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展示

2026年3月 3日

特集展示「縁(えにし)を結ぶかたな―国宝・重要文化財で学ぶ刀剣鑑賞―」を見に行くリン♪

こんにちリン!
トラりんだリン!

トラりん、糸電話をもって、「抜虎図」の前に登場

トラりん(トラりん)
きょうは末兼研究員とお電話がつながっているよ!
もしもーし!
トラりん、糸電話のコップを口に当てる

末兼研究員(末兼研究員)
はいはーい、トラりん。聞こえているよ。
(ってか、糸電話の意味ある?)

トラりんの糸電話の先に末兼研究員が登場

トラりん
だって今回のテーマは「縁(えにし)」でしょ?「縁」といえば「糸」だリン!

末兼研究員
ははーん、「運命の糸で結ばれている」的なね?

トラりん
そうそう!てわけで、きょうは糸電話でお話しするリーン♪リンリン♪

末兼研究員
展示室では危ないからやめなさい~。ちょ、あばれないの!(笑)

トラりん
ボクの糸電話―!

トラりんと末兼研究員が糸電話をめぐって争う

末兼研究員
あ、これ虎を釣ってるみたいで楽しいかも。

トラりん
ひとりで遊んでずるいリーン!

末兼研究員
「もしもーし、それじゃあ展示室に行きまーす!」

トラりん
ボクも行くっ!
末兼研究員が糸電話を独占



末兼研究員
さて、今回紹介するのは、特集展示「縁(えにし)を結ぶかたな—国宝・重要文化財で学ぶ刀剣鑑賞—」
ご覧の通り、2部屋にわたって刀剣を展示しているよ。
ところでトラりん、「かたな」ってどんなふうに鑑賞しているかな?

トラりん
え?うーんとね、かっこいいリン!って思いながらじーっと見て。

末兼研究員
うん。

トラりん
いろんな形があるリン!と見比べながらも...だんだん、全部同じに見えてくるリン。

末兼研究員
ふむふむ、これまで何度もかたなを一緒に紹介してきた同志とは思えぬ発言ではあるが、トラりんは1歳の虎だから、許してしんぜよう。

トラりん
心が広いリン!(青魚のこと思い出しておなかがすくって言わなくてよかったリン)
あ、ここに鑑賞ポイントがあるね!
日本刀鑑賞ポイント(PDF)

展示室の解説看板と二人

末兼研究員
この展示では、文化財や美術品のなかでも、普段の生活では身近に感じる機会がない「かたな」の見どころについて、4つのテーマ「形」「銘(めい)」「刃文(はもん)」「刀身彫刻」に沿って紹介するよ。
今回展示したのは、国宝・重要文化財に指定されている選りすぐりのかたなたち。そんな貴重なかたなたちでお勉強できる、とっても贅沢な展覧会なんだ。

トラりん
すごいことだリン...!

末兼研究員
まず最初に紹介するのは、「銘」が見どころのこちら!「名物桑名江(くわなごう)」

重要文化財 刀 金象嵌銘 本多美濃守所持/義弘本阿(花押)(名物桑名江) 京都国立博物館所蔵 <1F-4>
重要文化財 刀 金象嵌銘 本多美濃守所持/義弘本阿(花押)(名物桑名江)
(かたな きんぞうがんめい ほんだみののかみしょじ/よしひろほんあ かおう)
京都国立博物館所蔵 <1F-4>

トラりん
堂々とした強そうなかたな!ところで、「銘」ってなぁに?

末兼研究員
銘とは、茎(なかご)と呼ばれる持ち手の部分に刻まれた文字情報のことだよ。製作者の名前だけのものもあれば、居住地や製作年月日まで記したもの、後世の鑑定の結果や、加工履歴、所有者名が刻まれていることもあるんだ。

トラりん
ここの部分?何か文字が書いてあるリン!

名物桑名江の銘のアップ。金字で「義弘本阿」と花押がある

末兼研究員
桑名江には後世の鑑定の結果として、越中(現富山県)の刀工・義弘(よしひろ)の名と、所有者である本多忠政の名が刻まれているよ。刻んだのは本阿弥光徳(ほんあみこうとく、1554~1619)。本阿弥光徳は刀剣の鑑定をなりわいとした江戸時代初め頃の人。

トラりん
かたなを作った人と、かたなを鑑定した人の名前が入っているんだ!

末兼研究員
作者の義弘は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて相模国(現神奈川)で活動した刀工、正宗(まさむね)の弟子と伝えられていて、大江氏出身であることから「江」(ごう)と呼ばれたよ。実は、現存作例に義弘自身が銘を刻んだものはなく、義弘とされる作品は後世の鑑定の結果なんだ。銘にはいろんな情報が詰まっているから、絶対に見逃せない部分だよ。

トラりん
歴史を知るじゅうような手がかりだリン✨

末兼研究員
次に、「刃文」が見どころの作品はこちら。

重要文化財 太刀 銘 雲生 京都国立博物館所蔵 <1F-5>
重要文化財 太刀 銘 雲生(たち めい うんしょう)
京都国立博物館所蔵 <1F-5>

トラりん
すらっとしたかっこいいかたな!ところで、「刃文」って...

