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仏画
国宝
釈迦如来像(赤釈迦)しゃかにょらいぞう(あかしゃか)
- 1幅
- 絹本著色
- 縦159.4cm 横85.5cm
- 平安時代後期 12世紀
- 京都・神護寺
朱衣金体(胎)というのは天台宗系統の仏像の典型的な彩色原理であるが、本図が特に「赤釈迦」の愛称を持つのは、衣に用いられた深く美しい水銀朱の発色がまず目を射るからであろう。衣の輪郭線には体の起伏に合わせて、照暈が施されている。照暈とは、光を反射した白のハイライトを意味する。衣の上にレースのようにかぶせられた裁細な截金(きりかね)文様や光背の宝相華文様などに見るデリケートな金色の使用など、宝飾品のような完成度を持つ。12世紀半ば、院政期仏画の爛熟期の作品と思われる。なお、平成19~21年(2007~09)度の解体修理によって、暗く沈んだ背景が明るくなり制作当初の色彩感覚をかなり取り戻した他、台座の断裂部の位置が修正された。本図は、神護寺に伝来したことから、高雄の法華会の本尊画として造立されたとする説がある。高尾の法華会は最澄(767~822)が創始したとされ、毎年3月に平安時代を通じて神護寺で継続して行われていた。