特別企画　オリュンピア × ニッポン・ビジュツ

これまでの展示

特別企画　オリュンピア × ニッポン・ビジュツ: 2021年6月 5日～ 2021年7月 4日

本展は、多神教を奉じた古代ギリシア世界と、日本の信仰風習とを対比させながら、当館収蔵の名品をお楽しみいただく企画です。

オリュンピアは、ギリシアの神々を統べる主神ゼウスを祀る特別な神域でした。そのオリュンピアで4年にいちど開かれる競技大会は、ギリシア全土に知られた重要な祭典でした。選手たちは、栄誉のために心身を鍛えあげ、神前に臨みました。ひとたび勝利すれば、連日の祝宴に酔いしれ、自身の肖像を神域に奉納する権利を手にし、地元では生涯にわたって好待遇を得ました。日本でも神々を祀り、神前で技を競い、心身を鍛えて、勝利を祝い、神々とともに宴を楽しみました。

日本美術の初心者にも上級者にも思いがけない発見の場となり、古代オリンピックに親しむ機会ともなれば幸いです。

8．武装競走・近代競技

オリュンピア祭典競技の4日目には、中長距離の徒競走やパンクラチオンと呼ばれる格闘技、また、重い甲冑を身につけた武装競走が行われました。パンクラチオンは、かみつくことと指で相手の目をつくこと以外は何をしてもよいとされる危険な競技で、命を落とす選手もいました。徒競走や格闘技には全裸で臨んだのに対し、武装競走では、戦に臨む際の鎧兜、槍、楯、脛当てのフル装備で全力疾走しました。オリンピックが、人間が用意できる最良のものを神々に捧げる場であると同時に、戦士の育成を兼ねていたことを如実に語る競技です。

聖火リレー、アーチェリー、ポロ、ボートなどは近代オリンピックのイベントですが、東洋にも昔からありましたので、関連作品をご紹介しましょう。

紫糸威鎧
伝島津斉彬所用
当館

展示作品リスト

指定	作品名	員数	所蔵
	八幡宮縁起　巻上	2巻のうち1巻	京都国立博物館
	堀江物語絵巻岩佐又兵衛筆	1巻	京都国立博物館
重文	黒韋威肩紫紅白糸胴丸　大袖付	1領	京都国立博物館
	段威鎧	1領	京都国立博物館
	紫糸威鎧伝島津斉彬所用	1領	京都国立博物館
重文	太刀菊御作	1口	京都国立博物館
重文	金熨斗刻鞘大小拵	1腰	京都国立博物館（永藤一氏旧蔵）
重文	舟行送別図南江宗沅等六僧賛	1幅	京都国立博物館
	韃靼人打毬図屏風狩野派筆	2曲1隻	京都国立博物館
	付法蔵伝　巻第六残巻	1巻	京都国立博物館（守屋孝蔵氏収集　守屋美孝氏寄贈）
	楊妃撃丸図	1巻	京都国立博物館（北川豊氏寄贈）
	俵藤太絵巻　巻上	3巻のうち1巻	京都・金戒光明寺