮して、驚きの奇跡を起こしちゃうこともあるよ。

torarin
「羅漢さんの日常」が描かれているんだ!えらい人たちなのに、ふつうの暮らしもしていると思うと親しみが持てるリン!クスっと笑える漫画がついているから、ストーリーがよく分かるリン☆

森研究員
トラりんなら、どんなストーリーを考えるかな?自由に想像してみるのも楽しいよね!

torarin
おともだちにも聞いてみるリン!

森研究員
今回最後に紹介するのは、「仏手(ぶっしゅ)」だよ!


仏手 東福寺旧本尊 京都・東福寺所蔵 <1F-1 通期展示>

torarin
あ!ボクのお気に入り、仏手だリーン!でも、どうしておててだけあるの?

森研究員
東福寺には昔、南北朝時代に作られた座高7.5mもある巨大な本尊 釈迦如来坐像(しゃかにょらいざぞう)があってね。奈良の東大寺の大仏に対して、京都の新大仏寺なんて呼ばれてもいたんだよ。東福寺は全国の禅寺のなかでも伽藍がとびきり古くて、しかも大きいことで昔から有名だったんだけど、明治14年(1881)にご本尊のある仏殿含めて、中心部分が焼けたんだ。
でもいくつかパーツが焼け残っていて、これはその左手だよ。この手だけでゆうに2m以上もあるんだ。自分の身長が小さいから、なおさら大きく見えるや。

torarin
おててだけでこの大きさってことは、ご本尊はどれだけ大きかったんだろう!

森研究員
ね!昔のご本尊はどんな感じだったのかな...せめて写真でも残っていればと思うんだけど、どうも無さそうなんだよねえ。

torarin
あれ?よく見ると、このおてて、親指が短くない?

森研究員
あ、よく気づいたね。普通の仏像だと見落としちゃうことが多いけど、これだけ大きいとわかりやすかったかな。これは、仏さまが出来るだけ漏らさずたくさんの人をその手ですくいとれるようにって意味が込められているんだ。

水かきの説明をする森研究員

torarin
そうなんだ!だから指の間が「水かき」みたいになっているんだね。ほかの仏さまにもついているのかな?展示室でちぇっくしてみるリン♪

森研究員
あ、ちなみにここは撮影可能で、記念写真が撮れるのよ。トラりんも面白いポーズかんがえてね。

torarin
ぬ!?
(ハードルが高いりくえすとだリン...)



森研究員
ほんとは紹介したい作品、まだまだあるんだよ。東福寺さんは建物も歴史も本当にスケールが大きくて、展示してみて改めて、一つ一つの作品に、ものすごいパワーがあるなって思い直したよ。どの部屋もすごくかっこよく仕上がってると思うから、トラりんまた絶対見にきてね~!

torarin
東福寺展、何度も見たくなる作品ばかりだリン!ボクも展示室で、東福寺さんのどでかい「ぱぅわー」を感じたよ!森研究員もまだまだ話し足りないみたいだから、10月28日(土)の記念講演会でのお話に期待大だリン!予約なしで参加できるから、気になるおともだちはぜひ聴きに来てね♪

森研究員torarin
前期展示は11月5日(日)まで!
みんなが来てくれるのを待っているリーン!
通天橋看板でエイエイオー



\展覧会概要/
特別展 東福寺
■会期:
2023年10月7日(土)~12月3日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館
■休館日:
月曜日
※ただし10月9日(月・祝)は開館、翌10日(火)休館
■開館時間:
9:00~17:30(入館は17:00まで)




おだんごの雨!?🍡🍡🍡


(こちらの第6号幅は10月22日で展示終了。~11月5日は第12~23号幅を展示しています)

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