末兼研究員
刃文というのはね、刀剣に武器や道具としての硬度や柔軟性を持たせるための処理<焼入(やきいれ)>を行うことで生じる文様のことだよ。様々な形があって、鑑賞する際に絶対外せない見どころだね。作者や流派を判断する要素にもなるよ。

トラりん
(食い気味に説明してくれているリン)

末兼研究員
雲生は備前(現岡山県)の人で、旭川の支流、宇甘(うかい)川右岸に存在した宇甘郷(ごう)で活動した、宇甘派と呼ばれる刀工集団の祖だよ。同時代の備前鍛冶と比べるとやや異風な作風のものが多く、山城や大和といった京都の鍛冶との交流をうかがわせるよ。

トラりん
「刃文」を見るだけでいろんなことが分かるんだね!

太刀 銘 雲生のアップ

末兼研究員
そして最後に紹介するのが「刀身彫刻」が見どころのこちら。

重要文化財 短刀 銘 吉光(名物秋田藤四郎)(たんとう めい よしみつ めいぶつあきたとうしろう) 永藤一氏旧蔵・京都国立博物館所蔵 <1F-5>
重要文化財 短刀 銘 吉光(名物秋田藤四郎)
(たんとう めい よしみつ めいぶつあきたとうしろう)
永藤一氏旧蔵・京都国立博物館所蔵 <1F-5>

トラりん
小さくてするどく光るかたな!

末兼研究員
刀身彫刻というのは...

トラりん
ちょ、ちょうこくは分かるリン!

末兼研究員
まぁ、刀身彫刻は刀身に彫られたものだからそのまんまだね。
この短刀の作者の吉光は鎌倉時代に京都の粟田口(あわたぐち)で活動した刀工。吉光は作品がたくさん残っているけど、この短刀はそのなかでも最も小ぶりで繊細なもの。差表(さしおもて)には梵字と利剣が彫られているよ。差表というのは、刀を身に着けた時、外側になる面のこと。ほら、ここを見て。

トラりん
ん?かたなにかたなが彫られているリーン!ふっしぎー!

山内研究員、登場

末兼研究員
そうそう、それが「利剣」。不動明王が右手に持っている剣を利剣というよ。その切っ先のほうに彫られている梵字は、研ぎ減っていてちょっと見えにくいけど、不動明王をあらわす「カーン」だよ。

トラりん
かたなの彫刻から炎が立ち上っているみたいだリン!

末兼研究員
展示室では見られないけど、裏側は二筋の樋(ひ)が彫られていて、不動明王の加護で所持者を護持することを願ったものではないかと考えられるよ。

トラりん
表も裏も、不動明王さんに守ってほしいという願いが込められたかたななんだね♪頼もしさがはんぱないリーン!

末兼研究員
これでトラりんも今度から、かたなを見るときに、このかたなは「銘」があるリンとか、「刃文」が面白い形だリンとか、刀身彫刻に虎はいないかな?とか、興味をもって鑑賞できるようになるんじゃないかな?

トラりん
ほんとだね!お勉強することで知らなかったことが見えてくるリン!

末兼研究員
もうこれで、全部サンマに見えるリン~とか思わなくなったでしょ。

トラりん
(グッ...バレていたリン...)

末兼研究員
特集展示「縁(えにし)を結ぶかたな—国宝・重要文化財で学ぶ刀剣鑑賞—」は3月22日(日)まで。刀剣について詳しい方にはもちろん、これから刀剣を学んでみたい方にも、おすすめの展覧会です。この機会にぜひじっくり鑑賞してみてくださいね。

トラりん
今回の展示で、たくさんのおともだちとかたなたちのすてきな「縁」が結ばれるといいね♪

末兼研究員
なかなか良いこというじゃん♪

末兼研究員トラりん
京博で待っているリン!
展示室と二人



特集展示 縁(えにし)を結ぶかたな―国宝・重要文化財で学ぶ刀剣鑑賞―
■会期:
2026年2月4日(水)~3月22日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館1F-4・5
■休館日:
月曜日、2026年2月24日(火)
※ただし2026年2月23日(月・祝)は開館
■開館時間:
9:30~17:00(入館は16:30まで)
金曜日は20:00まで開館(入館は19:30まで)



末兼研究員
たーてのいとはト~ラりーん
トーラのいとはあーなた~...♪

トラりん
ん?何か聞こえるリン...

糸がゆるんだ糸電話で遊ぶ二人

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