特別展「雪舟伝説―「画聖(カリスマ)」の誕生―」も後期展示に突入したよ!
あっという間!
これまでも見どころを紹介してきたけど、きょうも張り切って「雪舟伝説展」を紹介するリーン!
(福士研究員)
待ってたよー、トラりん!
(トラりん)
福士研究員!
はいふぁい☆きょうも雪舟Tシャツを着ているね!
雪舟推しだからね! 最近は毎日これを着て出勤しているよ!
雪舟押し!
押すの禁止~!
でぃふぇんす...!
前回の虎ブログでは、雪舟作品をがっつり紹介したけど、今回はいよいよ近世絵画!雪舟に影響を受けた江戸時代のフォロワーたちを紹介するよ。
楽しみだリン!うずうずうず☆
展示室にれっつごー!
・
・
・
さて、最初に紹介するのは、狩野探幽(かのうたんゆう)が描いた「雪舟筆四季山水図巻模本(せっしゅうひつしきさんすいずかんもほん)」だよ。
「もほん」ってなぁに?
その名のとおり、雪舟が描いた「四季山水図巻」を、江戸時代の狩野探幽が模写した作品なんだ。探幽は雪舟の画風を取り入れながら自分のスタイルを作り上げていったんだけど、こうした模本の制作は格好の勉強の機会になったと思うよ。
ちなみに雪舟さんオリジナルの「四季山水図巻」も隣に展示されているから、ぜひ比べてみてほしいな!
雪舟さんの作品の解説には、あの人を呼ぶリン!
森研究員―!
(森研究員)
ほいほい、中世絵画担当の森です。こっちが雪舟さんね。そっくりでしょ?
そっくリン!と言いたいところだけど、おとなりにあるのに、作品が長~くて見比べるのが大変だリン!
こんなに長~い展示ケースで、1Fの彫刻展示室の風景もすっかり様変わりしているね。
そっくリンなところを探すために、行ったり来たりしているリン!
行ったり来たりするのも、今回の展覧会の楽しみ方かも。最後まで見たらまた最初から見たくなるような構成になっているよ。
雪舟さんのえいきょうりょくのすごさが実感できるリン!
この雪舟さんのオリジナルは、巻物だから色んなパターンの山水がみられるよ。多分かなり年とった時の作品で、長すぎてだんだん描き疲れてきた?って感じがしてそれも面白いんだ。
雪舟さんがおじいちゃんになって描いた絵かもしれないんだね!こんなに長~い巻物に取り組むなんて、気合いがすごいリン☆どうしてこんなに長~いのを描こうと思ったのかな?
描いたきっかけは分からないけど、大事なお弟子さんに記念であげた山水のお手本集とか、そういう感じじゃないかな~。これを見てもう1回、探幽がどれだけ雪舟の手になりきってるか、見に行っておいで~!
探幽さんの「もほん」に戻って来たリン!
おかえり、トラりん!
こんなに長~い絵を模写するなんて、探幽さんもすごいリン!
トラりんの言うとおり、これは10メートルを超える長い巻物なんだけど、かなり忠実に丹念に写しているよ。模本としての質がとても高く、十分に鑑賞に堪えるクオリティだねえ。いや素晴らしい。
この「もほん」で、ほかの画家の人たちもお勉強したのかな?
そりゃあもう、狩野派の中で雪舟作品の図柄を共有するうえでも、とても大きな役割を果たしたんじゃないかと思うよ!
雪舟さんの画風を伝える、大切な作品だったんだね!
・
・
・
今度は2Fに移動して、「富士三保清見寺図(ふじみほせいけんじず) 伝雪舟(せっしゅう)筆」を紹介するよ。
わ!富士山だ!「伝雪舟」ってどういうこと?
さすがトラりん、よく気付いたね。「伝」というのは、そう伝えられているということ。雪舟筆だと伝えられているけど、実際は違うかもしれないという時に使われたりする言い方なんだよ。この作品の場合は、雪舟の絵を古い時代に写した模本だと考えられているんだ。そういう意味では、この作品は厳密には雪舟の作品とは言えないんだよ。
衝撃だリン!
でも、重要なのは江戸時代の人たちにとってどうだったかということ。江戸時代には、雪舟が中国に行ったときに描いた作品だと考えられていて、とても有名な作品だったんだよ。たくさんの画家たちがこの絵の図柄をマネするようになったんだ。
「雪舟さんが描いた!」って信じたからこそ、江戸時代にみんながお手本にしたんだね!そう思うと「伝雪舟」のえいきょうりょくはすごいリン!
・
・
・
じゃあ続いて、また1Fに降りて、曾我蕭白(そがしょうはく)が描いた富士山も見てみよう。
え?これも富士山?
そうだよ。さっき見た「伝雪舟」と見比べてみて、どう思う?
