あけおめリン!
トラりんだリン!
ことしは「辰年」!
ってわけで、「辰トラりん」もよろしくリン☆
(水谷研究員)
トラりん、あけましておめでとう!今年も元気に干支に便乗しているね!あっぱれ!
(トラりん)
水谷研究員!
ことしの干支は、辰、つまり龍!昔からたくさんの作品に描かれてきた、おめでたい生きものだね!龍のパワーにあやかって、今年もハッピーに過ごそう!
そんなわけで、新春特集展示「辰づくし─干支を愛でる─」へ!
ドラゴンフライ!
しゅたっ!!
あ!こんなところにワークシートが!
小さいおともだちも楽しめるよう、ビンゴカードみたいに穴をあけられるデザインにしたよ。展示に登場する龍を探して、見つけたらプチプチしてね!
ドラゴン〇エストだね!
まぁそれはおいといて、作品についている解説も、いつもよりやさしめにしているよ♪
ことしは2Fで展示しているの?寅りん年以来だリン!
そうなんだ!「辰づくし」は、2F-2~4の3部屋で開催しているよ。十二支の動物の中でも虎や龍は、とくにたくさん美術の中に登場するから、今年は作品の数も多いんだ。
楽しみだリーン♪
まずトラりんに紹介したいのは、この作品。「双龍文半瓦当(そうりゅうもんはんがとう)」だよ。
おいしそうなお菓子だリン!
お菓子じゃないんだ、トラりん!
シナモン味かな?焼き菓子なのは確かだリン(きらーん)
聞いてない...トラりん、落ち着いて。これは、昔の中国で使われていた瓦だよ。2000年以上も前のもので、土を焼いて作られているんだよ。
え?
...焼いて作られたところは合っていたリン☆
うん、すごいすごい。
丸い瓦は見たことあるけど、この形は初めて見たリン!
今は、屋根の軒先に丸い瓦が使われるよね。むかしむかしの中国では、このイラストみたいに半円形の瓦が使われていたんだって。この瓦がずらっと並んだ建物は、きっとカッコよかっただろうね!龍がどこか分かるかな?
あ!2匹が向かい合っているリン!
そうそう。
ボクたちも向かい合って、いただきまーす☆
お菓子じゃないんだけどなぁ~!
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次に紹介するのは、「龍袍 金黄地綴織(りゅうほう きんこうじつづれおり)」だよ。
すっごくごーじゃす☆
お着物かな?!でも、ふだん見るお着物とは違うリン!
\ボクも着られるかな?/
この服は、「龍袍(りゅうほう)」って言うんだ。龍の文様が織り出されているよ。
ほんとだ!あちこちに辰りんがいるリン!
龍の文様がついた服は、中国の皇帝と、身近な限られた人だけが着ることができたんだよ。しかも、身分によって文様や色が決まっていて、この鮮やかなオレンジ色は、皇帝の2番目の奥さんや、皇帝の息子が着た色なんだ。
おひさまみたいなオレンジ色だリン!これなら遠くから見ても「あっ、偉い人が来た!」ってすぐ分かるね☆
龍は、雨や水を操る不思議な力を持った生き物で、めでたいことがある時にあらわれる「瑞獣(ずいじゅう)」だと考えられてきたんだ。特別な力を持つ龍は、中国では皇帝の力を表すしるしでもあったんだね。
龍にはいろんな意味があるんだね!下の方の、虹色の波みたいな模様もキレイだリン!
そうだよね!これは大海原を表しているんだ。上の方には岩が突き出して、波が打ち寄せているよ。水と山が一つになる、つまり国を統一することを表しているんだって。
わあ、スケールが大きいリン!
続いて、「雲龍図(うんりゅうず)」だよ。
すいぼくがだリン!黒くてモヤモヤ~ってしているリン...
目を凝らして、よーく見てみて。何が描かれているかな?
うーん、真っ黒い雲の中に...あ!!龍がいる!
だんだん見えてきた?
うん、こっちの龍は海からザッパーン!って昇っていて、こっちの龍は空から降りてきているリン!
