明けましておめでとリン!
トラりんだリン!
今年もよろしくお願いしますリン♪
いま、京博では3つの特集展示を開催しているリン☆
■特集展示「美麗を極める中国陶磁」
■新春特集展示「亥づくし」
■特集展示「京の冬景色」
今日は、宮川研究員が「いっしょに展示室を見に行こう」って誘ってくれたんだ☆
どんな作品のお話を聞かせてもらえるのか、とっても楽しみだリン♪
宮川研究員:トラりん、こんにちは。
今日は、特集展示「美麗を極める中国陶磁」の作品を見ながらお話ししていこうと思っているよ。
トラりん:え...ごめリン...
それはもう降矢研究員から聞いてしまったリン...
宮川研究員:特集展示「美麗を極める中国陶磁」の松井コレクションには、考古作品もあるんだ。
それでは、早速展示室へ行ってみよう。
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トラりん:松井コレクションには考古分野の作品もあったんだね☆
前回の虎ブログ「特集展示「美麗を極める中国陶磁」~陶磁編~」では中国陶磁に注目していたから、見落としていたリン!
宮川研究員:そう、とてもたくさんのコレクションがあるんだよ。
まずは、「銅金象嵌虎鎮(どうきんぞうがんこちん)」(京都国立博物館所蔵)から見てみよう。
トラりん:虎!!!
宮川研究員:これは、いわゆる文鎮(ぶんちん)だね。
子どものころ、お正月に書初めをしたおともだちも多いと思う。
紙をおさえる細長い重しを文鎮というけど、この作品は2000年くらい前の中国・漢(かん)時代の文鎮なんだ。
よく見ると虎がイノシシを食べるところを表しているね。
漢の時代に紙も筆も墨もあったということだよ。
トラりん:いま1F-5展示室では、新春特集展示「亥づくし」が開催されているけど、虎年はまだまだだから虎の作品が見られてとってもうれしいリン!!!
ありがとリン!!!!!(泣)
しかも、1月27日(日)まで開催の新春特集展示「亥づくし─干支を愛でる─」とさりげなくコラボしているリン!!
宮川研究員:お、落ち着いて。
トラりんに紹介したい作品がたくさんあるんだ。
続いて、「青銅虎符(せいどうこふ)」(京都国立博物館所蔵)。
トラりん:また虎!!!
宮川研究員:この小さな虎は銅でできているよ。
それに頭からしっぽにかけて真っ直ぐ2つに分かれている。
それは、この虎が飾り物でも文鎮でもなく重要な意味を持っていたからなんだ。
トラりん:重要な意味?
宮川研究員:この2つに分かれる虎は、片方を王様(皇帝)が持ち、もう片方を地方にいる将軍が持つんだ。
そしていざ戦争というときに王が将軍に命令書とともにこの片方の虎符を送るんだ。
そうすると将軍は手元の片方と組み合わせて、王(皇帝)からの正しい命令だと判断できるというわけさ。
つまり、ニセ情報ではないことを示す重要なものということなんだよ。
逆に言うと、大昔にもフェイクニュースがあったということだね。
トラりん:ピッタリ合うのは1つだけなんだね!
そんな大切なものに、虎のデザインが使われているなんてうれしいリン!!!
えーん!宮川研究員、やっぱり優しいリン!!(泣)
ありがとリン!!!!!(泣)
ありがとリン!!!!!(泣)
宮川研究員:虎には「強い」イメージがあるから、軍事的なものに用いられていたんだね。
それでは、「連弧文細地虺龍鏡(れんこもんさいじきりゅうきょう)」(京都国立博物館所蔵)を見てみよう。
トラりん:虎は?
宮川研究員:これは古代中国の秦(しん)時代から前漢(ぜんかん)時代はじめころの銅の鏡だよ。
今見ているのは文様のある方で、この裏側が顔を映す鏡面になるんだ。
虎はいないけど、よく見ると小さな龍がいるよ。
ちょうどSF映画でよく見る小型の草食恐竜のような姿だね。
「龍虎」という言葉があるように、中国では虎と龍が強い生き物の代表とされるよ。
トラりん:龍もかっこいいリン!
この作品に虎はいなかったけど、間違いなく両方強くてかっこいい生き物だリン!!
宮川研究員:さいごは「斝(か)」(京都国立博物館所蔵)だよ。
トラりん:か?
宮川研究員:これは古代中国の商(しょう)時代、または、殷代(いんだい)とも呼ばれる時代の青銅器だよ。
三足の器で、酒を温める容器と言われているんだ。
側面には目を持つ獣文、難しく言うと饕餮文(とうてつもん)という怪獣の顔があるよ。
このような青銅器が盛んに作られているので、この時代が呪術優先の時代だったことが想像されるよ。
トラりん:怪獣...呪術...カタカタカタ(震)
でも、むかしのひとが使っていたものから当時の生活を予想するってすごいね!
ぱっと聞いたらなんだか怖いような気がしたけど、きっといろんな時代背景があってそうした暮らしを送っていたんだろうなぁ...
宮川研究員:古代中国の青銅器は、京都国立博物館ではなかなか展示する機会がないので、あわせて楽しんでもらえたらうれしいな。
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特集展示 美麗を極める中国陶磁
■会期:2018(平成30)年12月18日(火) ~ 2019(平成31)年2月3日(日)
■会場:京都国立博物館 平成知新館1F-2・3
■交通:JR、近鉄、京阪電車、阪急電車、市バス
■休館日:
○月曜日
※ただし2018年12月24日(月・休)、2019年1月14日(月・祝)は開館
○年末年始:2018年12月25日(火)~2019年1月1日(火・祝)
○2019年1月15日(火)
○2019年1月29日(火)
■開館時間:
火~木・日曜日:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
金・土曜日:午前9時30分~午後8時(入館は午後7時30分まで)
■観覧料:
一般 520円(410円)
大学生 260円(210円)
高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料です(年齢のわかるものをご提示ください)。
※( )内は20名以上の団体料金。
※大学生の方は学生証をご提示ください。
※障害者手帳等(*)をご提示の方とその介護者1名は、観覧料が無料になります。
(*) 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳
※キャンパスメンバーズは、学生証または教職員証をご提示いただくと無料になります。
■関連土曜講座
○2月2日(土)午後1時30分~午後3時
特集展示「美麗を極める中国陶磁」関連講座
「美麗を極める中国陶磁」
降矢 哲男(京都国立博物館 研究員)
詳細はこちら
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おまけ☆
\虎はかっこいいんだリン!/
※すっかり上機嫌の単純ボーイ☆(京博スタッフのつぶやき)