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展示

2023年11月10日

特別展「東福寺」を見に行くリン♪ Part 2

こんにちリン!
トラりんだリン!

トラりん、登場

今回は特別展「東福寺」彫刻スペシャル!
東福寺からやって来た個性豊かな仏像たちを紹介するよ!
いっしょに展示室を見に行くのは、記念すべき初登場☆
竹下研究員!!

\仏手タッチでごあいさつ♪/

竹下研究員、登場

竹下研究員(竹下研究員)
こんにちは!トラりん!
4月から彫刻の担当として着任した竹下です。7~8世紀頃の仏像が専門で、中国から伝わったものを日本ではどのように受けとめたか、ということを研究しているよ。今日はトラりんに会えることを受けとめて、トラりんコーデにしたよ。一緒に仏像を見るのが楽しみだね!

torarin(トラりん)
ほんとだ!水墨画こーでだリン!おそろだね♪

torarin竹下研究員
さっそく展示室へいってみようっ!



竹下研究員
トラりん!まずは、圧巻の彫刻室の全貌を見て!

1F-1彫刻展示室
torarin
すごいリン!!!!

竹下研究員
今回は、東福寺の壮大なスケール感が伝わるような展示にしてみたよ。トラりんは、「東福寺の伽藍面(がらんづら)」って聞いたことあるかな?

torarin
「がらん」ってよく聞くけど、どういう意味?

竹下研究員
伽藍とはお寺のことだよ。東福寺はね、創建以来、伽藍がとても大きいことで有名で、建物も仏像も巨大だから「新大仏寺」と呼ばれていたんだよ。中世の仏像は残念ながら明治時代に火災でなくなってしまったの。今の仏像は、もとは三聖寺(さんしょうじ)というお寺に安置されていて、万寿寺(まんじゅじ)に引き継がれたあとに東福寺に移ってきたものだけど、どの像も大きいよね!

torarin
うん、とっても大きくて迫力を感じるリン!強そうな仏さまが多いね!

竹下研究員
その通り!一番に紹介するのは、まさに強そうな仏さまの代表、「二天王立像(にてんのうりゅうぞう)」だよ!
真下から見上げて感じる、規格外の大迫力!


重要文化財 二天王立像(阿形) 京都・東福寺所蔵 <1F-1 通期展示>

torarin
先行展示されていたから、ボクもすっかりおなじみだリン!

竹下研究員
二天像は、阿形と吽形を一対にして、寺院の門や本尊の両脇で仏の世界を守る役割を担っているんだよ。この二天像の大きさは 3.4m。たくましい体に甲冑を着けて、力強く邪鬼を踏みつけていて、とても強そうでしょ!

torarin
すっごく強そうで、あこがれるリン!腰をクイッとひねっているのがかっこいいリン...!


重要文化財 二天王立像(吽形) 京都・東福寺所蔵 <1F-1 通期展示>

竹下研究員
うん。この吽形像のプロポーション、見事としかいいようがないよね。
しびれる~!

torarin
(竹下研究員、面白いリン)

竹下研究員
この二天像は三聖寺の山門に置かれていたと考えられているよ。三聖寺は南北朝時代の明徳2年(1391)に火災で門が焼けてその後に再建されているんだけど、火事のときに運び出せない大きさだよね。二天像は作風から鎌倉時代・13世紀に造られたと考えられているので、そのあたりの背景はよくわからないの。

torarin
不思議だね!こんなに大きいのに、火事になっても残っていたなんて、もしかして2人で走って避難したのかな?

竹下研究員
あはは!こんなにアクティブなおすがたなら、そんな想像もしたくなるよね!二天像はお寺では収蔵庫に安置されていて滅多に見ることができないから貴重な機会だよ!

torarin
お寺ではふだん、見られないんだね!今のうちにいっぱいごあいさつしておくリン!

竹下研究員
さあ続いては、筋骨隆々!「金剛力士立像(こんごうりきしりゅうぞう)」だよ!


