メニュー

展示

2024年7月11日

修理完成記念 特別公開「重要文化財 縹糸威胴丸」を見に行くリン♪

こんにちリン!
トラりんだリン!

トラりん、兜をかぶって登場

暑いリン!京都の夏だリン!
え?暑いのに、なんでそんな恰好をしているのかって?それは...

末兼研究員(末兼研究員)
スキあり!
末兼研究員、トラりんの背後より登場

torarin(トラりん)
末兼研究員!
末兼研究員に気づくトラりん

末兼研究員
気配に気付くとは、おぬし...なかなかの腕前よのう。

torarin
ちょっぷ!
トラりんと末兼研究員のそうぜつな戦い

末兼研究員
ぐ、や、やられたぁー!無念...

torarin
おともだちのみんなに紹介するよ!金工担当の末兼研究員だリン!よくボクの死角を狙ってくるから、こうして兜で身を守っているリン♪

末兼研究員
ピクピク...

地べたにはいつくばる末兼研究員

torarin
復活するリン!!

よみがえった末兼研究員

末兼研究員
トラりんの優しさで復活したよ。きょうはトラりんに修理完成記念 特別公開の胴丸を見せてあげよう。

torarin
「どうまる」ってなぁに?おなべ?

末兼研究員
それは「ずんどう」ね!
「胴丸」というのは、中世の「甲冑(かっちゅう)」の種類だよ。体をぐるりと包むように着るタイプの甲冑なんだ。

torarin
甲冑って「よろい」のこと?武士にとって大切なものだリン!

末兼研究員torarin
それじゃあさっそく、展示室に見に行こう!



末兼研究員
どどん!「縹糸威胴丸(はなだいとおどしどうまる)」だよ!

重要文化財 縹糸威胴丸 兜・大袖付 附旗一旒(かぶと・おおそでつき つけたりはたいちりゅう)
重要文化財 縹糸威胴丸 兜・大袖付 附旗一旒(かぶと・おおそでつき つけたりはたいちりゅう)京都国立博物館所蔵

torarin
立派なかっちゅうだリン!これはどういう胴丸なの?

末兼研究員
まず、「縹糸(はなだいと)」は胴丸を覆う糸の色のこと。トラりんは、この糸何色に見える?

torarin
うーん、薄い、緑っぽい青かな?「そふとたーこいず」って感じ♪

末兼研究員
そうそう!夏にピッタリ、大人気発売中のトラりんボトルの色だねっ!(宣伝)
今は退色して緑っぽさが強いけど、本来は鮮やかな青色だったんだ。

torarin
どんな色?

末兼研究員
展示室入口に置いてある鑑賞ガイドの、表紙の左上のような色だと考えられているよ!

末兼研究員が鑑賞ガイドをトラりんに見せる

torarin
すごく鮮やかだリン!こんな色のかっちゅう、見たことないリン!

末兼研究員
では甲冑のボディの構造について、まずは説明しよう。鑑賞ガイドにも書いてあるけど、甲冑は「札(さね)」「威(おどし)」「金具(かなぐ)」の3つの要素からできているよ。
鑑賞ガイド(PDF)

torarin
金具はなんとなく分かるけど、「さね」「おどし」は初めて聞く言葉だリン!

末兼研究員
まず、「札(さね)」は鉄や牛革からできた小さな板で、ひもを通すための穴が開いているよ。これを並べて組み合わせることによって、甲冑の防御力のかなめである札板(さねいた)ができているんだ。そして、この板をつなぎ合わせるために必要なのがこの縹色の糸を束ねたひも。ひもは「緒(お)」と呼ばれるから、「札」に「緒」を通す、ということで、「緒通し」、つまり「威(おどし)」になるんだよ。

「縹糸威胴丸」ケースの前で甲冑の説明をする末兼研究員

torarin
縹糸威胴丸の「威(おどし)」「緒通し」だったんだね!

末兼研究員
そういうこと!頑丈に仕上げたり簡単に仕上げたりと、色んな「おどし方」があるんだよ!

torarin
おどし方...!
(オラオラした呼び方だリン...)

末兼研究員
この緒のことを「威毛(おどしげ)」と呼ぶんだけど、こんなふうに甲冑全体を縹色で威すのは珍しいんだ。そういう意味でも貴重な作品だね。

torarin
よろいって黒っぽいイメージがあったけど、この胴丸はきっと、いくさの時もパッと目に入るリン!敵も味方もびっくりするだろうね☆

末兼研究員
戦は武士にとって重要な仕事の一つだから、目立つ甲冑は、戦場で武士の存在を知らしめる意味があったと思うよ。それでは、今回の修理部分を紹介するね。まず、この左肩の部分。くるりと丸みを持った金具が見える?

