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展示

2023年1月13日

新春特集展示「卯づくし─干支を愛でる─」を見に行くリン♪

こんにちリン!
トラりんだリン!

トラりん、登場
今年も「寅りん年2」をよろしくね!!

mizutani(水谷研究員)
やっほートラりん、あけましておめでとう。新年から盛大なボケっぷりだね。さすが関西虎!

水谷研究員、登場

torarin(トラりん)
水谷研究員!あけおめリン!
そういう水谷研究員も、お正月のぴょんぴょん気分が全身からあふれているよ!

mizutani
今年の新春特集展示の英語のタイトルは、なんといっても「Hoppy(跳ぶような) New Year」だからね!トラりんもロップイヤーがなかなか似合っているよ。

torarin
耳が伸びちゃった!

mizutani
そんなわけで、新春特集展示「卯づくし─干支を愛でる─」へ!

mizutanitorarin
ホッピング!
2人でジャンプ

みょーーーん!
2人で着地

torarin
新年の展示室は、空気も格別だリン!

mizutani
1月からの名品ギャラリーは、平成知新館のすべての展示室、13室で展示をしているよ。それぞれの分野の自慢の名品を見に来てもらえたら嬉しいな。
「卯づくし」が見られるのは、1F-2の特別展示室。平成知新館の正面入口から1階の展示室を進んだ、一番奥の部屋だよ。

torarin
入口に、博物館ディクショナリーと、ワークシートがあるリン!
去年の寅りん年にもあったね!
新春特集展示「寅づくし─干支を愛でる─」を見に行くリン!!

博物館ディクショナリーとワークシート紹介

mizutani
よく覚えているね! ワークシートは4言語・日英中韓だよ。去年の「寅づくし」に続いて、この展示では、展示室の解説文もやさしい内容にしているんだ。子どもから大人まで、たくさんの人に楽しんでほしいな。
平成知新館で干支の展示をするのは今年で8年目。卯年の今年は、たくさんの兎が展示室に集まっているよ。でも、すぐに兎の姿を見つけられない作品もあるから、よーく探して見つけてね!

torarin

今回、まずトラりんに紹介したいのは、この作品。「月兎双鵲八花鏡(げっとそうじゃくはっかきょう)(赤星薫氏寄贈・京都国立博物館所蔵)」だよ。

月兎双鵲八花鏡と2人

torarin
あ、ここにうさりんがいる!

mizutani
よく見つけたね!
これは中国、唐時代、8~9世紀に作られた鏡の裏側だよ。
この丸い形のものが月。昔の中国の人が想像した月の世界が描かれているんだ。

torarin
うさりんはおもちをついているのかな?
真ん中に木が生えていて......右側にいるのは、なにこれ!?
謎の生物?もしかして宇宙人!?
月兎双鵲八花鏡の拡大図
mizutani
それはヒキガエル(蟾蜍)だよ! 昔の中国の人は、月には大きな桂の木が生えていて、兎やヒキガエルがいると考えていたんだ。伝説によると、地上にいた女の人が、不老不死の薬を飲んで月に昇り、ヒキガエルの姿になってしまったんだって。
日本では、月の兎は「餅をついている」って言うよね。でももともと中国では、「不老不死の薬を作っている」と信じられてきたんだ。

torarin
おもちじゃなくて、薬だったんだ!(月の住人ポーズだリン☆)

2人で兎とヒキガエルをやってみた

mizutani
次に紹介するのは、「秋桂月兎図(しゅうけいげっとず) 陳星(ちんせい)筆 (京都国立博物館所蔵)」

作品を見る2人

torarin
チラシで見たうさりんだ!

mizutani
月を眺める白い兎の姿が、印象的だよね!
これも中国で作られた作品だよ。清の時代、康熙4年(1665年)に描かれたんだ。

torarin
うさりん、月を眺めて、何を考えているのかな...
あ!木に白いお花が咲いている!(お花好き男子☆)

mizutani
そう、これがさっきもお話に出てきた「桂の木」だよ。
実は、この「桂」は、日本では「木犀(もくせい)」と呼ばれている木なんだ。
キンモクセイとか、ギンモクセイとか、トラりんは聞いたことあるかな?

torarin
知っているリン!秋になると小さいお花がたくさん咲いて、いい匂いがする木だね!

mizutani
それそれ!中国の伝説によれば、月には500丈、つまり約1,500メートルもある大きな桂(木犀)が生えているんだって。この絵には、月の世界を連想させる、兎と桂(木犀)が一緒に描かれているんだね。

torarin
そんなに大きな木が!?昔の人が想像した月の世界って、なんだかすごいところだリン...

mizutani
続いて、「月兎蒔絵象嵌盆(つきうさぎまきえぞうがんぼん) 笠翁細工(りつおうざいく)」だよ。

作品を紹介する2人の手

torarin
大きなお盆だね!キラキラしているリン☆

mizutani
虹色に輝いているのは、葛の花だね。キラキラの貝殻を薄く削って貼り付けているんだ。渋い銀色の葉は、鉛の板をはめ込んでいて、兎は、漆を塗ったうえに金粉を蒔いて磨いているんだ。江戸時代、18世紀に作られたものだよ。

torarin
いろんな材料が使ってあって面白いリン!

