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展示

2023年2月17日

特集展示「雛まつりと人形」を見に行くリン♪

こんにちリン!
トラりんだリン!

トラりん、登場

みんな!今年もはじまったよ♪何がって?それはもちろん、
特集展示「雛まつりと人形」!!

この「雛まつりと人形」は、大正15年(1926年)に第1回を開催した歴史ある展示なんだって!大正15年ってことは、今からええと...、何年前?

山川研究員(山川研究員)
97年前!

山川研究員、登場

torarin(トラりん)
山川研究員!

山川研究員
トラりん、今年も雛人形の季節がやってきたね!

torarin
山川研究員とこうやって一緒に展示を見に行くのも、今年で8回目だリン♪
うれしいな!るんるん♪

山川研究員
春を告げる恒例の展示だものね!
毎年雛人形の歴史と、さまざまな京人形を紹介しているけれど、博物館の雛蔵(ひなぐら)には、御殿飾りや段飾りといった大がかりな雛飾りだけでも8種類あるの。
毎年同じように思うかもしれないけど、実はちょっとずつ違う展示になるよう工夫してるんだよ。
今年は京人形のうち「衣裳人形」と呼ばれる作品をたくさん展示してるから、一緒に見ていこうね。

torarin
よろしくリン!それにしても山川研究員、もう雛まつりの季節なのに、今年はいつもより寒くない?ブルブル...

トラりんと山川研究員、さむがる

山川研究員
そうなのよ、トラりん!今年は親鸞聖人生誕850年特別展「親鸞--生涯と名宝」が3月25日(土)に始まるから、例年より展示の開始を早くしたの。でも大丈夫!展示室にはもう春が来ているから!

torarin
え、ほんと?

山川研究員
もちろん!春の展示室に行ってみよう!



torarin
春だリン~!
トラりんと山川研究員、展示室で笑顔

山川研究員
トラりんの耳にも、思わずウメが咲いちゃったのね!
じゃあ、「御殿飾り雛(ごてんかざりびな)」から紹介するね。

作品画像
御殿飾り雛 中村富子氏寄贈・京都国立博物館所蔵

torarin
「御殿飾り雛」を見ると、京博のお雛りんって感じがするリン♪

山川研究員
うんうん! 関西の雛飾りといえば「御殿飾り雛」だよね。トラりん、お内裏(だいり)さまとお雛さまのモデルは誰だったっけ?

torarin
えっとね、もうボクも覚えたよ!天皇さんと皇后さんだリン!(ドヤッ)

山川研究員
さすがトラりん、即答だね!
雛人形は江戸時代の初めに飾られるようになったと言われているけれど、最初はお内裏さまとお雛さまの2体だけが飾られていたの。それが次第に豪華になっていって、江戸時代の終わり頃には、雛段をつくっていろいろな人形や小物と一緒に飾るようになっていくんだよ。
面白いことに、その様相は上方(かみがた・現在の京都周辺)と江戸(現在の東京)で違うの。
御所が身近にあった京都では、雲の上の人ではあるけれど、天皇や皇后の暮らしぶりは、そこに出入りする人たちから聞くこともあったんじゃないかな。段は二段か三段くらいなんだけど、一番上の段に天皇が暮らす紫宸殿(ししんでん)をイメージした大きな御殿が飾られたの。内裏雛(だいりびな)はその中に置いたんだよ。これが「御殿飾り雛」だよね。

torarin
京都には御所があったから、お雛飾りに御殿がつくられたんだね!

山川研究員
そうそう。一方、将軍が暮らす江戸では、段の数をもっと多くして、一番上の段には御殿は置かずに内裏雛を飾ったの。下の段には、大名家のお姫さまがお嫁入りの時に持参するような、小さな調度がたくさん飾られたんだよ。これを「段飾り雛」って呼んでるの。

torarin
みんなが良く知っている、お雛りんだリン!

作品画像

山川研究員
この御殿飾り雛は、大正10年(1921年)に初節供(はつせっく)を迎えた女の子のために贈られたもの。この頃まではまだ関西地方では御殿飾り雛が主流だったんだね。
残念だけど、京都の人形店を巡っても、今は御殿飾り雛を置いているお店はないんじゃないかな......その土地の個性が失われていくのは、なんだか寂しいね。

torarin
うん、こんなに立派なお雛りんなのに、飾るおうちがなくなっていくのは、寂しいリン......せめて京博に来てくれたおともだちには、御殿飾り雛のこと、知ってもらいたいリン♪

山川研究員
さすが、PR大使トラりん!虎ブログで、たくさんの人に広がるといいね。
次に紹介したいのは、「衣裳人形 笛吹き若衆(いしょうにんぎょう ふえふきわかしゅう)」だよ。

作品画像
衣裳人形 笛吹き若衆 入江波光コレクション 入江酉一郎氏寄贈・京都国立博物館所蔵

torarin
キレイなお顔のお人形だリン!男の子かな?

山川研究員
若衆は少年っていう意味だよ。指先に注目して!笛の穴を押さえる様子が繊細に表現されているでしょ?

torarin
ほんとだ!細くて長い指だリン!衣装人形ってなぁに?

山川研究員
衣裳人形は、藁などを芯にして美しい衣裳を着せ付け、桐塑(とうそ・桐のおがくずを固めて表面に胡粉を塗ったもの)で顔や手足を加えた人形のこと。作り方から言えば、雛人形も衣裳人形の一種になるね。
子どもの愛らしい姿を題材にするものや、当時流行の衣服や髪型で製作されるものがあるんだよ。私たちがフィギュアを飾るように、江戸時代の人たちも身近にお気に入りの衣裳人形を飾ったんじゃないかな。

torarin
江戸時代の人たちもお部屋にフィギュアを飾っていたと思うと、身近に感じるリン!