うーん、ほんとに富士山かな?って思うくらい、不思議な形だリン!さっきのはてっぺんがまるっこかったけど、こっちはてっぺんがつんつんしていて、しかも「さんかく」がすそのまで広がっているリン☆
ほんとだね。富士山の形がすごく奇抜で、現実の風景を描いたとはとても思えないようなところが面白い。いかにも蕭白らしい個性にあふれた見事な作品だよ。蕭白30歳頃に描かれたんだ。
「伝雪舟」の富士山の方が、プルンとしておいしそうだったリン🍮
プッ〇ンプリンと間違えてない?
あ!こっちには、まるい観覧車みたいなのがある!
そうそう、右隻の三保の松原のところには、なんと虹がかかっているよ。
虹🌈?!
蕭白さんの絵ってなんだかふぁんたじっくだね!「伝雪舟」と全然違うリン!
でも実は、画面の構成をよく見ると、伝雪舟筆「富士三保清見寺図」と基本的に同じなのがわかるんだ。よく見てみて。
構図?えーと、ボクの側に富士山があって、福士研究員の側に三保の松原があって...
そうそう。画面右下に三保の松原、左に富士山、その下に清見寺を描くという構図は、雪舟の作品から学んでいるんだ。強烈な個性に目を奪われがちだけど、雪舟のような古典を勉強していたことにも注目してほしいな。
個性派の蕭白さんも、雪舟さんをお手本にしていたんだね!雪舟さんのお勉強をするのは、江戸の画家のみんなにとって、避けて通れない大切なことだったのかもしれないリン...☆
「伝雪舟」をお手本にたくさんの画家たちが描いた個性豊かな富士山を一挙にみられるのも、今回の展示の見どころだよ。たくさん見比べて楽しんでね!
富士山を集めた展示室、見ごたえたっぷリン🍮だリン!
・
・
・
さて、前回の虎ブログでは、「雪舟展ではありません!」と言いながらも、雪舟の作品をたくさん紹介したけど、今回の虎ブログでは雪舟がいかにして伝説になっていったのかが、トラりんにも分かってもらえたんじゃないかな。トラりん、改めて「雪舟伝説展」はどうだった?
面白かったリン!
そう言ってもらえて嬉しいよ!「面白い」と言ってもらえるのが、担当者にとっては一番の褒め言葉だからね!雪舟の作品を楽しむとともに、その作品が後世にどんな影響を与えたのか、ぜひ楽しみながら見てもらえると嬉しいな。
今では国宝が一番多い雪舟さんが、こうやって「すごい人」になったのは、時代を超えてたくさんの人たちが雪舟さんへの愛を繋いでいったからなんだね☆
雪舟という人がいまなぜこんなに高く評価されているのか、もちろん作品が優れているのは確かなんだけど、色んな画家たちが雪舟を評価してきた歴史を知ると、それが理解できるんじゃないかと思うんだ。
推しを「伝説」にするには、「みんなのチカラ」が何より大切ってよく分かったリン!
通期展示も多く、見ごたえたっぷりな「雪舟伝説展」は5月26日(日)まで。「雪舟伝説」というひとつの物語を鑑賞するつもりで、見に来てくださると嬉しいです!
福士研究員、きょうはありがとリン♪
ちょっと待ったー!
森研究員!
まだいたんだね☆
なんたる言い草...もう、トラりん、図録の紹介を忘れてるよ!
あ、そうだった!
今回の図録は、拡大写真が多いところが見どころだよ!また、図録でしか全貌が見られない作品もあるから、お土産に持って帰って、じっくり楽しんでほしいな。
図録もグッズもよろしくリン~!
そうだね、トラりん!雪舟伝説を見た感動の余韻を味わいながら、雪舟推しTシャツをみんなで着て帰ろう!
(もうそれ、フェスじゃん...)
(雪舟フェスだリン...)
京博(雪舟フェス会場)で待っているリーン!
・
・
・
\展覧会概要/
■会期:
2024年4月13日(土)~5月26日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館
■休館日:
月曜日
※ただし、2024年4月29日(月・祝)・5月6日(月・休)開館、5月7日(火)休館
■開館時間:
9:00~17:30(入館は17:00まで)
■記念講演会:
○5月11日(土)13:30~15:00
「雪舟伝説前史―戦国社会における雪舟流」
講師:森 道彦(京都国立博物館 主任研究員)
○5月18日(土)13:30~15:00
「雪舟的なもののゆくえ」
講師:福士 雄也(京都国立博物館 保存修理指導室長)
\おうちで楽しむ京博/
■虎ブログ
特別展「雪舟伝説─「画聖」の誕生─」を見に行くリン♪ Part1
■トラTube
【予習編】特別展 雪舟伝説―「画聖(カリスマ)」の誕生―
https://www.youtube.com/watch?v=9057CsWTeHw
・
・
・
雪舟フェス!