こんにちリン!
トラりんだリン!
(トラりん)
きょうは京都市学校歴史博物館に遊びに来たリン!いったいどんなところなのかな?「学校」とついているから、ボクもお勉強もーどに、へーんしんっ!
(森田学芸員)
トントン、転校生のトラりんくんかな?ようこそ、学校歴史博物館へ!

ん?呼んだ?トラりんだリン!きょうからよろしくリン!!!
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学芸員の森田淑乃です。ここは学校歴史博物館という名前の通り、京都市の学校の歴史について紹介する博物館だよ。教科書や文房具をはじめ、学校にあったものや、学校に伝わった美術工芸品などを展示しているよ。博物館の建物は開智(かいち)小学校という小学校の校舎だったんだ。

へー!本物の学校が博物館になっているなんて面白いリン♪
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それではさっそく、ご案内するね!

じゅんびぼんたんあめだリーン✨
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うん、「準備万端」だね!!シャキーン!!
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京都市学校歴史博物館では、常設展と企画展があるよ。現在開催中の企画展は、「墨が彩る書と画―京の学校文化財―」というテーマ。「墨」による表現に注目して、京都の学校に伝わった書や画の作品を紹介しているんだ。
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墨?ということは、すいぼくがたいぷ?
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そう!京都国立博物館で開催されていた特別展「宋元仏画―蒼海(うみ)を越えたほとけたち」でも、水墨の作品がたくさん紹介されていたね。展覧会を見たあとだから、トラりんもだいぶ詳しくなったんじゃない?
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ボク、宋元時代にタイムトリップしてお勉強してきたリン!
■漫画「トラりんと宋元仏画」
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じゃあ、こんな水墨の作品はたくさん見てきたかな?

生祥顕瑞図(せいしょうけんずいず) 国井応陽(くにい おうよう)筆 元・生祥小学校所蔵
旭日松図(きょくじつまつず) 岸駒・岸岱(がんく・がんたい)筆 元・小川小学校所蔵
松芝萬年図(しょうしまんねんず) 今尾景年(いまお けいねん)筆 元・富有小学校所蔵
旭日老松図(きょくじつおいまつず) 鈴木松年(すずき しょうねん)筆 元・成逸小学校所蔵
墨竹図(ぼくちくず) 天野方壺(あまの ほうこ)筆 元・竹間小学校所蔵
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わー!すいぼくががたくさん!
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「竹虎図」から生まれたトラりんには、やっぱりこの作品が似合うね。
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竹だリン!
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この作品は「墨竹図」。天野方壺という「南画(なんが)」を学んだ人が明治時代に描いたんだ。南画は中国の絵画に影響を受けた日本の絵画だよ。
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宋元仏画展で紹介した中国の絵画を思い出すリン♪それにしても、中国でも日本でも、みんな墨で竹の絵をよく描くのはなんでかな?たけのこが好きだから?
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「たけのこ」が好きなのはトラりんのこと?(笑)「墨竹」は水墨で描いた竹のことで、竹はまっすぐ伸びることなどから、人が目指すべき理想的な姿と重ねられてきたんだ。
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まっすぐ伸びる竹みたいな人が、みんなの憧れだったんだね♪
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この作品は竹間(ちっかん)小学校という小学校に伝わったんだよ。竹間は竹の間って書くんだけど、名前に竹がついている小学校に竹の絵が贈られたなんて、素敵だよね。学校の玄関と講堂を新しく建てた時のお祝いだったといわれているよ。
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子どもたちが竹のようにすくすくまっすぐ成長してくれるのを願っていたのかもしれないリン♪
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トラりんが思ってくれたように、子どもたちへのメッセージを込めて贈られたと考えられている作品だよ。
それでは次に紹介するのは...これもトラりんと関係があるかも。国宝「瓢鮎図(ひょうねんず)」の江戸時代の模本と高精細複製品だよ。

原本:退蔵院(たいぞういん)所蔵
※展示は2025年11月30日(日)で終了しました。
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うーん、どっかで見たことがあるような?それにしても、どうしてボクと関係があるの?
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「瓢鮎図」は室町幕府の第4代将軍である足利義持の命で、如拙(じょせつ)という絵を描くお坊さんが描いたよ。妙心寺退蔵院が所蔵する「瓢鮎図」の原本は、京都国立博物館に寄託されているんだ。
本物は京博にあるんだ!
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2025年春に京博で開催されていた、大阪・関西万博開催記念 特別展「日本、美のるつぼ―異文化交流の軌跡―」でも展示されていたね。「瓢鮎図」は国宝だから、展覧会でもめったに見られない作品。そんな貴重な文化財をもっと身近に感じられるように作られたのが複製品だよ。本物とは違うけど、高精細で複製された作品をじっくり見られるのは、学校教育でもとても有意義なんだ。
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なるほどリン!あれ?こっちの江戸時代に描かれた方は、ひょうたんを持った男の人のお顔が分かりやすいリン!
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トラりん、いいところに気が付いたね!模本は江戸時代の絵師によって描かれたものだから、原本の写真をもとに作られた複製品と見比べてみると、表現が異なるところがあるんだ。「瓢鮎図」は「ひょうたんでどうすればナマズを捕えられるか」という禅問答を表している絵。ひょうたんを持つ男の人の目の前にナマズが描かれているね。ナマズが泳ぐ川やその周囲の風景に水墨山水画の表現もみられるよ。如拙が描いた絵の上には31人の禅僧たちの問答に対する答えが漢詩で書かれているよ。
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ぬるぬるしたナマズりんを口の小さいひょうたんに入れるの?ムムム、難しすぎておなかがすいてきたリン...
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トラりんのおなかがぺこぺこになる前に、最後の作品を紹介するね!