重要文化財 金剛力士立像(吽形) 京都・万寿寺所蔵 <1F-1 通期展示>

torarin
ムッキムキだリン!おめめがぎらぎら、ぎょろりとしているね!どうして指でマルを作っているの?

竹下研究員
トラりん、いいところに気が付いたね!実はこのポーズは意外と珍しくて、奈良・東大寺南大門の金剛力士立像、あとは三重・府南寺(ふなんじ)の像も右手の指で丸を作っているよ。持物の金剛杵(こんごうしょ)の持ち方も共通しているんだ。金剛力士像は、通常は正面を向いて左側に阿形像、右側に吽形像を置くのだけど、この像は逆でしょう。その点も東大寺南大門の像と共通しているね。
金剛力士像は、普段は「仁王さん」として親しまれているよね。


重要文化財 金剛力士立像(阿形) 京都・万寿寺所蔵 <1F-1 通期展示>

torarin
よろいを着た二天王さんとはまた違ったかっこよさだリン!
ところで、二天王さんと仁王さんは、お仕事はどうちがうの?

竹下研究員
それも鋭い質問だね!実は、お仕事内容的にはあまり違わないんだ。武装した将軍と力持ちの力士が、二重で守ってくれるというかんじかなぁ。

torarin
二重でお寺とほとけさまをガッチリ守っているんだね!東福寺のセキュリティは万全だリン!

竹下研究員
インドで生まれた仏教が、長い時間と長い距離をかけて日本に入ってくる間に、守護神はいろいろと複雑に変化して、奈良時代の金剛力士像は甲冑を身に着けていたりするし、実は難しい問題なんだよね。

torarin
なるほどリン♪仏さまもいろんな姿に変化しているんだね!

竹下研究員
続いては、お釈迦様の自慢のお弟子様!「迦葉・阿難立像(かしょう・あなんりゅうぞう)」だよ。トラりんも予習編のときに、東福寺本堂でお会いしたんじゃないかな?
特別展「東福寺」を予習するリン!

torarin
ほんとだ!見覚えがあると思ったリン!

竹下研究員
トラりんがお参りしたときに、迦葉・阿難それぞれの両脇にいらっしゃった、四天王も京博にきていただいているから、このあと紹介するね。さて、ご本尊から見て左手にいらっしゃるのが「迦葉」さん

torarin
かしょうさん、おかおが苦しそうに見えるリン!だいじょうぶ?


重要文化財 迦葉立像(かしょうりゅうぞう) 京都・東福寺所蔵 <1F-1 通期展示>

竹下研究員
迦葉さんはおじいちゃんだからね。お釈迦様の弟子のなかで、迦葉さんは「頭陀第一(ずだだいいち)」と言われ、身なりを気にせずに仏道修行に励んだ方だったの。それはもう、お釈迦様から、「もう年なんだから、もっと軽い衣を着けて体を休めるように」と労わられるくらい。

torarin
おしゃかさまも気づかうくらい、まじめなお弟子さんだったんだね!

竹下研究員
年老いて皮膚がたるみ血管が浮き出ている感じが、とても迫真の表現だよね。

torarin
おじいちゃんになっても「せいいっぱい、修行するんだ!」っていう、かしょうさんの強い想いが伝わってくるね!

竹下研究員
そして、ご本尊さまから見て右手にいらっしゃるのが「阿難」さん


重要文化財 阿難立像(あなんりゅうぞう) 京都・東福寺所蔵 <1F-1 通期展示>

torarin
あなんさんは、おじいちゃんじゃなさそうだリン!

