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展示

2025年8月 1日

特集展示「新収品展」を見に行くリン♪

こんにちリン!トラりんだリン!

トラりん、登場

トラりん(トラりん)
ことしも「新収品展」のきせつだリン☆
えっとー、新収品展って何だっけ?

山内研究員(山内研究員)
トラりん、こんにちは!

山内研究員、登場

トラりん
山内研究員!

山内研究員
トラりん、新収品展は京博が新たに収蔵した作品をおひろめする展覧会なんだけど、ご存知ないかな...?

トラりん
うん、ボク初めてかもしれないリン...(真剣)

山内研究員
では、これでどうでしょう!
バッ
シャツを開襟する山内研究員

トラりん
な、なに!?この記憶は...アタマに勝手に再生されていくリン...!
(過去の新収品展の虎ブログがズララララ)

2018年①
2018年②
2019年
2022年
2023年

シャツを開襟する山内研究員

山内研究員
ふふ、思い出してくれてよかった♪
今年の新収品展は私が担当しているよ。今回の展示では2024年度までに京博が新たに収蔵した美術品・文化財の中から、さまざまな分野での名品、約60件を展示するよ。

トラりん
今年はどんな作品が見られるのか、楽しみだリン!

山内研究員
それでは展示室へ...

山内研究員トラりん
行ってみよう!
手を取り合うトラりんと山内研究員




山内研究員
最初に紹介する作品は、重要美術品「山水図(さんすいず)」だよ。

トラりん
あ!チラシで見た作品だリン!

重要美術品 山水図 江西龍派(こうせいりゅうは)・心田清播(しんでんせいは)賛 伝周文(しゅうぶん)筆 京都国立博物館所蔵 <1F-2>
重要美術品 山水図 江西龍派(こうせいりゅうは)・心田清播(しんでんせいは)賛 伝周文(しゅうぶん)筆 京都国立博物館所蔵 <1F-2>

山内研究員
トラりんにとっては親近感のわく作品かな?

トラりん
うん、すいぼくがたいぷだリン!

山内研究員
この作品は周文という室町幕府に重用された15世紀前半の相国寺(しょうこくじ)の水墨画の画僧が描いた、と伝わっているよ。周文といえば、あの雪舟が絵を学んだ先生なんだ。

トラりん
雪舟さんの先生!?すごい人だリン!!

山内研究員
この作品は「伝周文」とあるように、周文の真筆とは言い切れないんだけど、周文が生きていた時代に、彼の近くで描かれたと考えられる貴重な作品なんだ。その画風は周文様式と呼ばれて、以後の様々な漢画流派の基礎とされたよ。

トラりん
「漢画」って?

作品の前で教えを請うトラりん

山内研究員
「漢画」とは、時代により語義や用法が変化しているので少しややこしいのだけど、ここでは日本で描いた中国風の水墨画を意味するよ。室町禅林を中心として宋元画の様式による水墨画を描いた画僧や絵師を漢画派と称したよ。

トラりん
中国風のすいぼくが!秋の特別展「宋元仏画―蒼海(うみ)を越えたほとけたち」にもつながっていそうだリン!

山内研究員
そうそう!宋元仏画展では、日本の絵師たちがお手本にした本場中国から渡ってきた水墨画がたっぷり見られるよ!

トラりん
楽しみだリン♪

山内研究員
つづいて紹介するのは、「八尾狐図(やおのきつねず)」だよ。

八尾狐図 狩野探幽(かのうたんゆう)筆 京都国立博物館所蔵 <1F-2>
八尾狐図 狩野探幽(かのうたんゆう)筆 京都国立博物館所蔵 <1F-2>

トラりん
キツネりんだリン🦊しっぽがいっぱい!

山内研究員
何本あるか分かるかな?

トラりん
ひぃ、ふぅ、みぃ...8本!ふしぎなキツネりんだね!

山内研究員
たしかに、「九尾の狐」なんかは有名だけど、八尾は珍しいよね。これは三代将軍徳川家光が夢で見た不思議な狐を、江戸狩野派の狩野探幽に描かせた絵だそうだよ。

トラりん
家光さんが夢に見たキツネりん!特別な意味がある夢だったのかな...?

