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中世絵画
国宝
天橋立図あまのはしだてず
- 1幅
- 紙本墨画淡彩
- 縦89.5cm 横169.5cm
- 室町時代 15〜16世紀
- 京都国立博物館(A甲228)
日本三景の一つ、天橋立(京都府宮津市)の景観を鳥瞰的に描いた大作で、雪舟の傑作として名高い。現実にこの景観を一望できる場所はないため、恐らくは現地で行った複数の写生を後に組み合わせて一枚の実景図に仕立てたとみられる。不揃いの紙を継ぎ合わせた下絵で、別に本画が存在した可能性があるが詳細不明である。画家を示す落款印章もないが、その重厚な筆致と卓越した画面構成力、緻密な描き込みが、異色ながら特別に力のこもった雪舟自筆本であることを強く示唆する。制作期については諸説あるが、智恩寺に多宝塔が描かれていることから、現存する塔が再建された文亀元年(1501)以降を一つの目安とし、雪舟80代の最晩年期とする有力な説がある。
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