竹下研究員
阿難さんはお釈迦様の弟子の一人で、その教えを最もよく記憶したから「多聞第一(たもんだいいち)」と言われているよ。お釈迦様が亡くなるまで、25年間付き人をしていたんだけど、阿難さんは親切で美男子だったから、とても女性にモテたらしいよ。お釈迦様からあまり肌を露出しないようにって言われたから、迦葉さんに比べてちゃんと肌を隠しているでしょう。

torarin
モテるお坊さんも大変だね!おめめもきりっとしていて優しそうだリン☆

竹下研究員
よく見て、ツメが長いのよ。

torarin
あっほんとだ!!気づかなかったリン!どうして?

竹下研究員
中国・宋時代の美術から影響を受けて、このように生きているかのような表現をしているの。
仏像にはほかにも面白い特徴がいっぱいあるから、じっくり観察してみてね。

torarin
分かったリン!こうして教えてもらえると、仏さまを見るのがますます楽しくなるね!
長いツメで耳かきもできるかな?

竹下研究員
どうかな?(笑)

竹下研究員がトラりんの耳に手を入れる

竹下研究員
最後に紹介するのは、「四天王立像(してんのうりゅうぞう)」だよ。


四天王立像 増長天(左) 持国天(右) 京都・東福寺所蔵 <1F-1 通期展示>

torarin
わぁ、かっこいいリン!思わずキュン☆

竹下研究員
写実的でとてもかっこいいよね。四天王は鎌倉時代・13世紀の作なんだけど、造られた時期に差があって、多聞天が鎌倉時代初期、他の像より一回り小さい。増長天は中期、持国天と広目天は中期から後期。多聞天は運慶の作風に近く、特に注目されている像なんだよ。


四天王立像 多聞天(左) 広目天(右) 京都・東福寺所蔵 <1F-1 通期展示>

torarin
言われてみると、多聞天さんだけ、ちょっと雰囲気が違う気がするリン!
四天王さんはどうやって見分けたらいいの?

トラりんが持ち物に注目する

竹下研究員
広目天は巻子(かんす)を持ち、多聞天は宝塔(ほうとう)を掲げているから、持ち物が目安になるね。

torarin
なるほどリン!持ち物で見分けたらいいんだね!竹下研究員、いっぱい教えてくれてありがとうリーン♪

竹下研究員
今日は迫力ある仏像を紹介してきたけれど、東福寺の歴史を作ってきた偉いお坊さんたちの、個性豊かな肖像彫刻も展示しているよ。

竹下研究員torarin
特別展「東福寺」、お見逃しなく!!!
仏手前で「Shall we dance?」ポーズ




\展覧会概要/
特別展 東福寺
■会期:
2023年10月7日(土)~12月3日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館
■休館日:
月曜日
※ただし10月9日(月・祝)は開館、翌10日(火)休館
■開館時間:
9:00~17:30(入館は17:00まで)

\おうちで楽しむ京博/
■鑑賞ガイド・ワークシート
特別展「東福寺」をより楽しんでいただくための「鑑賞ガイド」(PDF)を公開しています。今回はカラーでコンパクト、さらりと読むのにピッタリ!
特別展 東福寺 はじめてガイド(日本語版)(PDF)
Guide to the Special Exhibition Tōfuku-ji (English)(PDF)
特展 东福寺 你想知道的都在这里(简体中文)(PDF)
특별전 도후쿠지 감상 가이드 (한국어) (PDF)

■ニコニコ美術館アーカイブ
特別展「東福寺」 は今年春に東京国立博物館で開催され、現在、京博に巡回しています。京博での会期終了(2023年12月3日)まで、ニコニコ美術館アーカイブ「東京国立博物館 特別展「東福寺」を巡ろう」をご視聴いただけます。
東京国立博物館 特別展「東福寺」を巡ろう



torarin
野帳を描いたリン!
よかったらPDFをダウンロードして、ぬり絵してね♪
おともだちのみんなが東福寺展をますます楽しんでくれると嬉しいリン!

※A4サイズでプリントアウトすると文庫本ブックカバーにもなります♪(京博スタッフ談)

トラりん野帳スケッチ(PDF)
トラりん野帳スケッチ

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