山内研究員
この夢を見た後、家光は当時患っていた病が回復したんだって。
でも実はね、家光は尊崇する祖父・家康を夢に見ると病が快方に向かう、という経験をよくしていて、そのたびに家康の姿を探幽に描かせたそうだよ。そしてこの狐りんは家康の使者と考えられたんだよ。

トラりん
へー!おじいちゃんのお使いのキツネりんなんだね!「れいげんあたらか」だリン!

山内研究員
「霊験あらたか」ね。トラりん、難しい言葉を知っているね!

トラりん
えへへ☆それにしても、なんでしっぽが8本もあるのかな?ボクのしっぽは1本だけだリン...(しょんぼリン)

山内研究員
数字の「八」は、日本では「末広がり」のおめでたい漢字だからかな。
トラりんは1本だけど、幸運を呼ぶ「鍵尻尾」だね!

トラりんのしっぽをなでる山内研究員

トラりん
ボクのしっぽもおめでたいの?よかったリン♪
さわってもいいよ!

山内研究員
ありがたや、ありがたや...
さて、続いて紹介するのは、「五月人形飾(ごがつにんぎょうかざ)り」だよ。トラりんは男の子だから、五月人形は見たことあるかな?

五月人形飾り 大木平蔵(おおきへいぞう)作 林駒夫氏寄贈・京都国立博物館所蔵 <1F-4>
五月人形飾り 大木平蔵(おおきへいぞう)作 林駒夫氏寄贈・京都国立博物館所蔵 <1F-4>

トラりん
うーん、ボク、お人形はひな人形の方がよく見ているかも!

山内研究員
そっか、展示ではひな人形の特集展示を毎年見ているもんね!雛まつりの桃の節句は女の子の行事だけど、五月人形は五月五日の「端午の節句」に、男の子の健やかな成長を祈って飾る人形だよ。もともとこの時期に葉を茂らす菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)を飾ったり、煎じて飲んだり、お湯に浮かべて邪気を祓っていたのが、後に「菖蒲」を「武を尚(たっと)ぶ」という意味の「尚武」になぞらえて、鎧兜(よろいかぶと)を飾る風習が始まったんだ。その頭上の細工人形が独立・発展して、武者人形、つまり五月人形になったといわれているよ。

トラりん
そういえばボクも、子どもの日にはトラりんかぶとをかぶったことがあるリン!かぶとやよろいを飾ることから、お人形をかざることに発展していったなんて、面白いリン!
でも、このお人形はよろいかぶとをつけているようには見えないね?馬りんと魔法使いのおじいさんもいて、なんだかメルヘンだリン♪

作品の前で話し合うトラりんと山内研究員

山内研究員
この人形は、武神として崇められた応神天皇(おうじんてんのう)とその伝説上の家臣である武内宿祢(たけのうちのすくね)、そして神の乗り物である神馬がならんでるよ。二人とも古代の装束を身に着け、玉の飾りのついた剣を携えて立派だね。

トラりん
古代の衣装なんだね!天皇さんがモデルになるのは、ひな人形にも似ているリン!

山内研究員
そして最後に紹介するのが、「赤木綿地菩薩文様更紗敷物(あかもめんじぼさつもんようさらさしきもの)」だよ。

赤木綿地菩薩文様更紗敷物 柴田芳明氏寄贈・京都国立博物館所蔵 <1F-6>
赤木綿地菩薩文様更紗敷物 柴田芳明氏寄贈・京都国立博物館所蔵 <1F-6>

トラりん
わ!あざやかな色の布だリーン!

山内研究員
トラりん、「更紗(さらさ)」という布を知っているかな。実は今年のお正月の「巳づくし」でも、水谷研究員と更紗を見ているんだよ。

虎ブログ:新春特集展示「巳づくし―干支を愛でる―」を見に行くリン♪

トラりん
うーん、なんとなく「さらさ」って言葉を聞いたことがあるような気がするリン...