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勢いがあってかっこいい絵だリン!どうしてこんなポーズをしているの?
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この作品は「魁星図」というんだけど、「魁」の漢字をみてみると鬼と斗という文字が組み合わさっているね。だから、鬼が斗(ます)を蹴り上げるような姿が描かれているんだよ。
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「斗」をきゃっち!漢字をあらわした絵なんて面白いリーン♪
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作者の鉄斎は、この作品が贈られた学校の近くの車折(くるまざき)神社で宮司をつとめていたんだ。その縁で地域の人から学校に贈る絵を描いてほしいと頼まれたと伝わっているよ。鉄斎は中国の思想をよく勉強していた人だったから、魁星(かいせい)という中国の学問の神様を、学校に通う子どもたちのために描いたんだよ。
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ん?学問の神さま?
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そういえば、京博で次に開催される特別展「北野天神」は、学問の神さまとして有名な天神さまがテーマだね!どの作品も、トラりんに関係があったね。
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ほんとだ!!すごい偶然だリーン!
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京都市の学校に伝わった墨で描かれた絵や書はどうだった?作品に込められている、子どもたちに元気でいてほしい、頑張ってほしいというメッセージが伝わってきたかな。学校や子どもたちのために作品を贈った人たちや、それらを大切に現在まで伝えてきた人たちの教育への熱い思いも感じてもらえたら嬉しいな。
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うんうん、どの作品からも、子どもたちを想う気持ちが伝わってきたリン!
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企画展の紹介はここでおしまいなんだけど、常設展もぜひ見てほしいな。学校にまつわるいろんな展示があるんだ。
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面白そうだリン!
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トラりん、これを見て!何に使われたものか分かるかな?

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なんだか戦国時代の展示にありそうだリン!運動会とか?
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なかなか想像がつかないよね。実は昔の学校には、消防署の役割もあったんだ。これは「まとい」と呼ばれる火事のときに使った道具で、火事が起こると屋根にまといを立てて、どの組が火を消しているかを知らせたよ。このまといには「上京十六」と記してあって、聚楽という学区のものであることが分かるよ。
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へー!おもしろいリン!
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それから、ここは教科書の部屋。
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教科書!?じゃあボクもお勉強もーどで、しゃきーん✨
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似合うね、トラりん!教科書の部屋は明治2年に番組小学校ができた頃に使っていた教科書から昭和後期の教科書まで、教科書の歴史を紹介しているよ。手にとって読んでもらえるように大きくした教科書の複製の展示もしているよ。
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いろんな教科書があるリン!ページもめくって見られるんだね!
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これはカタカナバージョンの昔話だね。何のお話か、わかるかな?
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絵がついているリン!これはおサルりんかな?
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「サル ガ カキ ノ タネ ヲ カニ ニ ヤリマシタ」で始まっているから「猿蟹合戦」のお話だね。この教科書は大正7年に発行されたよ。今でいう国語の教科書だね。

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みんなで教科書を音読したりしたのかな?楽しそうだリン♪
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そして最後はとっておき。学校といえば、おひるごはんは給食!

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給食!!!!
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こんなおいしそうな展示もあるから、ぜひまたゆっくり遊びに来てね!
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給食!給食!ボクも食べたいリーン!
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あはは、トラりんはきっと給食のために学校に行くタイプだね。
常設展も企画展も、それぞれ趣向を凝らしているよ!そして、この博物館は、建物全体も見どころ!明治時代の木造の正門や、大正時代に石でつくられた石塀、戦前から戦後にかけて建てられた鉄筋コンクリート造りの校舎など時代も素材もバラエティに富んだ学校建築を楽しむことができるよ。トラりんが今いる建物も戦前に建てられた開智小学校の校舎なんだよ。
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歴史を感じる小学校が博物館として大切にされているなんてすてきだリン♪ねぇねぇ、この階段の手すりについている丸いものはなぁに?
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トラりんみたいにやんちゃな子が階段を降りるときよくすること、それは手すりくだり!楽しい気持ちは分かるけど、子どもたちが滑って遊ぶと危ないから、この丸いものがつけられたと言われているよ。
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しゅるるる~ぴたっ☆学校楽しいリーン♪
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実は、私は学生時代に京博の「文化財ソムリエ」として活動していたんだよ。文化財の複製品を使って、小学校で子どもたちに文化財の魅力を伝える授業をしていたんだ。
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え?そうだったの!?
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今回の「瓢鮎図」の特別展示でも、原本を守りながら作品の魅力を伝えることができる複製品の凄さについて紹介しているよ。文化財ソムリエとしての経験が、学校歴史博物館の学芸員として仕事をする原動力になっていると感じているんだ。今日はトラりんに当館のことを紹介できてとても嬉しかったよ。これからも文化財ソムリエの卒業生として、博物館をもっと盛り上げていきたいと思っているよ!
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森田学芸員が、文化財ソムリエの卒業生だったなんて!京博での経験が、いまのおしごとの役に立っていることが分かって、ボクもうれしいリン!(泣)ボクもいっしょに、博物館をもっともっと盛り上げるリーン!
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ありがとう、トラりん!いっしょにがんばろうね!
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博物館で待っているリン!
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企画展「墨が彩る書と画―京の学校文化財―」
https://www.edu.city.kyoto.jp/rekihaku/exhibition/R7/070923/index.html
■会期:
2025年9月23日(火・祝)~12月21日(日)
■会場:
京都市学校歴史博物館
■休館日:
水曜日(休日の場合は翌平日)、2025年12月28日~2026年1月4日
■開館時間:
9:00~17:00(入館は16:30まで)
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ボクがひょうたんを持っているから、泳いで入ってきて!!
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にょろにょろ~🐟