こんにちリン!
トラりんだリン!
みんなー!!
いよいよ待ちに待った、特別展「河内長野の霊地 観心寺と金剛寺─真言密教と南朝の遺産─」が始まったよ!
いつもなら、特別展のタイトルを聞いても、なになにー?どんな展示?って思うボクだけど、今回は違うよっ☆
だって、河内長野市の観心寺と金剛寺に行ってきたから!
(ばばーん)
詳しくは前回の虎ブログを見てね♪
虎ブログ:特別展「河内長野の霊地 観心寺と金剛寺─真言密教と南朝の遺産─」を予習するリン♪
河内長野市のシンボルキャラクター・モックルりんにも会えたリン♪
観心寺と金剛寺の方のお話も聞いて、予習もバッチリ!
(井並研究員)
トラりん、やる気に満ちあふれているね!
(トラりん)
井並研究員!
この前は、はるばる河内長野市に連れて行ってくれてありがとリン!
きょうは京博の4年にわたる文化財研究の成果を早く見たくて、ウズウズしているよっ☆
じゃあ、さっそく展示室にいってみよう!
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今回の展示は平成知新館の2階と1階でみられるよ。きょうは展覧会の始まる2階から見ていこう。
まず一番に紹介したいのが、観心寺の「国宝 観心寺勘録縁起資財帳(かんしんじかんろくえんぎしざいちょう)(大阪・観心寺所蔵)」<2F-1 通常展示>だよ。
字がいっぱいの巻物だリン!「しざいちょう」って何?
この文書は、平安時代前期の元慶7年(883)につくられた、観心寺の財産目録だよ。
当時、お寺にどんな経典、法具、そして仏像があったのかを知ることができるんだ。
お寺にとっては草創期の歴史を知ることができる貴重な記録といえるね。
平安時代にお寺にあったものがわかるなんてすごいリン!
そうそう!ここを見て。
「綵色如意輪菩薩像一軀」とあるのは、現本尊の「如意輪観音坐像」のことだと考えられているよ。
この前トラりんが内陣に入らせてもらったときに見た厨子の中に安置されている仏様で、このときすでにお寺にあったことが確認できるんだね。
ここも見て!「金色弥勒如来像一軀」「金色佛眼佛母如来像一軀」は、今、1階で展示されている「伝宝生如来坐像(弥勒菩薩)」「伝弥勒菩薩坐像(仏眼仏母)」にあたるらしいんだ。
観心寺は平安時代初期に空海の門下である実恵(じちえ)や真紹(しんじょう)によって整備されたんだけど、そのころに作られた仏像が今も残されていて、しかもそれが確かめられるというのは奇跡的なことだね。
千年以上もずっと大切にされていたんだなぁって胸が熱くなるリン!
そして次は、金剛寺の「国宝 日月四季山水図屏風(じつげつしきさんすいずびょうぶ) (大阪・天野山金剛寺所蔵)」<2F-5 通常展示>だよ。トラりんも、見覚えがあるんじゃないかな?
あ!チラシで見た、お山とお日さまだリン!
そうそう、とても力のある絵で、ファンも多いからメインビジュアルに使わせてもらったよ。
でも、室町時代に描かれたと考えられているものの、作者など細かいことはあんまりわかっていない謎の多い作品なんだ。
当時の屏風に、このように四季の山水を描く例は多くあるんだけど、この絵のように天高く隆起する山、踊るようにうねる松、打ちつけ合う波など、まるで大自然が生きているかのようなエネルギーにあふれた表現は他に例がないよ。
その点でも、どうして作者はこんな表現をしたのか、本当に謎だね。
雲も海も動いているみたいで、パワーを感じる絵だリン!
さらに、金銀箔を大胆に使用したり、波の波頭部分を盛り上げたり、装飾的な技法も駆使して独自の感覚を遠慮なく発揮しているんだ。
お寺では、灌頂(かんじょう)という法を伝える儀式の場で立てられたという伝承があるけど、それだけではまだまだ解けない謎がいっぱいの、魅力あふれる名品だよ。
謎がいっぱい!この迫力、ぜひおともだちも実物を見て、確かめてほしいリン!
前回のブログでも言ったけど、今回は京博がふたつのお寺を調査した成果を紹介する展覧会でもあるんだ。
このブログでは基礎的なことを知っていただくために国宝などの作品を取り上げたけど、会場には新発見といえるものもたくさん出ているから、バラエティーに富んだ作品に出合えると思うよ!
とっても楽しみ!
井並研究員、ありがとリン!
それではここで、仏像彫刻の専門家にバトンタッチしよう!
だれかわかるよね!?
もちろん!
淺湫研究員!!
(淺湫研究員)
トラりん、久しぶり!
久しぶりだリン☆元気だった?
展示作業でとっても忙しかったよ!
トラりんも、河内長野に行ったり、忙しそうだね。
そうだ、聞いて聞いて!
ボク、金剛寺で、懐かしいお姿に出逢えたよ!
金剛寺のご本尊、大日如来坐像だね。
京博で展示されていた時、虎ブログで紹介したね。
虎ブログ:仏像に込められた意味だリン☆
きょうは一緒に、2階の展示室から見ていこう。
こちらは金剛寺の「厨子入愛染明王坐像(ずしいりあいぜんみょうおうざぞう)(大阪・天野山金剛寺所蔵)」<2F-4 通期展示>だよ。実は、京都国立博物館の調査で新発見されたものなんだ。
新発見☆(きらーん)
とってもとっても小さいリン!