「縹糸威胴丸」の拡大と眼光鋭いトラりん

torarin
見えた!茶色っぽいツヤッとしたところだね!

「縹糸威胴丸」の金具と眼光鋭いトラりん

末兼研究員
そうそう、「障子板(しょうじいた)」というんだけど、腐食が激しくて合成接着剤で仮止めされた状態だったから、解体して新しく製作したよ。もともとの部品と1mmもズレていない、完全に同じ形をしているんだ。

torarin
すごい精度だリン!

末兼研究員
それにこの胸の真ん中あたりから右脇にかけての部分と、ベルトみたいに腰に巻いてある部分に、カラフルなひもが使われているのがわかる?

「縹糸威胴丸」の前で話す二人

torarin
「縹色」とはちがう色のひもだリン!

末兼研究員
よく見えるね。腰の部分のひもは無くなっていたから、「クテ打ち」という技法を使った特殊な組紐(くみひも)を追加したよ。これももともとのひもの染料を化学分析しつつ、退色した現在の色を再現して染めたものだよ。

torarin
「縹糸」もキレイだけど、このひもでおしゃれ度がぱぅわーあっぷするリン!それにしてもかっちゅうって、金具やひもや、たくさんの部品で出来ているんだね☆

末兼研究員
甲冑はさっき説明したように、鉄や革、糸や布、漆など、様々な素材を組み合わせて作るものだから、僕が担当する金工のほか、染織や漆工などあらゆるジャンルの専門家が関わることになる。だから、甲冑ひとつ作るのにたくさんの分野の工人(技術者)の力を合わせる必要があるんだよ。

torarin
とっても大変だリン!昔のひとはどうしていたのかな?

末兼研究員
むかしは「鎧細工」とか「甲冑師」と呼ばれるプロフェッショナルがいたんだよ。そういう人が、それぞれの素材を作る職人のとりまとめもしていたんだ。

torarin
かっこいいリン...!

末兼研究員
でも、甲冑は現代では使われないでしょ?需要がないから、甲冑を作る技術は歴史と共にどんどん失われていって、さらに甲冑を作る技術を未来に受け継ごう!という意識もなかったんだね。その結果、国宝や重要文化財の甲冑を修理できる甲冑師は、今の日本には実は1人しかいなかったんだ...

torarin
1人!!!

末兼研究員
一方で、甲冑は国宝と重要文化財だけでも、日本に170件もあるんだよ。たった1人でそれらを修理することができると思う?

torarin
む、無理だリン...!

末兼研究員
絶望だよね。でも文化財の関係者たちは、修理事業をあきらめなかったんだ。今回はバンクオブアメリカという金融機関の文化財保護プロジェクトからの助成を受けて、それぞれの専門分野を担当できる専門家の力を集結させることによって、修理が実現したんだよ。この縹糸威胴丸をきっかけに、文化財の修理には多くの人の想いがこもっていることも知ってもらえると嬉しいね!

torarin
これからもみんなで協力して、修理した作品を未来に受け継いでいけたらいいね!末兼研究員、ありがとリーン!

末兼研究員
みんなの想いがつまった鑑賞ガイドもよろしくね!

鑑賞ガイドを広げる二人。末兼研究員の頭にはいつの間にか兜が

torarin
あ!ボクの兜!

末兼研究員
ドヤ。
兜をかぶってドヤる末兼研究員

末兼研究員torarin
展示室で待っているリン!


\展覧会概要/
修理完成記念 特別公開 重要文化財 縹糸威胴丸
■会期:
2024年6月18日(火)~ 8月4日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館1F-5
■休館日:
月曜日
※ただし7月15日(月・祝)は開館、翌16日(火)休館
■開館時間:
9:30~17:00(入館は16:30まで)
金曜日は20:00まで開館(入館は19:30まで))



torarin
展示室に入る前と後には、水分補給も忘れずにね!

末兼研究員
鑑賞ガイドの威とトラりんボトルの色がリンクしているミラクル...

鑑賞ガイドとトラりんボトル
トラりんボトル通販サイト https://www.kyohaku-shop.com/museumgoods

TOP
TOP

タイトルとURLをコピーしました

SNSでシェアする
X
facebook
LINE
copy