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展示

2023年8月25日

特集展示「日中 書の名品」を見に行くリン♪

こんにちリン!
トラりんだリン!

トラりん、登場

きょうは、特集展示「日中 書の名品」を見に行くために、羽田研究員と待ち合わせしているんだけど...どこにいるのかな?

hada(羽田研究員)
ひゃっほう!
羽田研究員、登場

torarin(トラりん)
わ!びっくりした!羽田研究員!すごい登場だリン!!

hada
トラりんを観察していたら、「ひゃっほう!」とウキウキしながら踊っていたから、まねしてみたよ。

ウキウキするトラりんの様子はこちら
【トラりんと作品紹介】なつやすみの自由研究!博物館でいきもの観察?
https://youtu.be/rYdlyXFGV6c

torarin
...ボクのこと、大好きなんだね☆

hada
さて、特集展示「日中 書の名品」を見に行く前に、トラりんに問題です。

話を聞いていないトラりん

torarin
(Tシャツに夢中)

hada
...聞いてる?

torarin
なんか言った?

hada
日本と中国で、共通している文化って何でしょう。チッチッチ、チーン!

torarin
ぎょうざ!
ジャンボ餃子クッションを持ち出すトラりん

hada
(そう来たか...)

torarin
大正解だリン!

hada
日本と中国で共通している文化、ぎょうざもそうかもしれないけど、「漢字を使うこと」だよ。今回の展示はとくに、日本と中国の漢字で書かれた作品を集めたんだ。文字のすがたは地域や時代によって変化するので、芸術的な「書(しょ)」としてとらえると、色々な味わい方ができるんだよ。

torarin
いろんな味わい方ができるなんて...ぎょうざといっしょだリン♪

hada
うん、だからぎょうざはおいといて。そろそろ作品を見に行こうか。

torarinhada
展示室に、ひゃっほう!
展示室へジャンプ

torarinhada
着地☆
1F-3書跡展示室に着地する2人

hada
まず、中国の書から見ていこう。最初に紹介するのは、「大智度論巻第八残巻(だいちどろん まきだいはちざんかん)」だよ。


重要文化財 大智度論巻第八残巻 中国・南北朝時代 5世紀 守屋孝蔵氏収集・守屋美孝氏寄贈 京都国立博物館所蔵 <1F-3 通期展示>

hada
『大智度論』は、古いインドの言葉で書かれたお経を、鳩摩羅什(くまらじゅう)というお坊さんが、中国で漢字に翻訳したものだよ。この1巻は、5世紀前半に写されたと言われているよ。

torarin
お経なんだね!

hada
このお経の字を見て、トラりんはどんな印象を持った?

torarin
うーんとね、ぽってりした字だリン!

hada
なかなかいい表現だね!字をよく見てみよう。字の左側が細いのに対して、字の右側がトラりんのおなかみたいにぽってりしているよね。これは「波磔(はたく)」といって、隷書(れいしょ:少し装飾的な書体)によくみられる筆づかいなんだ。

torarin
なんだか、親近感...☆「隷書」で書かれているってこと?

hada
いや、これはね、隷書から派生した楷書(かいしょ:整然とした書体)で書かれているんだけど、隷書の雰囲気がまだ残っているんだよ。

torarin
「隷書」っぽい「楷書」なんだね!

hada
次に紹介するのは、「漢書楊雄伝第五十七(かんじょ ようゆうでん だいごじゅうしち)」だよ。


国宝 漢書楊雄伝第五十七 中国・唐時代 7世紀 京都国立博物館所蔵 <1F-3 8月8日~8月27日展示>

torarin
ロールケーキみたいだリン!

hada
また食べもののことを考えている...この巻物、ただ太いだけじゃないんだよ。『漢書』は、昔の中国の歴史書で、全100巻あるんだけど、この1巻は、現存最古にして、唯一の唐時代の写本という、大変貴重なものなんだ!

torarin
なんだかすごい巻物だリン!!

hada
さて、今度の字は、先ほどの『大智度論』に比べると、どんな印象かな?

torarin
あ!さっきよりシュッとしているリン!

hada
これは同じく楷書で書かれているんだけど、書体として完成されているから、違って見えるよね。字のウェストをしぼっていて、背が高いのが特徴と言えるよ。つまり、たてに長細いということ。トラりんが言ったとおり、シュッとしているってことだね!

torarin
シュッ!

