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2026年1月13日

特集展示「薩摩島津氏と東福寺即宗院」を見に行くリン♪

こんにちリン!
トラりんだリン!

トラりん、エントランスに登場

トラりん(トラりん)
きょうは羽田研究員と待ち合わせをしているよ!「さつま」なんとかって言っていたから、きっと焼きいもパーティだリン!

羽田研究員(羽田研究員)
いしや~きいも~。
羽田研究員、焼きいもの箱をもって登場

トラりん
焼きいも屋さん!じゃなかった。
羽田研究員!

羽田研究員
トラりん、せっかくだけど、きょうは焼きいもする日じゃありません。

トラりん
え?

トラりん、焼きいもの箱を覗く

羽田研究員
今から、特集展示「薩摩島津氏と東福寺即宗院」を見に行くんだよ。

トラりん
あ、「さつま」だけ聞こえていたリン。

羽田研究員
今回紹介するのは、東福寺の「即宗院(そくしゅういん)」という寺院に関する展示だよ。「即宗院」は、九州南部、今の鹿児島県あたりをおさめていた島津氏久(しまづうじひさ)という武将の菩提を弔うために、嘉慶元年(1387)に建てられたと伝わるお寺なんだ。永禄12年(1569)に火災で焼失してしまったんだけど、子孫の島津家久(いえひさ)ががんばって、慶長18年(1613)に再建したんだよ。
その歴史を伝える古文書は、長い間行方不明だったのだけど、それがこのたび京博に、なんと88通も寄贈されたんだ。ほとんどは書状、つまりお手紙で、今展示しているものは即宗院の再建プロジェクトにかかわる貴重な作品なんだよ。

トラりん
そんなすごい作品が見つかったんだ!
でも、九州と京都だと、お手紙が届くのはずいぶん遅くなるんじゃない?

羽田研究員
今みたいに便利な世の中じゃないから、お手紙ひとつ届けるのも、大変だっただろうね。ちなみにこの時期の島津氏は、京都の伏見に屋敷を持っていて、再建プロジェクトを動かしていた島津氏の家臣は伏見に住んで事業に携わっていたと思われるよ。

トラりん
伏見と東福寺ならご近所だリン!だったら、再建するのもあっという間だったのかな?

羽田研究員
いやそれが、この事業には、30年以上もかかっているんだよ。

苦労を語る羽田研究員

トラりん
なんでそんなに長い時間がかかったの?

羽田研究員
島津氏はもともと鎌倉時代、南九州に興った武家の名門で、この即宗院を再建しようとしたときは、九州制覇に乗り出した頃、つまり、とても勢いがあったんだ。

トラりん
イケイケだリン!

羽田研究員
でも、即宗院再建プロジェクトの途中で、あの豊臣秀吉の九州攻めがあったり、関ヶ原の戦いがあったり、御家の一大事でバタバタして、お寺の再建どころじゃなくなってしまったんだ。

トラりん
それで30年以上もかかったんだね!

羽田研究員
それでは、さっそく展示室に...

羽田研究員トラりん
行ってみよう!
羽田研究員とトラりんが軽やかなステップで展示室に向かう



羽田研究員
最初に紹介するのは「沼津承正書状(ぬまづじょうしょうしょじょう)」だよ。

沼津承正書状(折紙、仲夏廿九日付) 東福寺即宗院(薩摩島津氏菩提寺)関係文書のうち 長岡成光氏寄贈・京都国立博物館所蔵
沼津承正書状(折紙、仲夏廿九日付) 東福寺即宗院(薩摩島津氏菩提寺)関係文書のうち
長岡成光氏寄贈・京都国立博物館所蔵

トラりん
じゅるり...さつまいもカラーだリン...🍠

羽田研究員
そんなところに気づかないの!

トラりん
えぇっと最初の作品は...あれ?沼津?さっきからお話に出ていたのは島津じゃないの?

羽田研究員
この手紙を書いた人は、沼津承正という画家なんだ。

トラりん
画家!?

羽田研究員
文中に「御座敷絵の儀」と書いてあるのが見えるかな。この画家は、島津氏から依頼を受けて即宗院の障壁画(しょうへきが)を製作したらしい。東福寺のお坊さんに、できた絵の取り付けのスケジュールを尋ねている手紙だよ。

沼津承正書状(折紙、仲夏廿九日付) 東福寺即宗院(薩摩島津氏菩提寺)関係文書のうち 長岡成光氏寄贈・京都国立博物館所蔵

トラりん
へー!有名な画家だったの?どんな絵を描いたのかな?

羽田研究員
残念ながら障壁画は失われてしまっていて、承正の作品で残っているのはお医者さんの肖像画1点なので、どんな人だったのか謎に包まれているんだよ。この手紙が、彼の足跡を知るヒントになるかも。

トラりん
古文書から解き明かされるみすてりー!すごいリン✨
ところで、どうして下半分の文字はさかさまになっているの?