小さな円筒形の厨子に納められた、小さな小さな愛染明王なんだ。
愛染明王というのは愛欲という、いってみればマイナスの力を、プラスの力にかえて人々を悟らせるという力をもったほとけさまなんだ。だから通常は愛をあらわす、燃えあがるような赤い色をしているんだ。だけどこのお像は白檀かとおもわれる、日本では取れない種類の木を利用して彫られているんだ。白檀はとてもいい香りがするので、色が塗られていないんだよ。
なるほど!色が塗られていないのは、いい香りを残したかったからなんだね。
こんなに小さなほとけさま、これまでどんな風に大切にされてきたのか気になるリン...
小さいけどとても精巧に作られているから、きっと身分の高い人が大切に持っていたものだったんだろうね。
また、この小さな厨子がさらに、すこし大きめの厨子にいれられて大事にまもられてきたので、扉の内側にはよろいをきた天部像が二体描かれているんだけど、色がとっても良く残っているよ。小さなお像だけど、そんなところにも注目してみてほしいな。
ほんとだ!こちらは色鮮やかだリン!
次に、1階の展示室にいってみようか。
こちらは観心寺の「重要文化財 伝宝生如来坐像(でんほうしょうにょらいざぞう)(弥勒菩薩)(大阪・観心寺所蔵)」<1F-1 通期展示>だよ。
チラシで見たほとけさま!さっき、井並研究員と「しざいちょう」で見たよ!
そうだね。観心寺のご本尊は如意輪観音で、こちらは秘仏なのでお寺の外に出ることはないんだけど、そのかわりに今回は50年ほど前につくられた模刻像が展示されているよ。
観心寺の展覧会があると聞いて、如意輪観音様を見れるのかな?と思ったおともだちもいたみたい☆ご本尊の模刻像が見れるのも貴重な機会だリン!
ご本尊は今から1150年以上も前につくられた像なんだけど、伝宝生如来はそれに続く時期に造られたもので、本尊の次くらいにお寺にとっては重要なほとけさまなんだ。
ところで、どうして「伝」という字がついているの?
このお像は現在霊宝館におさめられているんだけど、それ以前には建掛塔(たてかけとう)というお堂に、宝生如来像としておさめられていたんだ。でも、トラりんが井並研究員と見たとおり、お寺の造られた9世紀ころの記録には「金色弥勒如来像一軀」という記載があって、手のかたちなどから最初は弥勒菩薩としておまつりされていた可能性が高いことが分かったんだ。だから現在では名前に「伝」とつけているんだよ。
なるほど!もともと弥勒菩薩だったかもしれないからなんだね!
今回の展示は、新発見のものも含めて、これまで見たことのない仏像がたくさん見られる機会!ぜひゆっくり味わってほしいな。
淺湫研究員、いっぱい教えてくれてありがとリン!
それがねトラりん、きょうは伝えきれなかったけど、実はまだまだ新発見があるんだ。
その展開はもしや?!
Part 2に続く!
あ!みんなにお知らせしなきゃ!
特別展について、担当の研究員がお話しする記念講演会があるリン!
事前予約不要だから、ぜひ聴きに来てね~☆
記念講演会
おーいトラりん、大事なことを言い忘れてるよ!
あ!そうだった!
図録もあるよ! オンラインショップでも購入できるよ!(在庫限り)
\ちらっ/
(モックル)
どーもっくる~。
あ!モックルりん!!!
来てくれたの!?びっくりしたリン!!
デジタルスタンプラリーをたどって、ここまで来たっくるよ~!
日本遺産「中世に出逢えるまち」デジタルスタンプラリーには、観心寺と金剛寺、
そして京都国立博物館も入っているっくる~!!
す、すごい壮大なスタンプラリーだリン!!
みんな、「中世に出逢えるまち」河内長野市にも、遊びにいってね!
よろしくっくる~!
日本遺産「中世に出逢えるまち」デジタルスタンプラリー
https://www.city.kawachinagano.lg.jp/soshiki/16/70865.html
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\おうちで楽しむ京博/
■特別展鑑賞ガイド(PDF)
歴史の舞台!観心寺と金剛寺(日本語版)
The Temples Kanshin-ji and Kongō-ji in Japanese History (English)
历史的舞台!观心寺与金刚寺(简体中文)
역사의 무대! 간신지 절과 곤고지 절 (한글)
■3F-2展示リーフレット
特別公開「熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―」リーフレット
■グレゴリ青山の 深掘り!京博さんぽ
京都在住の漫画家・グレゴリ青山さんが、京都国立博物館を紹介するエッセイ漫画です。
第16回 深掘り! 京博会場運営(受付や展示室の看視など)
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\展覧会概要/
新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のためのお願いにご理解・ご協力賜りますようお願い申し上げます。
会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。随時、京博ウェブサイトや公式Twitterにてお知らせいたしますので、ご来館の際は最新情報をご確認ください。
※本展はご予約不要でご覧いただけます。
■会期:
2022年7月30日(土)~9月11日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館2F、1F
■休館日:
月曜日
■開館時間:
火~木・日 9:00~17:30(入館は17:00まで)
金・土 9:00~20:00(入館は19:30まで)
■観覧料:
一般 1,200円
大学生 600円
高校生 300円
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