こんにちリン!
トラりんだリン!
(トラりん)
きょうは秋季特別展「仏教と夢」を開催中の、龍谷ミュージアムに遊びに来たリン!
いったいどんな展示なのかな?
(龍谷ミュージアム 岩田学芸員)
こんにちは、トラりん!展覧会の担当、岩田朋子です。よろしくね!

初めまして!よろしくリーン!
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テーマは誰もがみたことのある「夢」。仏教の物語の中には、お釈迦さまのお母さま(摩耶夫人・まやぶにん)がみた夢や、西遊記のモデルとなった中国の唐代の有名なお坊さん、玄奘(げんじょう)さんがみた夢とか、夢にまつわるいろんなお話があるんだよ。この展覧会では、夢のお話や夢に登場するほとけさまをたくさん紹介しているよ。トラりんが知っているお話もあるかもね。

へー!面白そうだリン!
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それじゃあ、さっそく展示室にいってみよう!
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スヤァ...💤
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まず最初に紹介するのが、「ナーガ上のヴィシュヌ」、そして「ナーガとヴィシュヌ」だよ。

いったいどんな作品?
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トラりんはインド神話を知っているかな。インドの神話には、ヴィシュヌという神さまが出て来るんだけど、「この世はヴィシュヌが夢みている一睡の出来事」という世界観があるよ。

えー!この世って...ボクたちのいるこの世界? 神さまの夢の中にいるなんて、ふしぎな気分になるリン...!
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ふふふ、ようこそ、インド神話の世界へ。この作品はインドの細密画。ここで紹介するナーガは大きな蛇の神さま。12の頭を持つナーガの上で、ヒンドゥーの神さま・ヴィシュヌが眠り、夢をみていると、おへそから生えた蓮華の上に、ブラフマー神という神さまが生まれた場面。足元で座っているのがお妃さまのラクシュミーで、日本では吉祥天(きっしょうてん)と呼ばれているよ。


この真ん中で横になっている神さまがヴィシュヌさま? ヘビりんの上で寝るなんてなかなかぶっ飛んでいるリン! ヘビりんは長いから「ナーガ」なの?
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うーん、サンスクリット語だからね。それにしても、長いから「ナーガ」は覚えやすいね(笑)。ちなみに、この蛇の名前は「アナンタ」。「無限の」という意味なんだよ。

なんだか壮大だリン...!
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こちらは起きているときのヴィシュヌの姿。

あ、立っているリン。うしろにいるのは...やっぱりヘビりん!

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そう、背後にいるのは、さきほど紹介した大きな蛇と同じ蛇神だよ。頭の数はいろいろ。ヒンドゥーの3大神は、世界の創造を司るブラフマー、世界の維持を司るヴィシュヌ、世界の破壊を司るシヴァ、の3柱。それぞれが働いて、世界を形作っている、と考えられているんだよ。
インド神話って面白いリン!!
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では、いよいよ仏教経典に説かれる夢を見ていこう。トラりんは仏教を開いた人を知っているよね?

もちろん!お釈迦さまだリン!
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さすが博物館の子。仏教と夢とのつながりは、お釈迦さまが生まれる前のお話から始まるよ。
こちらの2つの作品は「仏伝浮彫(ぶつでんうきぼり)」といって、お釈迦さまの生涯をレリーフ(浮彫)にして表したものだよ。

石に彫られた彫刻なの?あ、ゾウりんがいるリン!

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よく気付いたね!お釈迦さまのお母さま(摩耶夫人)は、お釈迦さまが生まれる前に光り輝く6本の牙をもつ白い象の夢をみたんだよ。インドでは、白い象が昔から聖獣とされて、とても大切にされているんだ。

6本牙の白いゾウりん!
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そして、そのあとお母さまの摩耶夫人は、出産のために故郷に帰る途中、ルンビニーという園に立ち寄ったんだ。そこで、お母さまが無憂樹(むゆうじゅ)という大きな木の枝に右手をかけたときに、右脇からお釈迦さまが生まれたというお話があるよ。ひょっこり出ている赤ちゃんがみえるかな?もうすでに、小さなブッダの姿をしているね。