羽田研究員
よく見ているね、トラりん!
当時は「折紙(おりがみ)」といって、紙を半分に折って文章を書くことがあったんだ。このお手紙を見てね。

トラりん
あ、羽田研究員がボクに書いてくれたお手紙?

羽田研究員
まず、こうやって紙を上下に半分に折って、折り目を下にした状態で、右から左に向かって書いていくよ。

縦半分に折った手紙、折り目は下。トラりんへの時候の挨拶などが書かれている

トラりん
フムフム...

羽田研究員
そして、文章が長くなると、折り目を下にしたままひっくり返し、続きを書いて...

縦半分に折った手紙を、折り目は下のままひっくり返し、続きを書いた手紙。結びの挨拶、日付や宛名などが書かれている

トラりん
折り目はいつも下にするんだね☆

羽田研究員
紙を開いたら、こうなるよ。じゃーん。

トラりん
ぱか!文字がさかさまになっているリン!

折り目を中心に上下で向きが逆になっている手紙

羽田研究員
文字が上下向かい合うお手紙は、こういう書き方をされていたんだよ。

トラりん
なっとくだリン!

羽田研究員
それでは次に紹介するのは「北郷時久書状(ほんごうときひさしょじょう)」だよ。

北郷時久書状(切紙、潤三月十一日付) 東福寺即宗院(薩摩島津氏菩提寺)関係文書のうち 長岡成光氏寄贈・京都国立博物館所蔵
北郷時久書状(切紙、潤三月十一日付) 東福寺即宗院(薩摩島津氏菩提寺)関係文書のうち
長岡成光氏寄贈・京都国立博物館所蔵

トラりん
どんなお手紙?

羽田研究員
この手紙が書かれたのは、天正8年(1580)閏(うるう)3月11日。冒頭に「即宗庵御再興に就き」と書いてあって、この再建プロジェクトの初期段階のものだよ。島津氏はライバルの豊後国(大分県)の大友氏に圧勝した後で、九州制覇に向けて勢いに乗っている時期だったんだ。

トラりん
イケイケどんどんだリン!

羽田研究員
ただ、さっきも言った通り、時代の変化にともなう御家の危機で、再建プロジェクトは順調には進まず、結局30年以上かかったんだよ。

トラりん
戦国の世は大変だリン!

羽田研究員
この手紙が展示の最初にあることからも分かってもらえると思うけど、作品は時代順に並んでいるよ。順番に見ていくと、再建の流れが追えるようになっているんだけど、こんなふうに手紙の内容などから、書かれた年代を特定したり、しぼりこむのはとっても大変で...

トラりん
研究員も大変だリン!!

羽田研究員
手紙の見た目にも注目してみよう。何か気づいた点はないかな?

「北郷時久書状(切紙、潤三月十一日付)」の冒頭部分、紙の端に切り込みがあり、紐のようになっている

トラりん
うーん、このぴらってなっているところ!

羽田研究員
そう、気になるよね。これ、なんだと思う?

トラりん
なんだかひっぱりやすそうな形をしているリン!

羽田研究員
なかなかいい線いっているね。当時、こうした手紙は左端からたたんだ状態で届けられたよ。だから、たたんだ後にこのひもに見える部分で結んでいたんだ。

「北郷時久書状(切紙、潤三月十一日付)」を見つめる二人

トラりん
中身を見られないようにしたのかな?

羽田研究員
鋭い!さすが博物館の虎!そんなわけで、読み解きは難しいけど、とても貴重な作品であることは、トラりんも分かってくれたんじゃないかな。

トラりん
うん、おもしろかったリン!

羽田研究員
鑑賞ガイドに、現代の活字になおした手紙の全文を載せているよ!ぜひ見ながら展示を楽しんでね!
鑑賞ガイド(PDF)
torarin

トラりん
羽田研究員、ありがとリン!おなかがすいてきたらから、おいもを食べに行こ!

羽田研究員
...トラりん、もしかしてずっとおいものこと考えてた?

トラりん羽田研究員
展示室で待っているリン!
エントランスの階段に座る二人




特集展示 薩摩島津氏と東福寺即宗院
■会期:
2025年12月16日(火)~2026年1月25日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館1F-2
■休館日:
月曜日、2025年12月29日(月)~2026年1月1日(木・祝)、2026年1月13日(火)
※ただし2026年1月12日(月・祝)は開館
■開館時間:
9:30~17:00(入館は16:30まで)
金曜日は20:00まで開館(入館は19:30まで)
■関連土曜講座:
2026年1月24日(土) 13:30~15:00
「東福寺即宗院とその文書」
講師:羽田 聡(京都国立博物館 企画室長兼美術室長)
当日、9:30より平成知新館1階インフォメーションにて整理券を配布します。定員になり次第、整理券配布を終了いたします。

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