こんにちリン!
トラりんだリン!
ことしも特集展示「新収品展」が始まったリン!
ところで、「新収品展」って何だっけ?
(石田研究員・福士研究員)
やっほー、トラりん!
(トラりん)
石田研究員、福士研究員!
きょうは恒例の「新収品展」を紹介するよ。2022年1月にもやっていたと思うけど、トラりんはどんな展示か忘れちゃった?
うん、ごめリン☆
トラりんはすなおだね!
「新収品展」は、博物館が新しく収集した作品を紹介する展示だよ。今年は京都国立博物館が2021・2022年に新たに収蔵した作品・文化財の中から、絵画・書跡・工芸・彫刻の名品39点を紹介しているんだ。
それじゃあさっそく...
展示室にいってみよう!
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まず最初に紹介するのは、こちら。「団扇形散らし文様摺箔(うちわがたちらしもんようすりはく)」だよ!
チラシに載っていたお着物だリン!
とっても華やかでしょ。江戸時代のお能の装束だよ。
摺箔(すりはく)は、能で女役の人が内着として着る装束なんだ。外側に着る表着(うわぎ)でなく、中に着るものだから、着た時には実は襟の部分がちらっと見えるだけ。着物を包んでいた畳紙(たとうがみ)から加賀藩前田家に伝来したことがわかっているよ。見えない部分まで行き届いた前田家の美意識が感じられるね。
内側に着るお着物なの?せっかくの華やかな部分が見えないなんて、もったいない気もするリン!でもそれがおしゃれなんだね☆うちわの中にいろんな模様が描いてあって、ずっと見ていられるリン...
\パタパタ(うちわであおぐ音)/
そうだね。装束は全体が銀地で、その中に70以上のうちわ形が散らしてあるよ。うちわ形には四季折々のいろいろな草花や野菜の絵が墨や彩色で描かれていて、とっても凝ったつくりでしょ。この中でトラりんのお気に入りの絵はどれかな?
おだいこん!(じゅるり)
やっぱり...(笑)(トラりん、虎なのに結構ヘルシー...)
次の作品は、「吉野・龍田図屏風(よしの・たつたずびょうぶ)」だよ。
きれいなびょうぶだリン!どんな風景が描かれているのかな?
ここには、吉野と龍田という2つの名所が描かれているよ。どちらも現在の奈良県にあるんだ。吉野は桜、龍田は紅葉が有名だから、絵も春と秋に描き分けられているね。しかも、たんに美しい景色を描いているだけじゃなくて、たくさんの人たちが見えるね!
ほんとだ、ここにいるのは何をしている人かな?
龍田大社の鳥居によじ登っている人だね。遠方から参詣に訪れたらしいこの2人組は、鳥居に落書きをしているんだよ。たぶん、どこから来た何某(なにがし)、なんてことを書いていると思うよ。思い切り背伸びをして、できるだけ高いところに書いてやろうとしている様子が面白いね。今でも、神社やお寺の門などに、古い時代の落書きが残っていることがあるんだけど、もちろん、よい子のみんなは絶対にマネしちゃだめだよ!
よい子のおともだち、落書きはもちろん、ツメ研ぎもだめだリン!気をつけるようにねっ☆(キリッ)
続いて紹介するのは、こちらも屏風で、「閑雲野鶴(かんうんやかく)」だよ。
ツルりんだリン🐣
ツルりんは絵に描かれることが多いんだけど、この作品に描かれるツルりんの大らかなこと!悠々と羽を広げて大空を飛んでいて、じつに気持ちよさそうだねえ。
「閑雲野鶴」というのは、何の束縛も受けず、自然に親しんでゆったりと暮らすことを言うたとえなんだけど、まさにその言葉通りだね!
