こんにちリン!
トラりんだリン!
もうすぐ節分だから、「鬼トラりん」になってみたリン☆
(竹下研究員)
ハロー、トラりん!かわいい鬼さんだね!
(トラりん)
竹下研究員!
ダブル鬼りんだね!ところで、きょうはどんな展示を見に行くの?
きょうは、修理完成記念 特集展示「泉穴師神社の神像」を見に行くよ。
大阪・泉大津市にある泉穴師神社には83躯(く)の神像が伝わっていて、そのうち平安時代から鎌倉時代につくられた80躯(重要文化財)が4年間かけて修理されたよ。今回、修理完成を記念して、神像26躯を展示しているよ。
「仏像」には京博でよくお会いしているけど、そんなにたくさんの「神像」にお会いするのは珍しいリン!
日本の神さまは本来は目に見えない存在だけど、仏教の影響を受けて像が造られるようになったの。仏像と違って、人目につかない閉ざされた社殿でまつられることが多いから、神像を見たことがない人も多いと思うよ。
そうなんだ!「神像」を見られるのは貴重な機会なんだね!
それじゃあ、展示室にれっつごー!
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最初に紹介するのは、「天忍穂耳命坐像(あめのおしほみみのみことざぞう)(その35)と栲幡千々姫命坐像(たくはたちぢひめのみことざぞう)(その44)」だよ。
どんな神様なのかな?
『日本書紀』や『古事記』に書かれた神話に登場する夫婦の神さまだよ。天忍穂耳命は天照大神の子どもだから、とても偉い神さまだね。この2躯は平安時代後期の12世紀頃に造られて、造立当初の彩色と截金(きりかね)がよく残っているよ。
「きりかね」って?
彩色の上に金色の文様がみえるかな?実はこれ、金箔を細く切って貼り付けて文様を描いているんだけど、その技法を截金っていうんだよ。この像は、今から120年前、明治時代に一度修理されているよ。
修理されて、お顔もくっきリンなんだね!
そうだトラりん、前からだけではなく、横からも見てみてね。
横?あ!体がひらべったいリン!
すごく体の奥行が浅いでしょう。仏像は坐像だと膝が張っているし、その分奥行があるんだけど、神像は膝が小さく横からみると薄い像が多いんだよ。神像ならではの特徴だね。
前からだと気づかなかったリン!おともだちのみんなも、ぜひ横から見てみてね!どうしてうすーくつくられているの?
神さまは木に宿るから、木から神さまの姿があらわれているところを表現していると考えられているよ。神像は特別な木を使って造られているんだよ。それに、狭い社殿に安置するためには、像の奥行がない方がよかったのかもしれないね。
確かに横から見ると、「木」ってことがよく伝わってくるリン...!
次に紹介するのは、「男女神像(だんじょしんぞう)(その41・60)」だよ。
小さな神像だリン!さっきと同じ、男の神様と女の神様だリン!
トラりん、よ~く見て。小さいけれど、とても威厳がある立派な顔つきで、美しいから!顔の色も金色でしょう。
じっ...
あ!女神様のおかおの右目の上あたりが金色だリン!もともとは、お顔全体が金色だったのかな?
そう、お顔全体が金色だったよ。顔や体を金色にするのは、仏像でよく表現される特徴なんだよ。仏教の経典では、仏の優れた32の身体的特徴をあげているのだけれど、そのなかに「金色相(こんじきそう)」という特徴があるの。金色相の神像はとても珍しいのだけれど、仏教に帰依した神さまの姿なんだよ。
仏様の特徴を持った神様なんだね!
続いて紹介するのは、「女神像(じょしんぞう)(その47・48・49)」だよ。
今度は女の神様だね!三人姉妹なの?
あまり似ていないから姉妹ではないと思うよ。
この3躯は造られた時代もそれぞれ違っていて、男女ペアではなく女神のみなのだけれど、三者三様で髪型や服装もそれぞれで違うね。右端(その47)の神像に注目してほしいな。他の像と比べても重量感があって、横からみても肉厚なんだよ。まるで仏像を見ているかのようで、おそらく泉穴師神社の神像のなかで最も古い像だよ。
服や髪型がシンプルな神様だリン!まるみがあるおすがたで、ちょっと仏様に近いような気がするよ!
お、わかってくれる?神像の素敵なお姿をじっくり見たいおともだちのために、鑑賞ガイドも用意したよ。今回展示している26躯すべての写真を載せていて、泉穴師神社の歴史、修理の内容も説明しているから、ぜひ会場で手に取ってみてね。
大きなお写真で、神様たちのお姿がよくわかるね!小さいおともだち向けの博物館ディクショナリーもわかりやすいリン☆
鑑賞ガイド(PDF)
博物館ディクショナリー(PDF)
トラりんは、初めて見た「神像」たち、どうだったかな?
服装が平安時代の貴族の人みたいだったり、おかおが笑っているように見えたり、神様を身近に感じたリン♪修理のあとに特別に見ることができて、よかったリン!
文化財はだいたい50年から100年に一度の修理が必要だと言われるけど、4年の時間をかけて80躯を修理するのはたいへんなことで、大切にしてきた人たちの想いを感じるよね。普段は公開されていないから、この機会にじっくり見てね。
うん!おともだちにもお知らせするリン!
じゃあ最後に、同じ展示室にある「平安時代の彫刻」を紹介するね。泉穴師神社と同じ大阪府南部の岬町(みさきちょう)にある興善寺(こうぜんじ)の「薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)」と「釈迦如来坐像(しゃかにょらいざぞう)」だよ。
大きな仏様だリン!
令和3年度に釈迦如来坐像、令和4年度に薬師如来坐像が修理されたから、今回は修理後初公開だよ。前回の修理が大正10年(1921)に行われているから、約100年ぶりの修理だね。
100年ぶりの修理!仏様もきっと喜んでくれているね♪
こちらの釈迦如来坐像は、大正10年の修理時に、像内から墨書銘がみつかっていて、寛治7年(1093)に大仏師経範たちが造ったことがわかるよ。結縁者150名ほどの名前が書いてあり、多くの人の願いで造られた仏像なんだよ。
おめめが片一方だけはっきり見えていて、かっこいい表情だリン...(うっとリン)あれ?仏様の横や後ろ側にも、回れるようになっているコーナーがあるリン!
今回は、仏像の側面や背面も鑑賞できるような展示配置にしているよ。興善寺の仏像の衣の柔らかな質感など、いろんな角度から見て、仏像の美しさを感じてもらえると嬉しいな。
展示室で待っているリン!
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\展覧会概要/
■会期:
2024年1月2日(火)~ 2月25日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館1F-1
■休館日:
月曜日
※ただし1月8日(月・祝)・2月12日(月・休)は開館、翌1月9日(火)・2月13日(火)休館
■開館時間:
9:30~17:00(入館は16:30まで)
金曜日は19:00まで開館(入館は18:30まで)
■関連土曜講座:
○2月3日(土)13:30~15:00
「ポータブルX線分析装置による泉穴師神社所蔵神像の彩色材料調査」
講師:降幡 順子(京都国立博物館 保存科学室長)
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夜の京博もきれいだリンんんんんんん!
夜間開館のお知らせ ―2024年1月2日(火)~3月24日(日)の金曜日