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金工
国宝
金銀鍍宝相華文透彫華籠きんぎんとほうそうげもんすかしぼりけこ
- 16枚のうち2枚
- (各)径28.5cm
- (1):平安時代 12世紀 (2):南北朝時代 14世紀
- 滋賀・神照寺
仏教法会の際、諸仏を供養するために蓮弁をかたどった紙の花びらが散じられる。華籠(けこ)は、この散華供養(さんげくよう)の花びらを盛る器で、正倉院に伝わるものなどから見て、古くは竹を編んだ籠を用いたらしい。
平安時代以降しだいに装飾性が強まるが、中でもこの華籠は、現存する作例中、意匠、技法両面で最も優れた加飾を行う。銅製の円板全面に、中心から三方向に展開する宝相華唐草文(ほうそうげからくさもん)を透彫りし、とくに外面は鋤彫(すきぼ)りを加えて立体的に表し、花芯(かしん)を線刻により表現する。全体を鍍金(ときん)し、さらに宝相華と唐草の要所に鍍銀を施している。
神照寺に伝存する16枚の華籠は、精粗により2群に分けうるが、このうち古様の5枚は、平安時代まで遡ると考えられている。