自由に空を飛ぶツルりん、かっこいいリーン!ん?でもこのツルりん、よく見たらちょっとお顔が怖いリン...(ブルブル)
またまたトラりんたら~、森の王者のくせしてよう言わはるわ~。
でも、たしかにこのマナヅルはとても写実的に描かれていて、ちょっと生々しい感じがするよね。
うん、すいぼくがたいぷのボクから見ると、なかなかりあるだリン☆
昭和7年(1932)に京博で「都路華香遺作展」を開催したときにも展示されていた作品なんだよ!当時は、祇園祭の宵山に行われる屏風祭で名物屏風の1つとして有名だったんだ。
祇園祭の屏風祭の名物屏風!すごいツルりんだリン!
最後の作品は「北野本地絵巻断簡(きたのほんじえまきだんかん)」だよ。トラりんは北野天満宮を知っているよね?
京都にある?
そう、京都市上京区にある神社だね。北野天満宮は学問の神様でもある菅原道真公をお祀りしていて、京都の人は親しみを込めて天神さんと呼ぶこともあるよ。この作品は鎌倉時代のもので、菅原道真公の一生と、亡くなった後に北野天満宮に天神さまとして祀られるまでのお話を描いた「北野天神縁起絵巻」の一部なんだ。もともとは1巻の巻物だったけど、戦後に分割されて掛軸と巻物に分かれているよ。
2つの作品が展示されているように見えるけど、もともと1つの巻物だったんだね!
ということは、菅原道真さんが描かれているの?
この絵の中には菅原道真公はいないけど、絵の右端に男の子と僧侶、男性がいるのが見えるかな。この絵は「太郎丸託宣(たろうまるたくせん)」という場面を描いていて、男の子は太郎丸というんだけど、ある日彼に道真公から京都の右近の馬場というところに祀られたいというお告げがあったんだ。それでそのことを僧侶と男性に伝えているところだよ。ちなみに右近の馬場はちょうど北野天満宮があるあたり。墨一色だけど、とてものびやかな線で、人物の後ろに広々とした景色が広がっているのがよくわかるね。
すいぼくがたいぷだリン☆(ほっこり)
今回の新収品展は、「北野本地絵巻断簡」のように京都にまつわる京博らしい作品から、福士研究員が紹介してくれた「閑雲野鶴」のような近代の絵画まで、時代、分野ともにバラエティーに富んだ作品を展示しているよ。展示を見て新鮮な驚きや気づきがあればとても嬉しいな。
あたらしい作品を集めるときにも、研究員のみんなは「京博らしさ」を考えているんだね!
今回は、京博では普段あまり見かけない近代絵画もたくさん展示されているよ。これは、寄贈によって新しく京博の所蔵になったんだ。古いものと新しいものが出会うことで、どんな世界が見えてくるのか、これからの名品ギャラリーをぜひ楽しみにしていてほしいな!
おともだちのみんな、聞いた?今回の「新収品展」では、古いものと新しいもの、いろんな時代の作品を同時に楽しめるリン!石田研究員、福士研究員、ありがとリーン!
ところで、「新収品展」を忘れちゃったトラりんに、見せたいものがあるよ!
ばっ!
ん?
なんだかなつかしい感じがするリン!
そりゃそうだよ(笑)担当研究員がこの「新Tシャツ」を代々受け継いできたからね!
あ!思い出したリン!
(ボクの記憶ズララララ☆)
■過去の虎ブログ 新収品展
・2018年
・2019年
・2022年
やっと思い出したんだね、トラりん!(いまさらだけど)おめでとう!
ボクといっしょに思い出したおともだちも、初めて見るおともだちも、ことしの「新収品展」を見に来てね!
みんなが来てくれるのを待っているリン!
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\展覧会概要/
■会期:
2023年6月13日(火)~ 7月17日(月・祝)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館2F-2~5
■休館日:
月曜日
※ただし7月17日(月・祝)は開館
■開館時間:
9:30~17:00(入館は16:30まで)
■観覧料:
一般 700円
大学生 350円
※本観覧料で当日の平成知新館の全展示をご覧いただけます。
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ツルりんの舞☆(ボク、くちばし刺さり気味)