mizutani
日本で兎は、こんなふうに秋の草花とよく一緒に描かれたんだ。それは、「月の兎」と「月が一番美しく見える秋」が結びつけられたから。連想ゲームみたいだよね。

torarin
「♪兎といったら月、月といったら秋、秋といったら秋草」ってこと?

mizutani
そうそう!
兎と月は、とても関わりが深いものだと考えられてきたんだ。
この作品にも「月」が表されているんだけど、分かるかな?

torarin
えっ!どこどこ!?
じーっ
......。
............。

作品を囲む2人。トラりんの手が兎
mizutani
(トラりん、兎さんポーズで考えている...)

torarin
み、見えないリン......完敗だリン......(がっくリン)

mizutani
トラりん、お盆のかたちをよく見てみて。

torarin
お盆の形?まんまる...ハッ!
もしかして、これが月!?

mizutani
そう、まるいお盆の形を、月に見立てているんだね。

torarin
おっしゃれ~!

mizutani
最後に、「木賊花兎(とくさはなうさぎ)に段文様小袖(だんもんようこそで)(京都国立博物館所蔵)」を紹介するよ。江戸時代、18世紀の作品だよ。

作品を囲む2人

torarin
お着物!あ、ここに白いうさりんの刺繡があるよ!

兎の刺繍の拡大

mizutani
そうだね!もう一羽いるから探してみて。

torarin
あ!上のほうにグレイのうさりんがいた!かわいいリン☆
ところで、このいっぱい生えてる草みたいなのは何?

mizutani
これは「木賊(とくさ)」という植物だよ。木賊の表面はザラザラしていて、昔は、やすりみたいにものを磨くのに使ったんだ。
「山で木賊を刈っていたら、その木賊で磨いたように輝く月が出てきた」という意味の和歌があってね......。それで「木賊と月」はセットで考えられるようになったんだ。さらに「木賊と月と兎」が繋がって、木賊と兎はよく一緒に描かれるようになったんだ。

torarin
つまり、「♪木賊と言ったら月、月と言ったら兎」ってこと!?
また連想ゲームだリン!

mizutani
そうだね!
この小袖には、秋草の菊や萩も描かれているよ。
それから、波も描かれているね。実は、お能の中のある場面がもとになって「波と月と兎」が結びついたんだ。
つまり、この小袖には、兎に関係のある「木賊」「秋草」「波」が描かれている......でも、兎とそれらを結び付けた、肝心の「月」はどこにも描かれていないんだ。
分かる人には分かる、なぞなぞみたいな文様だね。

指をさして説明する研究員と聞くトラりん

torarin
むむむ......うさりんは、かわいいだけじゃなくて奥が深いリン!



torarin
月とうさりんの連想ゲーム、すごく楽しかったリン!
ここでは紹介しきれなかったけど、ほかにも、リアルなうさりんや、強そうなうさりん、
ちっちゃくてフワフワのうさりんなどなど......たくさんのうさりんがみんなを待っているから、ぜひ会いに来てほしいリン!

mizutani
そうだね! 今年の干支「兎」に囲まれて、いい新年を迎えてほしいな。
博物館ディクショナリーは、ウェブページでも読めるから、見てみてね。
PDF版もあるよ→ 228号「兎と月の連想ゲーム」

博物館ディクショナリーをのぞく2人

torarin
ふむふむ!博物館ディクショナリー、ためになるリン!

mizutani
展示室の入り口に置いている丸いワークシートは、ビンゴみたいになっているよ!
兎と一緒に描かれているものを見つけたら、穴をあけてね。
全部見つけられるかな!?

ワークシートと2人
torarin
プチプチ☆(穴をあけている)
いやぁ楽しかったリン!

mizutani
(トラりん、もしかしていやぁとearとyearをかけている?まさかね......)

mizutanitorarin
新春は、「卯づくし」へっ!!

\水谷研究員土曜講座も!/
2023年1月14日(土)
「美しい卯づくし─兎のかたちをめぐって─」
講師:水谷 亜希(京都国立博物館 主任研究員)
※当日、10:00より平成知新館1階にて整理券を配布します(定員になり次第、配布終了)。

新春特集展示 卯づくし─干支を愛でる─
新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のためのお願いにご理解・ご協力賜りますようお願い申し上げます。
会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。随時、京博ウェブサイトや公式Twitterにてお知らせいたしますので、ご来館の際は最新情報をご確認ください。
※本展はご予約不要でご覧いただけます。

■会期:
2023年1月2日(月・休) ~ 29日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館1F-2
■休館日:
月曜日
※ただし、2023年1月2日(月・休)、9日(月・祝)は開館、10日(火)休館
■開館時間:
9:30~17:00(入館は16:30まで)
■観覧料:
一般 700円
大学生 350円



torarin
そ、それはまさか、りんごのうさりん!?

水谷研究員のりんごペンダントに気付いたトラりん

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