山川研究員
今年は京人形の中から「衣裳人形」をたくさん展示したよ。ここに並んでいる衣裳人形たちのテーマは「遊びと芸能」。雛道具と組み合わせて囲碁を楽しんでいる雰囲気にしたり、楽器を奏でている衣裳人形を集めてみたよ!

torarin
後ろに飾ってる振袖も、楽器文様なんだね!踊っていたり、太鼓をたたいていたり、楽しい音楽が聞こえてくるみたい♪ん?よく見たら、「笛吹き若衆」にはボクと同じしっぽが生えている!?

作品画像

山川研究員
あぁ、それは尻鞘(しりざや)っていって、太刀や刀を雨露から守るためのカバーだよ。かっこいいから虎の毛皮が使われることが多いんだよね。

torarin
え!虎の毛皮!?
びびるトラりん

山川研究員
大丈夫、トラりんの毛皮は使わないから!

torarin
(ほんとかな?ドキドキ)

山川研究員
そして次に紹介するのは、「衣裳人形 お迎え人形(いしょうにんぎょう おむかえにんぎょう)」だよ。

作品画像
衣裳人形 お迎え人形 入江波光コレクション 入江酉一郎氏寄贈・京都国立博物館所蔵

torarin
鑑賞ガイド(PDF)の表紙のお人形だリン!どうしておかごにのっているの?

山川研究員
江戸時代に行われていた「雛の使(ひなのつかい)」に関わる人形だと考えられているの。「雛の使」は今はなじみのない言葉だけど、俳句では3月の季語にもなっているんだって。
江戸時代には、3月の節供に贈りものをくれた親類の家へ、節供を迎えた女の子の家から、乗り物に乗せた人形と草餠やお酒なんかを、かつぎ台にのせて届ける風習があったの。こんな風に乗物の中に入っている衣裳人形は、女の子の家の使者として、親類の方々へ返礼品を届けたんだね。

torarin
おうちの大切な女の子にお祝いをしてもらった、おかえしの品をくばっているお使いの人なんだね。

山川研究員
ちなみに、つい「かご」って言っちゃうけど、こんな風に豪華な蒔絵で飾られたものは「女乗物(おんなのりもの)」って呼ぶのが正式なんだって。

torarin
かっこいい呼び方だリン!お迎え人形のほかにも、お人形たちはみんな色んな恰好をしているね!

山川研究員
こちらの衣裳人形たちは「旅」をテーマにしてみたよ。少しずつではあるけれど、気兼ねなくお出かけできるようになってきたよね。人形たちの姿を通して、旅気分を味わってもらいたいなあ。

torarin
旅をする人たちなのか!ボクも今年はたくさん旅をしたいなぁ♪

山川研究員
トラりん、何をやっているの?

torarin
虎のかごやだリン☆

かごやをやるトラりん

山川研究員
そして今回最後に紹介するのは、「御所人形 鶏合(ごしょにんぎょう とりあわせ)」だよ。

作品画像
御所人形 鶏合 京都国立博物館所蔵

torarin
このお人形たち、白くてむちっとしているね!なんだか、他人とは思えないリン...☆
あ!鶏だ!いっしょに遊んでいるのかな?

山川研究員
雄鶏をたたかわせる競技、いわゆる闘鶏(とうけい)をしてるんだよ。宮中ではかつて、年中行事として3月3日に鶏合(とりあわせ)を行っていたの。現代は雛まつりの日として知られているけど、昔のお公家さんにはこの日は鶏合の日として知られていたんだね。

torarin
今の雛まつりとはずいぶん違うんだね!御所人形ってどんなお人形なの?

山川研究員
真っ白な肌がきれいな御所人形は、木彫りの人形に胡粉を何回も何回も塗り重ねて、つやつやに磨き上げて作るんだよ。小さな男の子が無邪気に遊ぶ姿をうつしたものが多くて、江戸時代には、御所からの贈りものとして使われたり、お公家さんたちが贈りあったり、ちょっとした贈答品にしたんだって。こうやって、みやこの人形文化がはぐくまれてきたんだね。

torarin
お人形たち、みやこのみんなにとっても愛されていたんだリン!

山川研究員
雛人形をお持ちの家でも、日々の慌ただしさやさまざまな事情があって、なかなか飾り付けができないことがあると思うんだ。この虎ブログがきっかけになって、うちも雛人形を飾ってみよう!と思ってくださると嬉しいな。それが難しくても、京都周辺には雛人形を展示している博物館施設がたくさんあるよね。ぜひお出かけして春の訪れを感じてほしいなぁ。

torarin
山川研究員、ありがとリン!たくさんのおともだちがお人形たちに癒されて、おうちでも展示室でも、雛まつりを楽しんでくれると嬉しいな!みんなが会いに来てくれるのを、お人形たちと一緒に待っているリン♪

山川研究員torarin
今年の春も、京博で雛まつり!
フルカラーの豪華鑑賞ガイドもぜひ見てね!
鑑賞ガイド(PDF)

鑑賞ガイドを持つ2人




特集展示 雛まつりと人形
新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のためのお願いにご理解・ご協力賜りますようお願い申し上げます。
会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。随時、京博ウェブサイトや京博公式Twitterにてお知らせいたしますので、ご来館の際は最新情報をご確認ください。
※本展はご予約不要でご覧いただけます。

■会期:
2023年2月4日(土) ~ 3月5日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館1F-2
■休館日:
月曜日
■開館時間:
9:30~17:00(入館は16:30まで)
■観覧料:
一般  700円
大学生 350円




おひなトラりんぬいぐるみ

かごを担ぐマイムをする2人

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