山内研究員
水谷研究員から紹介があったように、「更紗」はインドにルーツを持つ布なんだ。語源については諸説あるけど、「最高級の木綿布」をサラーサと呼んだとも言われているよ。

トラりん
最高級!サラーサってなんだかキレイな響きだリン✨

山内研究員
異国情緒を感じる響きだよね!木綿というと、今では身近な布だけど、紀元前から12世紀頃までは、主にインドだけで生産される珍しい布だったんだ。

トラりん
え!そうなんだ!お洋服にも、たくさん使われているイメージだリン!昔話に出てくる「いったんもめん」も、もめんの布のおばけでしょ?

山内研究員
トラりん、妖怪にも詳しいね!夏だから怪談を聞いたのかな。

トラりん
あ、あと、おとうふにも、もめん豆腐があるリン...(じゅるり)

山内研究員
食べもののお話となると、頭の回転が速くなるね。なぜ木綿が珍しい布だったかというと、原料となる綿花が気温の高い地域でしか育たない植物だったからだよ。

トラりん
そっかぁ、「さらさ」はどんな特徴があるの?

山内研究員
更紗は色鮮やかな文様染が特徴だよ。木綿は絹と比べて染色が難しいのだけど、インドでは古くから「媒染(ばいせん)」や「防染(ぼうせん)」の高い技術により、洗濯しても色落ちしない文様染が発達していたよ。

トラりん
洗濯しても色落ちしないなんて、インドの知恵はすごいリン!

山内研究員
更紗は大航海時代にヨーロッパや東アジア、そして日本にもたらされ、たちまちに世界中で人気となり、大ブームを巻き起こしたよ。これは暹羅(シャム)王国の王族がインドに発注した更紗なので、仏教国である暹羅の好みが表れているね。

トラりん
シャム王国ってどのへん?

山内研究員
現代のタイを指すよ。菩薩様のお顔やお姿をじっくり見てみて!

トラりん
あれ?よーく見ると、ぜんぶすこしずつ、ちがうおかおに見えるリン!

山内研究員
よく気づいたね!そう、これらは全部手描きなんだよ!

トラりん
えー!こんなに大きな布なのに!?ものすごい量だリン!

山内研究員
3mを超える生地には1000近くの菩薩が表わされているので、大変な手間暇がかかっているよね。手描きの更紗は暹羅では王族のための高級品とされたんだ。

「赤木綿地菩薩文様更紗敷物」拡大

トラりん
王様のとくべつな布だったんだね♪貴重な「さらさ」を見られて嬉しいリン!

山内研究員
博物館ディクショナリーでも詳しく紹介しているから、ぜひ展示室の入り口で手に取ってみてね。

トラりん
うぇぶ版もあるリン♪
世界を魅了した更紗--「シャム渡り」更紗から--




山内研究員
トラりん、今年の新収品展はいかがだったかな?

トラりん
いろんな分野の作品が見られて、見ごたえたっぷリン🍮だったリン♪それに、収蔵品が増えると、ボクは「なかま」が増えるみたいな気持ちになるから、なんだか嬉しいリン!

山内研究員
うふふ、トラりんはそんな気持ちになるんだね。新しく収蔵された作品は、これから京博で大切に管理・保管していくよ。今回の新収品展の作品も、これまでの京博のコレクションも、長く人々に愛されるといいね。

トラりん
たくさんの人に守られて、大切にしてもらって...作品って、なんだか赤ちゃんみたいだね!

山内研究員
トラりんも1歳の赤ちゃんだもんね。

トラりん
京博の赤ちゃんだリン!

山内研究員
赤ちゃんパワーで、みんなを笑顔にしてくれてありがとう!京博のみんなもおともだちも、成長を見守っているよ!

山内研究員トラりん
展示室で待っているリン!
展示室の前のトラりんと山内研究員




特集展示 新収品展
■会期:
2025年7月8日(火)~8月24日(日)
■会場:
京都国立博物館 平成知新館1F-2~6
■休館日:
月曜日、7月22日(火)、8月12日(火)
※2025年7月21日(月・祝)、8月11日(月・祝)は開館
■開館時間:
9:30~17:00(入館は16:30まで)
金曜日は20:00まで開館(入館は19:30まで)



\はいたっち!/

手を取り合うトラりんと山内研究員

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