こんにちリン!
トラりんと末兼研究員だリン!
トラりん:ついに「虎ブログ」での、特別展「京(みやこ)のかたな 匠のわざと雅のこころ」の紹介がエピソードⅣまで来たよ☆
ここから見たーっていうおともだちは、ぜひ、エピソードⅠ、エピソードⅡ、エピソードⅢで、末兼研究員の魂がこもった解説を読んでもらえたらうれしいリン♪
末兼研究員:よーし!
今日もみんなにエピソードⅢまでに伝えられなかった特別展「京のかたな」の魅力をお伝えしちゃうよー!
聞きたい?
トラりん:・・・・・・。
末兼研究員:聞きたいでしょ?
トラりん:はいはーい、ききたーい(棒読み)
末兼研究員:気になってるくせにー!
ほら、いっしょに展示室に行こーう♪
↑本当はとっても聞きたい、素直じゃない刀剣男子
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末兼研究員:今日は「重要文化財 太刀 菊御作(きくごさく)」(京都国立博物館所蔵)。
トラりん:「菊御」リン、というひとが作った刀なの?
末兼研究員:残念、「菊御作」は人の名前じゃないんだ。
よく見ると菊花紋が刻まれているのが見えるかな?
後鳥羽天皇ゆかりの刀剣で、菊花紋が刻まれている刀剣が「菊御作」と呼ばれるよ。
後鳥羽天皇は皇位継承の象徴である三種の神器(鏡・剣・玉)を手にしないまま即位したんだ。
しかも、壇ノ浦の戦いで剣は失われてしまった。
そのせいか、後鳥羽天皇は刀剣にとても強い思い入れがあって、粟田口派や一文字派など、山城・備前・備中の名工を召し出して御番鍛冶とし、月番制で作刀にあたらせたとされる。
この話は公的な記録に記載されたものではないので、「後鳥羽天皇伝説」とでも言うべきエピソードなんだけど、鎌倉時代半ば以降、この伝承が広く武士や工人の間に広まって、鍛冶師に支配階層とのつながりや社会的地位をもたらしたんだ。
後鳥羽天皇は「京のかたな」のキーパーソンだと言えるね。
トラりん:キーパーソン!!
いまのお話だけで、壮大な映画が作れそうだリン...
どの作品にも背景があって、見どころしかないリン!
もう1回言っておくね、
見どころしかないリン!!!
末兼研究員:つづいて「国宝 太刀 銘則国(めい のりくに)」(京都国立博物館所蔵)だよ。
トラりん:さすが、「京博初の刀剣特別展!」
どの刀も素晴らしいけど、さらりと国宝が展示されているリン!!
末兼研究員:後期展示では国宝刀剣が13口展示されているよ。
これだけまとめて国宝作品を鑑賞できる機会はそうないと思うので、ぜひみんなに見てほしいな。
トラりん:素晴らしい作品ばかりだリン...
見どころしかないリン!!!(3回目)
末兼研究員:さて、「太刀 銘則国」について見ていこう。
則国は後鳥羽天皇の御番鍛冶の一人である国友の子とされ、粟田口第一世代の六兄弟に続く第二世代の刀工。
この太刀はまさに粟田口派の真骨頂ともいえる出来栄えだよ。
茎(なかご)の部分に注目してみよう。
目釘孔(めくぎあな)が3つあいているよね。ベルトのサイズを調整するために穴を増やすのと同じで、目釘孔がいくつもあるということは、刀の長さや形が変えられてきたということなんだ。
トラりん:刀って長さや形を変えられるの?!
すごいリン!!
じゃあ、目釘孔が3つあいているということは...
末兼研究員:そう、最低でも3回は形が変えられたってことだね。
でもね、トラりん。
この「太刀 銘則国」は、そうやって当初の姿ではなくなっているにもかかわらず、プロポーションに一切の破綻がなく、むしろ洗練された品位さえ感じられる。
作者の則国のように名前は残っていないけど、刀をその時代その時代にあわせていわばリノベーションしてきた工人の技術の高さが、日本の刀剣文化とそれに携わってきた人々の美意識や水準の高さを物語っているよね。
トラりん:日本の刀剣文化の奥深さを感じるリン!