hada
ひとくちに楷書と呼んでいても、時代によって徐々に文字のすがたは変化していくんだよ。そんなところも、書の味わい方の一つなんだ。

torarin
いろんな文字の形を楽しめばいいんだね!

hada
続いて、「千手千眼陀羅尼経残巻(玄昉願経)(せんじゅせんげんだらにきょうざんかん げんぼうがんきょう)」だよ。ここからは、日本の書になるよ。


国宝 千手千眼陀羅尼経残巻(玄昉願経) 奈良時代 天平13年(741) 守屋孝蔵氏収集・守屋美孝氏寄贈 京都国立博物館所蔵 <1F-3 通期展示>

hada
これは奈良時代に、玄昉(げんぼう)というお坊さんが天皇をはじめ、みんなが平和に暮らせるように祈って書き写させたお経なんだ。当初は1000巻も制作したらしい。

torarin
1000巻!?すごいリン...

hada
でも、現在残っているのはこの1巻だけなんだ。およそ1300年も昔に作られた、1000巻のうちの1巻が、今こうして目の前にあると思うと、胸が熱くなるね...

torarin
ほんとだリン...作品を大切に守り伝えてきた人がいたからなんだね...


hada
じゃあ、今度はどんな印象かな?

torarin
うーん、1個前に見たのと似ている気がするリン☆

hada
うんうん、よく見ているね。これも楷書で書かれているね。奈良時代の日本は、中国の影響を大きく受けているから、唐時代の書風を真似ているよ。同時期に作られた中国の作品と見比べてみてほしいな。

torarin
おともだちのみんな!展示作品の説明文には、国と時代が書いてあるから、日本と中国の同じ時期の作品を見つけてみてね!

hada
最後に紹介するのは「新撰類林抄巻第四残巻(しんせんるいりんしょう まきだいよんざんかん)」だよ。


国宝 新撰類林抄巻第四残巻 伝空海筆 平安時代 9世紀 京都国立博物館所蔵 <1F-2 通期展示>

hada
「新撰類林抄」とは、中国・唐時代の詩文を類別した詩集で、この1巻は平安時代初期に日本で書写されたんだ。トラりん、この書体の印象は...?

torarin
ぐにゃり。

hada
トラりん、まさに「文字化け」だね!これは草書(そうしょ)という書体で書かれているよ。草書は隷書を簡略化して早く書くために生まれたとされているよ。

torarin
文字がにゅるリンとつながって見えるところがあるリン!

hada
いいところに気が付いた。筆の運びを見てみよう。文字と文字の間で筆が紙を離れずに、連続して書かれている箇所があるよね。これを「連綿(れんめん)」というんだ。

torarin
冷麺?

hada
...ごはんの話に戻って来たね。絶え間なく長く続いていることを「連綿として」というけれど、イメージは同じだよ。

torarin
なるほど~!(連綿とした冷麺が食べたいリン...☆)

hada
その昔、中国に王羲之(おうぎし)という書の神様がいたんだけど、この作品は王羲之の書風を伝えているよ。

torarin
書の神様?どんな人なの?

hada
言わば、時代を超えた「書のインフルエンサー」だね。王羲之は書聖と呼ばれ、書をこころざす人たちが手本とする偉大な書家なんだ。聖武天皇や空海も、王羲之を崇拝したんだよ。現代でも王羲之はファンがたくさんいるよ。

torarin
そんなに長く人々に愛されているなんて、さすが書の神様だリン!

hada
ところでこの作品は、トラりんと一緒に以前動画でも紹介したんだけど、覚えてる?

torarin
お化けごっこしたときだリン👻

hada
そうそう、よく覚えていたね。
【トラりんチャンネル展覧会】特集展示「国宝「日本書紀」と東アジアの古典籍」を見に行くリン♪
https://youtu.be/tPtjFIvldEc

torarin
いろんな作品を見られて、楽しかったリーン!おひるごはん食べに行こう!

hada
(冷麺とぎょうざを食べる気だな...)

torarinhada
みんなが見に来てくれるのを待っているリン!




\展覧会概要/
特集展示 日中 書の名品
■会期:
2023年8月8日(火)~ 9月18日(月・祝)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館1F-2・3
■休館日:
月曜日
※ただし9月18日(月・祝)は開館
■開館時間:
9:30~17:00(入館は16:30まで)
■観覧料:
一般  700円
大学生 350円
※本観覧料で当日の平成知新館の全展示をご覧いただけます。

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