わきの下から生まれるなんて、さすがお釈迦さまだリン!白いゾウりんの夢はどんな関係があるの?
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「托胎霊夢」について少し詳しくお話すると...お釈迦さまは人間界に生まれる前に兜率天(とそつてん)という天界にいて、「菩薩」と呼ばれていたんだよ。その菩薩(のちのお釈迦さま)が「6本牙の白い象に姿を変えて」あるいは「6本牙の白い象に乗って」、お母さまになる摩耶夫人のお腹に入ったという物語が仏教経典には伝えられているよ。古代インドでは、もともと輪廻転生という考え方があるから、このお話はその影響もあるんだよ。

お釈迦さまは生まれる前、菩薩さまだったんだね!白いゾウりんはなんだか神聖なイメージだリン♪
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お釈迦さまにまつわる物語には、興味深いお話がたくさんあるから、この展覧会では「夢」をキーワードに、いろいろなお話と作品を一緒に紹介しているよ!

面白そうだからおともだちにもぜんぶ紹介したくなるリン♪
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そして最後に紹介するのは「仏伝涅槃図(ぶつでんねはんず)」だよ。


「ねはんず」はボクもよく見るリン!いろんないきものが出てくるリン!
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よく知っているんだね。この涅槃図には、ある生きものがたくさん出てくるんだけど、何かわかるかな?

え、何だろう。じーっ...あ、ここにも、ここにも、ゾウりん!
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正解!またしてもゾウだね。この涅槃図は、真ん中の涅槃図を取り囲むように、お釈迦さまの生涯も描かれているのが特徴だよ。そして仏教経典を読むと、実はこれらは同じゾウではないみたいなんだ。真ん中のお釈迦さまが亡くなったシーンにいるのは、お釈迦さまが亡くなったことを悲しんでいるゾウだよ。

悲しそうに泣いているリン!
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こっちの雲に乗ってやってくる白いゾウは、先ほど見た「托胎霊夢」の場面でお母さまのところまでたどり着くためにお釈迦さまが姿を変えているゾウ。そして異教徒との術比べの物語に登場するゾウもいるんだよ。細かく見ていくと、いろんな発見があるね。

いろんなゾウりんが出てくるリン!見ていて飽きないリン♪
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それとね、トラりん。お釈迦さまにまつわる夢の話をたくさん見てきたけど、実は、悟りを開いた後のお釈迦さまは、夢をみないんだ。

え?どうして?
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仏教では、この世は迷いの中にある夢幻のようなすがたで、欲望があるからきちんと世界を見通せないって説明されるんだ。だから、悟りを開いて「ブッダ」、つまり「目覚めた人」となったお釈迦さまは、夢はみないことになるでしょ?

ええ?ってことは、この世はやっぱり、夢ってこと...?
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最初のインド神話にお話が戻ってきたね!お釈迦さまのお話だけじゃなく、中国や日本のいろんな夢のお話を紹介しているから、ぜひ気軽に楽しく展示を見てくれると嬉しいな。

いっぱい教えてくれてありがとリン!おもしろかったリン♪
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ところでトラりんは、最近夢をみた?

えっとねー、すーっごく長い夢をみたリン...!
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漫画「トラりんと宋元仏画」、わたしも読んだよ。とっても面白かった!
■漫画「トラりんと宋元仏画」

夢って、みているときはそれが夢ってわからないから不思議だリン!目が覚めるとびっくりして、現実に帰ってきたことが分かって、ほっとするリン!
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ほんと、そうだよね~。...ところでトラりん、今こうしておしゃべりしているこの世界は、ほんとに現実なのかなぁ。

...え?
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秋季特別展「仏教と夢」
https://museum.ryukoku.ac.jp/exhibition/2025/yume/
■会期:
2025年9月20日(土)~11月24日(月・休)
■会場:
龍谷大学 龍谷ミュージアム(京都駅から徒歩約12分 西本願寺前)
■休館日:
月曜日
■開館時間:
10:00~17:00(入館は16:30まで)
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\夢で逢えたら/