いいね、トラりん!昇る龍と降りる龍は、龍を描く時のお決まりの描き方なんだよ。この絵は龍を描くのが得意な中国の画家、張徳輝が描いたものなんだ。500年以上前のものだよ。
実はこの絵には秘密があって......今は2つの絵になっているけど、もともとは1枚の絵だったと考えられているんだ。どう繋がってたと思う?
えーっ!難しいなぞなぞだリン!!
ヒントは、龍たちの目線!2匹がペアの龍だと考えると、どうすれば目線が合うかな。
うーんと、あ!もしかして縦に繋がっていたのかな!?
昇る龍が下で、降りる龍が上!そうしたら目線がバチーン☆って合うリン!
トラりん、大正解!天にいる親の龍が、海にいる子の龍を呼ぶ絵だったみたいなんだ。
親子だったんだ~♪縦になったところも見てみたかったリン!なんで切ってしまったの?
もしかしたら、この絵が日本に伝わった時に、床の間に飾るのにちょうどいいように、2つに分けたのかもしれないね。
想像が膨らむリン!
最後に紹介するのはこちら!「双龍花鳥蒔絵螺鈿裁縫道具入(そうりゅうかちょうまきえらでんさいほうどうぐいれ)」だよ。
何これ?
裁縫道具入れ、つまり、おさいほう箱だよ。
おさいほう箱!ちっちゃ!!!それにふしぎな形をしているよ!
そうだよね。これは日本で作られたものなんだけど、使ったのは日本の人ではないんだ。
400年ほど前の江戸時代に、日本に来たオランダ人が注文して、特別なお土産として持ち帰ったんだよ。
そうだったんだ!ちっちゃいから、おみやげにはぴったりだリン☆
そう、この頃のオランダでは、女の人が腰からジャラジャラといろんなものを吊り下げるのがおしゃれだったんだって。このイラストのように使われたみたいなんだ。
わ!はさみとかお道具が、いっぱいジャラジャラしているリン!(爆笑)
(爆笑している...トラりんのツボだったのかな)
こんな昔に、日本で作られたものが海を渡って遠くへ行っていたなんて、びっくりだリン!
そうだね。そしてこうして今日本にあることも驚きだよね。実はこの頃、ヨーロッパの人が使う家具や道具を、蒔絵や螺鈿で美しく飾って輸出することが、さかんに行われていたんだ。「蒔絵」は、漆を塗って金の粉を蒔く方法。箱の側面に龍がいるのが見えるね。虹色に輝いているところは螺鈿。綺麗な貝を貼っているんだ。
キラキラしてキレイだリン!ボクもジャラジャラつけて歩いてみたいリン♪
現代でやってみたら斬新でおしゃれかもね!
辰年の流行ファッションだリン!!!!
そうそう、蓋のところには虎もいるよ。見えるかな?
あ!ほんとだ!
龍と虎はセットで描かれることが多いから、この作品以外にも、展示室には虎もたくさんいたね!
うん!ボクの展示?って思うくらい、虎がいるお部屋もあったリン(えっへん)
展示室には、大きな龍から小さな龍まで、全部で118匹の龍がいるよ。ここで紹介しきれなかった龍もたくさんいるから、ぜひワークシートを持って、展示室をめぐってほしいな。
カッコよかったり、優雅だったり、かわいかったり、色んな辰りんがいたリン♪
みんながお気に入りの龍を見つけてくれると嬉しいね。
お気に入りの虎は?
はいはい、ここにいます(笑)
ボクはどの干支「づくし」のときもここにいるリン♪
トラりんがいてくれるから、毎年楽しく干支の紹介ができるよ。2024年もPR大使のお仕事、頑張ってね!
がってんしょうち!それじゃあ、おともだちのみんなも連れて...
「辰づくし」にドラゴンフライ!
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\展覧会概要/
■会期:
2024年1月2日(火)~ 2月12日(月・休)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館2F-2~4
■休館日:
月曜日
※ただし1月8日(月・祝)、2月12日(月・休)は開館、1月9日(火)休館
■開館時間:
9:30~17:00(入館は16:30まで)
金曜日は19:00まで開館(入館は18:30まで)