末兼研究員:おすすめの作品ばかりで、止まらなくなっちゃうね。
次は、「重要文化財 短刀 銘吉光(めい よしみつ)」(名物秋田藤四郎)(京都国立博物館所蔵(永藤一氏旧蔵))。
トラりん:今まで見た刀に比べて小さくて可愛いけど、やるときはやってくれそうだリン!
ふむふむ...こちらが銘吉光かぁ!
どれどれ、隣の刀との違いも見てみるリン☆
こっちの銘吉光も素晴らしいし、こっちの銘吉光も...
あれ?
よく見たらここの展示室、銘吉光だらけじゃない?
末兼研究員:この展示室では希代の名工・吉光の刀を紹介しているよ。
吉光は山城鍛冶の一つの到達点ともいえる存在。
短刀なのに存在感があると思わない?
名物銘がつけられている作品が多いことからも、持ち主から大事にされて伝えられてきたことが感じられるよね。
トラりん:持ち主に大切にされていた...
それが聞けてうれしいリン...とってもあたたかい気持ちになったリン!
末兼研究員:この展覧会では、それぞれの刀に秘められた歴史や物語を感じながら鑑賞してほしいな。
まだまだ見てほしい作品がたくさんあり過ぎて、紹介しきれないけど...
トラりん:これだけ素晴らしい刀が集まって見られることを、我が家ながら幸せに思うリン!
「京博初の刀剣特別展」!!
カリスマ店員の2人:
\つづきは京博の展示室でー☆/
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おまけ☆
末兼研究員: 3F-2展示室には「京のかたな鑑賞ポイント」パネルを設置しているよ♪
刀剣の用語解説や部分名称などを説明しているから、展示と合わせて見てもらえたらうれしいな。
パネルの日本語版のほか、配布用に英語版(English)、中国語版(简体中文)、韓国語版(한국어)も用意しているんだ。
↓↓ダウンロードもできるよ!↓↓
カリスマPR大使:まー☆
とってもわかりやすいっ♪
これを見れば、展示をさらに楽しむことができるリン♪
奥様、これは見逃せないわねっ!
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特別展 京のかたな 匠のわざと雅のこころ
■会期:2018(平成30)年9月29日(土)~ 11月25日(日)
■会場:京都国立博物館 平成知新館
■交通:JR、近鉄、京阪電車、阪急電車、市バス
■休館日:月曜日
■開館時間:
火~木・日曜日:午前9時30分~午後6時(入館は午後5時30分まで)
金・土曜日:午前9時30分~午後8時(入館は午後7時30分まで)
■観覧料:
一 般 1,500円(1,300円)
大学生 1,200円(1,000円)
高校生 700円 (500円)
※( )内は20名以上の団体料金。
※中学生以下は無料です。
※障害者手帳等(*)をご提示の方とその介護者1名は、観覧料が無料になります。
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳
※大学生・高校生の方は学生証をご提示ください。
※キャンパスメンバーズは、学生証または教職員証をご提示いただくと、各種当日料金より500円引きとなります。
■ワークショップ
まぢかで見よう!はじめての刀
■関連イベント
明治古都館で復元模造刀剣の特別公開
長野県無形文化財保持者の刀剣作家・宮入法廣氏の手による「重文 薙刀直シ刀 無銘(名物 骨喰藤四郎)豊国神社所蔵」の復元模造が特別に公開されます。その姿を忠実に再現した刀と一緒に記念撮影もできます!
【時間】入館は閉館の30分前まで
【場所】明治古都館
【料金】無料(ただし「京のかたな」展の当日の観覧券が必要)
■「刀剣乱舞-ONLINE-」コラボ企画
明治古都館で刀剣男士の等身大パネルを展示!
展覧会会期中、京都国立博物館・明治古都館中央ホール(重要文化財)で、「刀剣乱舞-ONLINE-」コラボ刀剣男士の等身大パネルを展示します。
【時間】入館は閉館の30分前まで
【場所】明治古都館
【料金】無料(ただし「京のかたな」展の当日の観覧券が必要)